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介護保険で『購入』できる福祉用具一覧!

介護用品にはどういったものがある?介護保険を利用するためには

「ポータブルトイレは、レンタルできないと聞いたけれどどうしたらよい?」「福祉用具を使いたいが、買ったら補助金が出るのかがわからない」とお困りではありませんか?

この記事では、特に介護保険で『購入』できる福祉用具の種類や、利用の仕方について解説します。

福祉用具の『購入』には介護保険を利用できる

介護保険では、介護が必要となった高齢者に対して、施設や在宅での様々なサービスが利用できます(疾病によっては64歳未満でも可能)。

その利用できるサービスとして、福祉用具があります。ご自宅やサービス付き高齢者住宅などでは、福祉用具がレンタルできます。
例えば、車椅子や介護用ベッド(特殊寝台)・手すり・スロープなどが挙げられます。

また介護保険では、「特定福祉用具販売」といって、購入による利用の方法もあります。

このほか、2024年4月からはスロープ・歩行器・歩行補助つえの一部が、レンタルと購入のいずれかを選べる「選択制」になりました。これは介護保険という社会保険の制度によるものです。補助金ではありません。

次に、介護保険を利用できる人について解説をします。

介護保険の対象者

介護保険の対象者は次のいずれかに該当する方です。

  • 65歳以上(第1号被保険者):日常生活を送るうえで介護や支援が必要な要介護・要支援者。
  • 40歳から64歳以下の医療保険加入者(第2号被保険者):老化に起因する疾病(特定疾病)に該当する方で、要介護・要支援の認定を受けた方

対象となる福祉用具について、厚生労働省はレンタル利用を原則としていますが、レンタルになじまないものは、特定福祉用具販売として年間10万円を上限に介護保険での購入が認められています。
購入の範囲として、厚生労働省は以下のように説明しています。
購入費の対象用具は例外的なものであるが、次のような点を判断要素として対象用具を選定。

1.他人が使用したものを再利用することに心理的抵抗感を感じるもの(入浴・排泄関連用具)
2.使用により、もとの形骸・品質が変化し、再度利用ができないもの(つり上げ式リフトのつり具)

(出典:厚生労働省 介護保険制度における福祉用具の範囲の考え方 第14回医療保険福祉審議会老人保健福祉部会事務局提出資料より)

上記の福祉用具に限って、介護保険の給付が受けられます。
大人用紙おむつやなどの介護用品は、消耗品のため上記の定義に当てはまらず、介護保険は利用できません。しかし、自治体によっては高齢者福祉制度として、紙おむつの給付をしているところもあります。

介護保険を利用して購入できる福祉用具一覧

福祉用具は原則レンタルで利用できますが、肌に直接触れるものや、他人が使用したものを再利用することに心理的な抵抗を感じるものは「特定福祉用具」と呼ばれ、購入ができると、前項で説明しました。この場合の、購入とは、私費による利用ではなく、介護保険で年間10万円を上限に購入ができるという意味です。(所得に応じて1割~3割自己負担)

2024年度からは選択制の導入により、レンタルできる福祉用具のスロープ・歩行器・歩行補助つえのうち、一部の商品は購入かレンタルか選べるようになりました。

関連記事:2024年度介護保険制度改定|福祉用具(介護用品)4種目がレンタルか購入か選べるように変更

購入の対象となる福祉用具

購入の対象となる福祉用具は以下です。

  • 腰掛便座(ポータブルトイレ)
  • 自動排泄処理装置の交換可能部品
  • 排泄予測支援機器
  • 入浴補助用具(入浴用いす、浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴台、浴室内すのこ、浴槽内すのこ、入浴用介助ベルト)
  • 簡易浴槽
  • 移動用リフトのつり具の部分

排泄予測支援機器とは、「利用者が常時装着した上で、膀胱内の状態を感知し、尿量を推定するものであって、一定の量に達したと推定された際に、排尿の機会を居宅要介護者等又はその介護を行う者に自動で通知するもの」で、尿のたまり具合を検知するセンサーです。
介護保険を利用する際は、一定期間の試用を求めています。医師の意見書・所見等の書類が必要となるので、あらかじめ担当ケアマネジャーがいる場合は、ケアマネジャーに、あるいは最寄りの地域包括支援センターや、福祉用具貸与事業所にお尋ねください。

