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介護用品はどこで買える?購入場所とレンタルについて解説
家族の介護が始まってからでは、介護保険や施設の手続きなどやることが多く、比較検討をする時間がありません。そのため勢いで購入してしまい、後悔してしまうケースもあります。
そこで本記事では、介護用品を安価で購入できる場所を3つ紹介します。
あわせてレンタルできる対象製品も解説するので、介護が始まる前に準備をしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
介護用品はどこで買える?
介護用品が買える場所を3つ紹介します。
- 特定福祉用具・特定介護予防福祉用具販売事業者
- 通信販売(EC)
- リサイクル業者
特定福祉用具・特定介護予防福祉用具販売事業者
特定福祉用具・特定介護予防福祉用具販売事業者とは、要介護者に自宅でも安心して過ごしてもらえるよう、福祉貸与できない介護用品を販売している事業者のことです。
自宅で生活をしている要介護1〜5の認定を受けた人は、特定福祉用具を利用できます。特定福祉用具に認定されている対象品目は以下のとおりです。
- 腰掛便座
- 自動排泄処理装置の交換部品
- 排泄予測支援機器
- 入浴補助用具
- 簡易浴槽
- 移動用リフトのつり具の部品
特定福祉用具に該当する製品は自費で購入すると高額です。
しかし介護保険を利用すれば、1年間に10万円までは所得に応じて7〜9割の料金が介護保険から払い戻されるのです。
利用者負担が1割の場合、9万円が介護保険から給付されます。
ただし限度額を超えた分は自己負担となるので気をつけましょう。また特定福祉用具販売で介護用品を購入する際は、6品目からしか選べません。
通信販売(EC)
介護用品を取り扱っている専門店のWebサイトやカタログからの通信販売でも購入可能です。
近年では、家電量販店やインテリアショップでもインターネット通販を活用すれば介護用品が買えます。
通信販売から購入するメリットは、近所に販売店がない場合でも介護用品を購入できる点です。
地域によっては介護用品の専門店や家電量販店がない場合があります。通信販売を実施しているお店からなら、インターネットを閲覧するだけで購入できるので遠方にいながらでも介護用品が買えます。
しかし通信販売では、実際の製品を見て買うかを決められません。
実店舗に足を運ぶ場合は、利用者の条件と介護用品を照らし合わせながら購入するか検討できます。
通信販売ではそれが難しいので、購入しても製品が利用者の用途と合わない可能性があります。
リサイクル業者
介護用品はリサイクル業者からでも購入できます。リサイクル業者から介護用品を購入すれば、新品よりも安価で手に入れられます。
たとえば介護保険を使用せずに介護用ベッドを新品で買うと30万円近くかかるものの、リサイクル業者から中古で購入すれば10万円前後で買えます。
使用済みの製品なので品質に問題があるか気になる方もいるのではないでしょうか。しかし近年では、介護用品に特化したリサイクル業者が増えてきています。
洗浄や消毒、検品を徹底したうえで販売しているので、品質も気にする必要がほとんどありません。
リサイクル業者から購入するデメリットは、求めている介護用品がない場合があることです。
タイミングによっては在庫がなく、利用者の条件に適した製品を買えないでしょう。リサイクル業者から購入する際は、自身が必要とする介護用品があるときに限ります。
介護用品はレンタルの選択肢もある
介護用品は購入だけでなくレンタルも可能です。福祉用具の貸与や販売を受けるには、介護保険を理解しておく必要があります。
ここでは、介護保険の概要について紹介します。
介護保険とは?
介護保険とは、介護が必要な方(要介護者・要支援者)に、適切なサービスを受けられるように費用の一部を給付する制度です。
社会全体で利用者やその家族の負担を軽減するのを目的としています。
介護保険の給付を受けるには、市区町村の担当窓口(地域包括支援センター)で申請が必要です。
申請後、調査員が自宅や入院中の病院を訪れ、本人の心身状況や生活環境を調べて介護度が決定します。
介護保険が認定されると、1〜3割負担で介護サービスを受けられます。
介護用品・福祉用具の介護保険レンタルとは?
