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レビー小体型認知症の特徴|症状や原因、治療方法を分かりやすく解説

レビー小体型認知症の特徴|症状や原因、治療方法を分かりやすく解説

認知症と診断される一つの病態であるレビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症と異なる特徴があります。
今回はレビー小体型認知症の症状、治療方法、介護をするポイントについて解説します。

レビー小体型認知症とは

レビー小体型認知症(Dementia with Lewy Bodies:DLB)はアルツハイマー型に次いで2番目に多いとされる認知症です。女性よりも男性に発症が多い傾向があると言われています。
レビー小体と呼ばれるタンパク質が、脳内にある大脳皮質・扁桃体・黒質などの領域に溜まることで発症します。

レビー小体型には特有の症状があります。
幻視、歩行が難しくなる運動症状(パーキンソン症状)、睡眠中に大声を出したりするレム睡眠行動障害は、レビー小体型認知症の特徴として知られています。
個人差がありますが発症してから初期の頃は、物忘れなどの症状が見られにくいことも特徴として挙げられます。
レビー小体型の進行は基本的には緩やかに進みますが、突然進行することもあります。

レビー小体型認知症の症状

レビー小体型認知症には特徴的な症状があります。以下では、主な症状について解説していきます。

幻視

幻視は、他人に見えないものが見えるという症状です。レビー小体型認知症では虫や人に関する幻視が多く聞かれます。
具体的には、「黒い虫が床を歩いている」「ご飯の上にコオロギがいる」「小さい女の子が座敷に座って笑っている」などの幻視が訴えとして聞かれます。
さまざまな訴えがありますが、中には幻視と分かっている方もいらっしゃいます。幻視と分からない場合は、被害妄想などに代表される行動心理症状につながっていく可能性が高まるため注意が必要です。

認知機能障害

レビー小体型認知症では、もの分かりがはっきりしているときと反応が乏しくぼんやりとしているときなど、認知機能が1日の中で変動することが特徴とされています。
もの分かりがはっきりしている時間では普通に会話ができるのに、時間帯によって状況の把握が難しくなったり、会話が嚙み合わなくなったりします。

アルツハイマー型認知症では記憶障害が目立ちますが、レビー小体型認知症では記憶障害は見られにくいことも知られています。

パーキンソン症状

パーキンソン病は、安静時に手が震える(安静時振戦)・手足の筋肉が固くなる(筋強剛)・動作がゆっくりになる(動作緩慢)・体のバランスを崩して転倒しやすくなる(姿勢反射の障害)が症状として起きる病気です。
レビー小体型認知症ではパーキンソン病と同じ症状が出現しやすいことが知られています。

自律神経症状

自律神経は私たちの体にある神経の一部で、私たちの意思とは無関係に体の調子を整える作用を持つ神経です。

レビー小体型認知症では自律神経の働きが低下し、便秘やすぐにトイレに行きたくなる頻尿・尿がもれてしまう尿失禁といった症状が見られます。
また立ち上がった際に血圧が急激に低下することでめまいや意識を失ってしまう起立性低血圧も起こることが知られています。

レム睡眠行動異常症

私たちの睡眠時には、深い眠りの「ノンレム睡眠」と浅い眠りの「レム睡眠」があります。
レム睡眠行動異常症は浅い眠りのときに起こる症状です。

たとえば怖い夢を見たときに夢の中で逃げたりすることがあると思いますが、レム睡眠行動異常症では夢の中と同じ動きをするため実際に歩いていることがあります。
レム睡眠行動異常症は転倒につながりやすく、自身やほかの人がケガをしてしまったりすることがあります。

前駆症状

レビー小体型認知症と診断される前には、前兆として現れる症状である前駆症状が見られます。
具体的には、匂いが分かりにくくなる嗅覚の低下や気分の落ち込み、自律神経症状(便秘など)があります。

そのほか一般的な認知症の症状については以下の記事もご参照ください。
認知症の症状|初期段階の行動や周りがとるべき対応を解説

レビー小体型認知症の診断基準と方法

レビー小体型認知症の診断基準と方法
レビー小体型認知症と診断をするためには、さまざまな検査を行い、結果をもとに診断されます。
以下では、診断基準と診断方法について解説をします。

診断基準

レビー小体型認知症の診断基準としては、国際ワークショップ診断基準改訂版や、アメリカ精神医学が発行するDSM-5(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)が使用されています。

両者の診断基準では、幻視や変動する認知機能などの「中核的特徴」と、レム睡眠行動異常症などの「示唆的特徴」に分類します。

そして「中核的特徴が2つ」または「中核的特徴が1つ以上と示唆的特徴が1つ以上」の方は「ほぼ確実:Probable DLB」、「中核的特徴が1つ」または「中核的特徴はないが示唆的特徴が1つ以上」の方を「疑い:Possible DLB」と診断します。

つまり、レビー小体型認知症の「特徴が2つ」または「特徴が1つと示唆的な特徴が1つ」当てはまるとほぼ確実と診断をされます。
また「特徴が1つ」または「示唆的な特徴が1つ」当てはまると疑いがあるということになります。
検査はほかにも、画像検査や血液検査も診断基準として活用しています。

