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認知症の症状とは?初期段階の行動や周りがとるべき対応を解説

認知症 症状

認知症は進行とともに認知機能が徐々に低下し、生活自立度も影響を受けます。家族が認知症を発症した場合、どのような対応をすれば良いのかわからず、不安を感じる方もいるでしょう。

この記事では認知症の症状と家族が認知症を発症したときの適切な対応について説明します。

認知症とは

認知症とは、正常に機能していた認知機能が、何らかの原因で低下し、日常生活に支障をきたす状態になる病気のことです。

「令和6年版高齢社会白書」によると、令和4年の認知症の数は443.2万人いるとされ、令和7年には471.6万人に、令和22年(2040年)には584万人に上ると推計されています。

認知機能とは、記憶力や判断力など生活に必要なの知的な能力を指し、認知機能の低下が日常生活に影響を与える点を診断することが重要です。そのため加齢による「物忘れ」とは区別をされます。

認知症を発症するとさまざまな症状が現れます。しかし、認知症の症状は原因疾患によって、初期症状や進行して出現する症状が異なることを理解しておきましょう。

参考:令和6年版高齢社会白書|内閣府

物忘れと何が違うの?

物忘れは、加齢に伴って誰にでも起こり得る現象です。例えば、忘れ物をしたり、一時的に名前を思い出せなかったりすることなどです。

しかし、他人からの指摘やヒントがあれば、忘れていたことを思い出せるため、生活に支障をきたすことは少ないでしょう。

それに対し、認知症の症状は長い年月をかけて覚えた行為や判断力、理解力が低下することです。

認知症は体験したことそのものを覚えておらず、忘れたことも自覚していないという特徴があります。進行すると同じことを何度も聞いたり、外出先から家に帰れなくなるなど、生活全般に影響を及ぼすでしょう。

関連記事:物忘れの原因はただの加齢?認知症との違いやセルフチェック法をご紹介

認知症の種類

認知症には、大きく分けてアルツハイマー型・レビー小体型・脳血管性型・前頭側頭型の4つの原因があります。以下では、それぞれの原因について説明します。

アルツハイマー型

アルツハイマー型は認知症は、認知症のなかで最も多くみられます。

アルツハイマー型認知症は、記憶をつかさどる脳の海馬を中心に、アミロイドβというタンパク質が蓄積されることで神経細胞が壊死して発症するものです。

最初に現れる症状は記憶障害で、未治療のまま進行するとだと10年ほどの期間を経てにて寝たきりとなるといわれています。

最近の研究では、アルツハイマー型認知症には発症を高める危険因子があることがわかっており、糖尿病や高血圧などの生活習慣病が、アルツハイマー型認知症の発症リスクを高める要因として挙げられています。

関連記事:アルツハイマー型認知症状は防げる?カギは「早期発見」

レビー小体型

レビー小体型認知症は、アルツハイマー型に次いで2番目に多いとされています。女性よりも男性に多く発症する傾向にあり、レビー小体と呼ばれるタンパク質が脳内に溜まることで発症します。

ただし、なぜレビー小体が脳内に蓄積されるのかはまだ解明されていません。

レビー小体型認知症には、次のような特有の症状があることが特徴です。

  • 幻視
  • 歩行が難しくなる運動症状(パーキンソン症候群)
  • レム睡眠行動障害

レム睡眠行動障害は、睡眠中に大声を出すこともあります。

関連記事:レビー小体型認知症の特徴|症状や原因、治療方法を分かりやすく解説

これらの症状は、個人差がありますが発症初期の段階では物忘れの症状が目立たない点も特徴です。レビー小体型認知症の進行は緩やかに進むものの、急激に進行する場合もあります。

脳血管性型

脳血管性型認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が原因で発症します。脳細胞の損傷部位によって発症する症状が異なります。

「まだら認知症」は、脳血管性型認知症の特徴の1つです。まだら認知症は、物忘れをするが判断力が保たれていることが多く、認知症の症状が部分的に現れます。また、感情のコントロールが上手にできずに突然泣き出す「感情失禁」といった症状もみられます。