福祉用具の貸与や販売は、介護保険制度のサービスに含まれています。そのため介護保険が給付された対象者は、介護用品をレンタルできます。
要支援・要介護度に応じた支給限度額により、1〜3割負担で介護用品を利用可能です。
原則は年間10万円となっています。
介護保険レンタルでの福祉用具は、利用者の自立支援や日常生活のサポートを目的としています。
対象種目が決められており、場合によって利用できません。
介護保険レンタルの対象種目
介護保険内で貸与できる福祉用具は以下のとおりです。
- 車いす
- 車いす付属品
- 介護用ベッド
- 介護用ベッド付属品
- 床ずれ防止用具
- 体位変換器
- 手すり
- スロープ
- 歩行器
- 歩行補助杖
- 認知症老人徘徊感知機器
- 移動用リフト(吊り具を除く)
- 自動排泄処理装置
日常生活で活用できる物から身体介護をサポートする製品まで幅広く利用できます。ただし介護用品を貸与できるかは、介護度によって異なります。
ケアマネージャーや福祉用具専門用具事業者と相談をしながら決めましょう。
介護保険レンタルのメリット
介護保険レンタルのメリットは以下の3つです。
- 購入よりも安価で利用できる
- 1ヵ月試しに利用できる
- 修理・交換してもらえる
介護用品は購入するよりもレンタルのほうが安く利用できます。
介護用品を自費で購入すると数万〜数十万円以上しますが、レンタルだと数百〜数万円/月ですみます。
また介護用品は実際に使用してみないとわかりません。
購入してから合わないと利用者への身体的負担だけでなく、家族の経済的負担がかかります。
しかしレンタルなら途中で商品を切り替えることもできるため、気になる製品を試しに使うことが可能です。
自分の身体に合っているか確かめたうえで、介護用品を使用できます。定期メンテナンスがあるのもレンタルのメリットです。
介護用品の修理や交換も無料で実施しているので、不具合があればすぐに対応してもらえます。
介護保険レンタルの流れ
介護保険内で介護用品の貸与を受けるには、ケアプランを立案する必要があります。そのため、まずはケアマネージャーに相談しましょう。
後日「福祉用具専門用具貸与事業者」と連絡を取り、状況を確認したうえで福祉用具の選定を行います。
使用する福祉用具が決定したら、ケアマネージャーに連絡をし、申し込み・契約をします。
福祉用具専門用具貸与事業者が指定の日時に届け、福祉用具の設置・組み立て、使用上の説明を受けてレンタル開始です。
レンタルは1ヵ月単位で利用可能です。
介護保険制度改定があったが、購入・レンタルどちらがいい?
今までは福祉用具のレンタルのみが介護保険の給付対象でした。
しかし2024年に行われた介護保険制度の改定により、福祉用具の貸与と購入を選択できるようになりました。
購入と貸与を選べるようになった介護用品は以下の4品目です。
- 固定用スロープ
- 歩行器
- 単点杖
- 多点杖
介護保険内で購入もレンタルも可能になったことで、どちらがよいか悩む方もいるのではないでしょうか。
どちらがケースによって異なるため一概にはいえないため、前述した購入・レンタルのメリット・デメリットを見極めたうえで選択しましょう。
購入は長期で借りる場合、安い製品なら購入するほうがお得になる可能性があります。
一方でレンタルは高額な商品を短い期間で使用することで、お得になる可能性があります。
体調の変化などによって使用期間が不透明なこともあるため、まずはご相談いただければ最適なご提案をいたします。
まとめ
介護用品は特定福祉用具・特定介護予防福祉用具販売事業者や通信販売(EC)、リサイクル業者などで購入できます。
また、介護保険レンタルの選択しもあり、要支援・要介護度に応じて支給限度額は変わりますが、1〜3割負担で介護用品を利用できます。
また介護保険の制度改正により、福祉用具を利用するハードルが下がったため、購入かレンタルかで迷う方もいるのではないでしょうか。
ケースによってどちらがおすすめか異なるため、まずはお気軽にご相談ください。