レビー小体型認知症が疑われる場合は、「脳神経内科」や「精神科」に受診されることをお勧めいたします。

検査方法

検査は以下のような項目を実施することが多いようです。

  • 神経心理検査:知能や記憶などを測定する検査です。認知症の検査の代表的なものにMMSE(Mini-Mental State Examination)があります。
  • 画像検査:脳MRI、MIBG心筋シンチグラフィーなどを実施します。
  • 脳波検査
  • 血液検査

以上の検査を実施し、診断に活用します。

レビー小体型認知症の治療方法

レビー小体型認知症の治療方法には、薬の服用とリハビリが有効です。
以下では、それぞれについて解説します。

薬の服用

レビー小体型認知症は進行性疾患のため根治的な治療は難しいとされていますが、各症状に対して薬を服用することはたいへん重要です。
当然ながら医師の判断のもとで薬の服用が開始されますので、薬の服用については主治医に相談してください。

代表的な薬と効果は以下です。

一般名 効果
「ドネペジル」「リバスチグミン」 認知機能や幻覚、妄想に有効
「クエチアピン」「オランザピン」 幻覚や妄想に有効
「レボドパ」 パーキンソン症状に有効
「クロナゼパム」 レム睡眠行動異常症に有効

リハビリ

レビー小体型認知症は、歩行が難しくなったり動作が緩慢になったりするなど運動症状であるパーキンソン症状が現れます。
そのため歩行能力を維持するためには、ストレッチや筋力強化、バランス訓練などのリハビリを継続することが重要となります。
リハビリを継続すると、歩行速度やバランスが改善し、転倒が少なくなります。

高齢者の日常生活能力を低下させる原因として、転倒をきっかけとした足の骨折が挙げられます。
リハビリを続けることは転倒を防ぐだけではなく、日常生活能力を維持することにもつながるのです。

なお、リハビリを開始するには主治医の指示が必要です。主治医に相談してリハビリができるようにしてください。
リハビリ実施の際は、効果をよりよくするために認知機能の良い時間帯に行うとよいでしょう。

レビー小体型認知症の方を介護するポイント

レビー小体型認知症の方を介護するポイント
ここからは、レビー小体型認知症の方を介護するポイントについて解説していきます。

意識がはっきりしているときに話す

レビー小体型認知症の特徴の一つとして、認知機能が1日の中で変動する点が挙げられます。
認知機能の変動は1日の中で起こることもありますが、数日間認知機能が低下したり、中には数週間単位で起こったりすることがあります。

そのため、そのときの状態にあわせて対応をする必要があります。
特に大切なことを伝えるときは意識がはっきりしているタイミングで伝えるようにしましょう。

幻視は否定しない

前述のとおり幻視はレビー小体型認知症の特徴の一つで、人や虫に関する幻視が多く訴えとして聞かれることがあります。
この幻視を頭ごなしに否定してしまうと恐怖や妄想を助長させてしまう場合がありますので注意してください。

軽度の認知機能障害で本人が幻視を理解できるのであれば、幻視は病気が原因であることを伝えることも有効です。
一方、病識を理解できない重度の認知機能障害がある方に対しては、幻視は怖くないことを説明したり、カーペットなどの模様が幻視を誘発するため幻視が見えないように環境調整をしたりすることが必要になります。

環境調整や見守りを行う

レビー小体型認知症の特徴の一つに、歩行能力やバランス機能が低下するパーキンソン症状が挙げられます。
パーキンソン症状の歩行の特徴として、前傾姿勢での歩行・歩幅を小刻みにして歩くことがあります。
そのため段差やカーペットなどにつまずいて転倒する事故が多くみられます。
転倒を予防するためには、自宅をバリアフリーに改修することや、自宅のレイアウトを変更すると良いでしょう。

また、たとえば以下のような介護用品を使用することもおすすめです。

バディーC

バディーC

天井と床に突っ張り棒のように取り付けられる手すりです。
手すりがあることで、転倒を防ぐことができるようになります。
また手すりを工事で取り付ける必要がないため、不要になった際には簡単に撤去をすることが可能です。

ダイヤスロープ

ダイヤスロープ

パーキンソン症状の歩行の特徴として「小刻み歩行」が知られています。
小刻み歩行とは、前傾姿勢になって足を地面に擦るように移動する歩き方のため、敷居などのわずかな段差に躓き前方に転倒する危険があります。
ダイヤスロープのように敷居の段差を解消すると転倒を防ぐことにつながります。

ヤマシタではほかにも、環境を整えたり介護をサポートしたりするための
福祉用具のレンタル、購入が可能です。お気軽にご相談ください。

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まとめ

今回はレビー小体型認知症の特徴、治療方法、介護のポイントについて解説しました。
レビー小体型認知症は進行性疾患のため根治的な治療は難しいのですが、薬の服用・リハビリを実施することで、介護に依存しないで自分自身で自立した生活ができる健康寿命を伸ばすことができます。
治療やリハビリについては主治医に相談してみましょう。

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記事ライター
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ライター

酒井康輔

作業療法士

正しい健康の知識を届けたい。そんな想いから医療系Webライターとして活動を開始。作業療法士として臨床業務で学んだ「正しい情報を患者さまにわかりやすく伝える」ことの経験を通じて、記事を読んだ方が、介護福祉分野・医療分野に関する情報を正しく理解し、あすからの行動が変わる後押しができるような記事執筆をしている。ブログ「作業療法士kousukeのwriter office」でもご家族向けに医療情報を発信。


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