脳血管性型は脳血管障害によって段階的に進行するため、一定の状態が続いたあと、再び脳血管障害を発症すると急激に症状が悪化することが多くあります。

前頭側頭型

前頭側頭型認知症は名前のとおり、前頭葉・側頭葉を中心に神経細胞が障害されることで発症します。

前頭葉は思考や感情、理性にかかわる領域で、側頭葉は言語や記憶にかかわる領域です。

前頭側頭型認知症の症状の特徴には、言葉が出にくくなる言語症状や、人格の変化、店頭にある物を勝手に持っていくといった、行動症状があります。

前頭側頭型認知症の疾患の進行は緩やかですが、症状が進行すると対応が難しくなる可能性が高いといわれています。

認知症の症状

認知症 症状

認知症には、中核症状と行動・心理症状の2つの症状があります。以下では、認知症の初期症状の特徴と、それぞれの症状について解説します。

初期症状の特徴

認知症の初期症状の特徴は、認知症の原因によって異なります。

アルツハイマー型認知症は、次のような症状がみられます。

  • 物をどこに置いたか忘れる
  • ミスや物忘れを隠そうとする
  • 今日が何日(何曜日)かわからなくなる
  • 怒りっぽくなる

レビー小体型認知症は、次のような症状がみられます。

  • 見えないものが見える(幻視)
  • 手の震え・姿勢が保ちにくい
  • 睡眠中大声を出す(睡眠障害)

脳血管性型認知症は、次のような症状がみられます。

  • 1日のなかでも症状が変動する
  • 感情のコントロールが難しい
  • 改善と悪化を繰り返しながら進行する
  • 脳の損傷部位によって現れる症状が異なる

前頭側頭型は、次のような症状がみられます。

  • 言葉を発することが難しい
  • 店のものを盗む・赤信号でも渡る(反社会的行動)
  • 同じ行動を繰り返す(常同行為)

関連記事:認知症の症状|初期段階の行動や周りがとるべき対応を解説

中核症状

中核症状は、認知症によって認知機能が低下したために直接起こる症状のことをいいます。中核症状のおもな症状には、次のような例があります。

出来事が記憶できなくなる(記憶障害)

  • 同じことを何度も聞く
  • しまい忘れや置き忘れが多くなる
  • 昔から馴染みのある人や物の名前が出てこなくなる

時間や場所がわからなくなる(見当識障害)

  • 日時や曜日がわからなくなる
  • 季節感がなくなる
  • 使い慣れた道で迷うようになる

言葉の理解やコミュニケーションが困難になる(失語)

  • 言い間違いが多くなる
  • 言葉をうまく発することができない
  • 文字が思い出せない

順序だてて計画・実行が難しい(実行機能障害)

  • 家事や仕事に時間がかかるようになる
  • 予想外の出来事にうまく対処できない
  • 複数の作業を同時に進めるのが難しくなる

道具を適切に扱うことが難しい(失行)

  • 着替えや洗面など、できていた動作ができなくなる
  • 「手を挙げて」といった指示で動けない
  • 新しい家電の使い方を記憶して使うことができない

関連記事:認知症の中核症状とは?介護保険のレンタルを活用するポイントも解説

行動・心理症状(BPSD)

行動・心理症状(BPSD:Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)は、以前は周辺症状とも呼ばれていました。

行動・心理症状は、認知症の中核症状に伴い、精神・行動面の症状として現れます。本人の性格や現在の環境・心理的状態などの要因が影響し、認知症の症状として必ず出現するのではなく、個人差が大きい点が特徴です。

具体的な症状例は、次のとおりです。

行動症状

  • 徘徊
  • 暴言・暴力
  • 介護拒否
  • 異食
  • 不潔行為 など

心理症状

  • 帰宅願望
  • 妄想・せん妄
  • 睡眠障害
  • 幻覚・錯覚
  • 不安・抑うつ など

関連記事:BPSDとは?発症の原因や治療法、対策に役立つ介護用品を紹介

認知症の治療方法

いずれの型の認知症も、脳の神経細胞が変化する病気のため、現在の医学では根本的な治療法はありません。

認知症の治療の目的は、病気の進行をできるだけ遅らせることです。ここでは、初期段階の対応や治療方法について解説します。

初期段階の対応

認知症の初期段階では、症状の進行を遅らせるために、早期に適切な対応をすることが重要です。例えば、バランスの良い食事や散歩といった運動をする生活習慣にするためのサポートが求められます。

