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アルツハイマー型認知症状は防げる?カギは「早期発見」

アルツハイマー型認知症状は防げる?カギは「早期発見」


アルツハイマー型認知症は、記憶や思考、行動に影響を及ぼす進行性の認知機能低下を起こす疾患です。認知症とアルツハイマー病は混同しがちですが、アルツハイマー型は認知症を起こす疾患の一種であり、厳密に言うと同一ではありません。

しかし、アルツハイマー型認知症は認知症の中でも約半分を占めることから、しばしば同じものとして使用されているのも事実です。

アルツハイマー型認知症は、高齢者を中心に多くの方が罹患する疾患でありながら発生機序などは明らかになっていません。
このため、現在でも研究が続けられ、治療薬の開発が期待されているのです。

アルツハイマー型認知症の症状

アルツハイマー型認知症の症状には、記憶障害、判断力の低下、言語能力の衰え、日常活動の困難、性格の変化などがあります。
自覚する初期症状として多いのが「物忘れ」です。
少しづつ短期記憶の喪失が顕著となり、やがて記憶の損失、顔や人物の認識が曖昧となり、場所や日時がわからなくなる見当識障害がみられるようになります。
また、進行すると判断力の低下や問題解決能力の衰退、言語表現の困難、感情や人格の変化など社会的な適応力も徐々に低下していくのです。

ただし、初期の段階では単なる物忘れと区別することは困難です。
また、患者自身も自覚症状がありながら疾患として認めることに抵抗を示す事が多く、早期対応が難しい場合もあります。

アルツハイマー型認知症の原因

医師の問診イメージ

アルツハイマー型認知症の原因は未だ解明されていません。

現在までの研究によると、遺伝や生活習慣、加齢性の脳萎縮などが関係していると考えられています。

  • 加齢により脳の神経細胞に何らかの影響を及ぼすこと
  • 若年性アルツハイマー病などには家族性の遺伝子要素が関連していること
  • 血液や代謝性疾患などに関連して認知機能低下が起こっていること

などが少しづつ明らかになっており、今も解明が続けられています。

年齢

アルツハイマー型認知症の有病率は加齢とともに上昇しています。

  • 65〜74歳:3%
  • 75〜84歳:17%
  • 85歳以上:32%
(参考:MSDマニュアル「アルツハイマー病」)

高齢者の認知症の約60〜80%を占めるのがアルツハイマー型認知症だと言われています。

飲酒・喫煙などの生活習慣

生活習慣病につながる飲酒や喫煙習慣など血管に対する危険因子は、アルツハイマー型認知症のリスクを高めます。習慣化されたアルコール多飲や喫煙により脳血管への血流低下やプラーク付着がおこり、脳血管の損傷につながることが原因だと考えられています。

飲酒による影響

  • アルコール多飲で血管収縮が起こり血流が低下する
  • 長期的な飲酒により高血圧から脳血管の障害がおこる
  • アルコールで血液粘度が上昇し血流が悪くなる

喫煙による影響

  • タバコに含まれるニコチンは血管収縮作用がある
  • 一酸化炭素には酸素の運搬低下させ脳の酸素不足を起こす
  • 一酸化炭素による動脈硬化がおこる

遺伝

アルツハイマー型認知症の約5〜15%は家族性といわれています。
家族性アルツハイマー型認知症の約半数は65歳未満で発症する早発性であり、特異的な遺伝子変異が関連していることがわかっています。

教育歴が短い

また、近年の研究では教育歴と認知症発症に関連性があるという傾向がみられています。
成長発達期の教育期間を比較した時、教育歴10年以上の人と比較すると教育歴6年以下の人の認知症リスクは約3倍以上、という結果が明らかになりました。この結果から、教育歴が長い人ほど神経細胞が現象しても認知症の症状が出にくい、と考えられます。

基礎疾患

生活習慣病などの基礎疾患もアルツハイマー型認知症の原因となります。

心血管疾患

高血圧、心疾患、脳卒中などの心血管疾患は脳への血流を悪化させ脳組織の損傷をおこすリスクがあります。脳組織の損傷によりアルツハイマー型認知症になりやすいと言われています。