選択制の対象となる福祉用具

スロープ

対象となるスロープは、室内の敷居といった小さい段差を解消できるタイプです。
固定式となっており、持ち運びができるタイプは対象外となっています。

関連記事:介護用スロープは介護保険を利用できる!レンタルの流れ・必要性・選び方を紹介

歩行器

歩行器には車輪付きのタイプと、脚部がゴム性のタイプがありますが、購入できる品目は、四脚の先がゴムになっている固定式歩行器または、交互式歩行器です。車輪が付いたものは対象外となります。

関連記事:介護保険で歩行器のレンタル・購入を選べる!介護保険制度の改定内容を解説

歩行補助杖

歩行補助杖も、レンタルと購入を選べる選択制の福祉用具です。ただし、使用したい杖の種類によって対象外になる場合があるため、事前に確認しておきましょう。
選択制となるのはカナディアン・クラッチやロフストランド・クラッチ、プラットフォームクラッチ、多点杖です。一般的なT字杖ともいわれる1本杖は、介護保険の対象ではありません。

関連記事:介護保険で杖のレンタル・購入を選べる!介護保険制度の改定内容を解説

介護保険を利用した場合の自己負担額

福祉用具のレンタルや購入に介護保険を利用する場合でも、費用の全額が介護保険でまかなわれるわけではなく、所得に応じた自己負担が必要です。

自己負担額は、他の介護保険サービスと同様に1割負担です。しかし、前年度の所得や世帯構成によっては、自己負担額が2割・3割となる場合があります。

また、介護保険には要介護度によってひと月に支給される限度額が定められており、限度額を超えた場合は、超えた分の費用が全額自己負担となります。

福祉用具を購入する場合、1年間(4月1日から翌年3月31日まで)の購入費用の合計額が10万円を上限に、介護保険の使用が可能です。この費用は、介護保険サービスの1カ月の支給限度額とは別に設定されています。

購入費用の自己負担額もレンタルと同様1割(一定以上の所得のある場合は2割、3割)となっており、購入時はいったん費用の全額を支払う必要があります。

購入後に市区町村に申請すれば、自己負担分を差し引いた額が介護保険から払い戻される「償還払い」です。

購入を検討する際は、居住所の市区町村の介護保険の担当課、もしくは地域包括支援センター窓口に問い合わせてください。福祉用具レンタル事業所にお問い合わせ頂いても、利用申請の流れの説明ができます。購入対象品目の説明等を聞く際にも、ご利用ください。

利用者負担 判定の流れ
※画像引用:厚生労働省「利用者負担割合の見直しに係る周知用リーフレット」

介護保険を利用してレンタルできる福祉用具一覧

レンタルで利用ができる福祉用具は全部で13品目あります。

福祉用具貸与

  • 車いす(自走用標準型車椅子、普通型電動車いす又は介助用標準型車いすに限る)
  • 車いす付属品(クッション・電動補助装置等で、車いすと一体的に使用するものに限る。)
  • 特殊寝台(介護用ベッドです。サイドレールが取り付けてあるもの又は取り付けることが可能なものであって、背部や脚部の角度調整ができるものや、ベッドの高さを調整できる付属品)
  • 機能特殊寝台付属品(マットレス、サイドレール等。特殊寝台と一体的に使用できるものに限る)
  • 床ずれ防止用具(送風装置又は空気圧調整装置を備えた空気マット、もしくは、体圧分散効果をもつ全身用のマット)
  • 体位変換器(身体の下に挿入し、体位変換しやすい機能があるものに限る。体位保持のみの目的のものは対象外)
  • 手すり(取り付け工事が不要なタイプに限る)
  • スロープ(取り付け工事が不要なタイプに限る)
  • 歩行器(車輪のあるものは体の前と左右に持ち手があるもの、四脚のタイプは手で持ち上げて使用できるものに限る)
  • 歩行補助つえ(松葉づえ、カナディアン・クラッチ、ロフストランド・クラッチ、プラットホームクラッチ、多点杖に限る)
  • 認知症老人徘徊感知機器
  • 移動用リフト(自力で移動できない方の移動を補助するもので、住宅改修が不要のタイプ。ただし、つり具の部分を除く)
  • 自動排泄処理装置(要介護4・5の方のみが対象)
    自動排泄処理装置は、排せつ物を自動で吸い取る機能をもち、排せつ物が通る部分を取り外せます。自宅で介護を受ける方や介護者が簡単に使えるように設計されています。
    尿又は便が自動的に吸引されるものであり、かつ、尿や便の経路となる部分を分割することが可能な構造を有するものであって、居宅要介護者等又はその介護を行う者が容易に使用できるもの