認知症患者にとって安心できる環境を整え、適度な運動や趣味の活動を取り入れることで、認知機能の低下を緩やかにすることが可能です。

また、家族や介護者との関わりも重要です。他者とコミュニケーションを取りながら、食事や運動することは、認知症患者の精神的な安定が保たれるでしょう。

BPSDは非薬物治療を中心に

認知症の方のなかには、BPSD(行動・心理症状)が現れることがあります。BPSDに対しては、抗不安薬や睡眠導入剤を使用することもありますが、薬を使用しない「非薬物療法」を中心に対応しています。

具体的な非薬物治療は、次のような例があります。

  • 昔の写真を見て思い出を語り合う(回想法)
  • 音楽を聞いたり楽器を演奏したりする(音楽療法)
  • ラジオ体操といった軽い運動
  • 計算問題やパズル(認知機能訓練)

これらの非薬物治療法を実施する際には、対象者の好みや志向を考え、楽しみながら進められる内容を実施するようにしましょう。

関連記事:認知症の方に効果が期待できるレクリエーションとは?種類や効果・目的、注意点まで解説

中核症状の薬物治療

認知症の中核症状である、記憶力の低下や判断力の障害などの進行を抑えるために、薬物治療をします。

代表的な抗認知症薬には、ドネペジルやメマンチンなどがあり、認知症の方ひとり一人の症状に合わせて薬を選択し、服用します。

万が一、効果がないと感じられたり副作用が出ていたりするときは、主治医といつでも相談できるようにしておきましょう。

関連記事:認知症の治療はできる?抗認知症薬の効果と副作用を解説

家族が認知症になったときの対応

家族が認知症になったら
万が一、家族が認知症を発症した場合、どのような対応をすれば良いのでしょうか。

ここでは、認知症の対応について3つのポイントを解説します。

初期症状が見られたら病院を受診

認知症の初期症状が見られた段階で、まずは老化によるものなのか認知症によるものなのかを調べるために病院を受診しましょう。

現代医学では、認知症の根本的な治療はできませんが、早期発見することで進行を遅らせることも可能です。

認知症はストレスの影響も受けると考えられています。早期に病院の診断を受けることで、適切な治療とともに、生活上の対応方法を具体的にアドバイスしてもらえます。

初期症状がみられたら、病院を受診しましょう。

関連記事:アルツハイマー型認知症状は防げる?カギは「早期発見」

一人で抱え込まず周りに相談

認知症の家族を介護することは、精神的にも身体的にも負担が大きく、辛いものです。

一人で介護の悩みを抱え込むと気分が沈んでしまい、介護疲れにつながるかもしれません。

こうした状況を避けるために、家族や親戚など周囲に相談し、助けを求めることも大切です。

また身内以外にも、地域の福祉の窓口や介護施設に相談することで、より適切な支援を受けられ、介護する側も介護される側も苦しむことが少なくなります。

関連記事:介護疲れの原因とは?負担を減らす方法や介護に役立つ商品を紹介

介護保険などのサービス利用を検討

24時間365日介護が続くと、「介護疲れ」になります。

そのような状態を防ぐためには介護保険サービスの利用を検討すると良いでしょう。

介護保険サービスには、自宅に訪問して身体介護を担ってくれるホームヘルパーや、要介護者が施設に通所して食事や入浴をするデイサービスなどがあります。

ほかにも、介護保険には介護をサポートする福祉用具をレンタル・購入できる制度があります。

例えば「徘徊感知機器」は、床に敷いたセンサーを対象者が踏むことで作動する機械です。

見守りSENSEα フロアタイプ
見守りSENSEα フロアタイプ

センサーに人が乗った動きを感知して、行動を事前に把握できます。そのため、一人で外出し、家に帰れなくなるという事態を防げるでしょう。

福祉用具をレンタル・購入するためには費用がかかります。しかし、要介護や要支援の認定が下りれば、介護保険を利用して、福祉用具にかかる費用を一部負担してもらえます。

ヤマシタでも福祉用具のレンタルについてのご相談を受け付けております。お気軽にお問い合わせください。

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介護保険については、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:介護保険で受けられるサービスにはどんなものがある?

まとめ

認知症は、認知機能の低下によって日常生活に支障をきたす病気であるため、日常的な介護が必要です。

しかし、介護には休みがなく24時間・365日続くため、負担が大きく、つらいと感じる方もいるでしょう。

現在は介護サービスが充実しているため、一人で抱え込むのではなく、積極的に活用すると良いでしょう。

まずは、地域包括支援センターや市区町村の窓口に相談し、介護保険について相談することがおすすめです。

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