糖尿病

特に2型糖尿病による脳内のインスリン抵抗性や高血糖状態により、糖尿病患者は約1.5倍アルツハイマー型認知症になりやすいと言われています。

高コレステロール

特に中年期のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)は動脈硬化を促進するおそれがあるため、LDLコレステロールの高い患者はアルツハイマー型認知症のリスクを高めます。

早期発見で進行を緩やかにできる

早期治療のイメージ

現在、アルツハイマー型認知症には薬剤治療がなされています。
治癒できる薬剤は未だにありませんが、早期から治療を開始することで思考や記憶、発語能力などの維持に役立ちます。また、行動変容や精神症状の改善にも期待できます。

初期症状を感じても心理的な抵抗感があり「認知症」という診断を避けたり治療に踏み切れないケースも多くみられます。しかし、疾患の進行を緩やかにするためには、早期発見から早期治療につなげることが非常に大切です。

アルツハイマー型認知症の初期症状

アルツハイマー型認知症の初期症状は、物忘れ、言葉の見つけにくさ、日常生活におけるタスクの遂行困難、判断力の低下、時間や場所への混乱などがあります。

アルツハイマー型認知症の治療方法

現在のところ、アルツハイマー型認知症の治療法はありません。
薬物療法やケアプランを通じて症状の管理や生活の質の向上が目指されています。

アルツハイマー型認知症の予防方法

アルツハイマー型認知症の予防には、生活習慣を整えることが有効です。
健康的な食事、定期的な運動、精神的活動、社会的交流などが、認知機能維持と認知症リスク低減に寄与するとされています。

老化と認知症の違い

老化と認知症の違いイメージ

アルツハイマー型認知症と老化は違います。
老化は自然な過程でいくつかの認知機能の減退を伴いますが、アルツハイマー型認知症は病的な状態であり、日常生活に重大な影響を及ぼす認知機能の顕著な低下が特徴です。

たとえば「今日のお昼に何を食べたっけ?」など、食事内容が出てこない経験はありませんか。この場合は、食事をしたことは覚えているため、加齢による物忘れだと言えます。

一方で認知症の場合は「食事を食べたこと自体を覚えていられない」のです。
初期の頃は物忘れとして不安になるものですが、進行にともなって「食事をもらえない」という認識となり、日常生活に支障をきたします。

これは老化と認知症の違いの一部ですが「生活に支障をきたすかどうか」という点も区別するポイントです。

混同しやすい症状 老化 認知症
記憶力の変化 短期記憶の減退はあり得るが、日常生活に大きな支障はない 重要な出来事や過去の記憶の喪失があり、日常生活に顕著な影響を与える
言語能力 単語を思い出すのに時間がかかることがあるが、基本的な言語理解能力は保たれる 言葉を見つけることが困難で、会話の理解ら参加が難しくなる
判断力 経験に基づいた判断力は保たれることが多い 簡単な判断も困難になり日常生活のリスクが高まる
学習能力や適応力 新しいことを学ぶ速度は遅くなるが、適応は可能 新しい情報の学習や状況への適応が非常に困難
日常生活の自立度 身体機能の変化による影響はあるが、基本的な日常生活は自立して行える 基本的な日常生活の活動(整容や衣類の着脱)に支援が必要になる

まとめ

アルツハイマー型認知症は疾患であり、老化とは違います。
認知症は多くの人々の生活に影響を及ぼす重要な疾患ですが未知の部分も多く、治療法も未確率ですし完治は難しい疾患です。
ただし、早期発見から適切な服薬やケアを受けることで進行を緩やかにし、患者とその家族の負担を軽減することも質の高い生活を続けることもできます。
また、生活を整え健康的な日常を過ごすことで、認知症のリスクも低減することができます。

認知症への対応は「早めがカギ」です。
認知症にならないよう、また認知症にかかっても進行を緩やかにするために、今からできることを始めてみましょう。


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