介護用ベッド・車いす等は要介護2以上の方が対象ですが、要支援1・2と要介護1の利用に関して、例外規定があります。医師の意見やサービス担当者会議での検討などで必要と判断され、市区町村が必要と認めた場合は「例外給付」となり、介護保険でのレンタル利用が可能です。

また次の4品目は、要支援1・2と要介護1の方でも対象となります。

  • 手すり
  • スロープ
  • 歩行器
  • 歩行補助つえ

上記の4つ以外でも、医師の意見に基づき福祉用具が必要と判断され、市区町村が必要と認めた場合は「例外給付」となり、介護保険でのレンタル利用が可能です。

※参考:厚生労働省「要支援・要介護1の者に対する福祉用具貸与について」

関連記事:介護用品はどこで買える?購入場所とレンタルについて解説

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介護保険での福祉用具利用に必要な要介護認定

購入・レンタルする流れ

福祉用具の購入・レンタルは介護保険サービスとなっており、利用する際には手続きが必要です。

市区町村介護保険の担当課もしくは地域包括支援センターに相談して要介護認定を申請する

介護保険サービスを利用するためには、要介護認定が必要です。

要介護認定は市区町村の介護保険の担当課、もしくは地域包括支援センターで相談・申請ができます。

申請後は「認定調査」と呼ばれる聞き取り調査が実施され、認定調査後に、どの程度の介護が必要かを表す「要介護度」が決定します。

要介護度は、要支援1・2、要介護1・2・3・4・5の7段階があります。要介護度によってレンタルできる福祉用具や支給限度額が変わります。非該当と認定された場合は、サービスを受けられません。

関連記事:介護認定調査とは?調査項目や流れ、当日の注意点を分かりやすく解説

関連記事:要介護認定とは?8段階の認定基準や認定までの流れを解説

まとめ

この記事では、介護保険を利用して購入できる介護用品の種類と介護保険を利用する流れについて説明をしました。

介護保険の利用は「レンタル」が原則で、レンタルできる福祉用具は全部で13品目ありますが、レンタルになじまない排泄・入浴用品などは「購入」ができます。また購入かレンタルかを利用者が選ぶことのできる選択制の福祉用具もあります。

いずれも、介護保険サービスに位置づけられており、要介護認定の申請が必要です。申請していない人は、まずは居住地の市区町村の介護保険担当課、もしくは地域包括支援センターで相談してください。

 

【監修者からのコメント】

ポータブルトイレやシャワーチェア、浴槽手すり等は、介護保険での購入による利用ができます。福祉用具貸与事業所の多くは、介護保険での販売も兼ねているので、種類や費用だけでなく、申請手続き等についても教えてくれます。

監修者

東畠 弘子

国際医療福祉大学大学院 福祉支援工学分野 教授
全国福祉用具専門相談員協会(ふくせん)理事
日本福祉用具供給協会顧問

2011年国際医療福祉大学大学院入職、2016年から現職。2023年度ふくせん老健事業「福祉用具専門相談員指定講習カリキュラムの見直しに向けた調査研究事業」の委員長をはじめ、数々のふくせん老健事業で委員長や委員を務める。 厚生労働省「介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会」の構成員でもある。

 

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