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介護における自立支援とは|要介護状態・寝たきりを予防するための取り組み

介護における自立支援とは|要介護状態・寝たきりを予防するための取り組み
「介護を行う中で、自立支援という言葉は聞いたことがあるけど、具体的にどのようなものかわからない」
このような悩みを抱えていませんか。
この記事では、介護における自立支援の基本からメリットやポイントまで解説します。最後には自立支援におすすめの介護用品を紹介します。
介護における自立支援を理解して、自分でできることが多い状態のまま自宅での生活ができる限り続けられるような介護方法を学びましょう。

介護における自立支援とは

介護保険法の基本的な考え方の1つに自立支援があります。自立支援とは「単に介護を要する高齢者の身の回りの世話をするということを超えて、高齢者の自立を支援することを理念とする」とされています。
引用:厚生労働省老健局「介護保険制度の概要」

身体機能が低下して、介護が必要な状態になってしまった場合でも、すべてのことを介護してしまうより、できることはご本人に実施していただくことが大切です。
ご家族が何でも手伝ってしまうと、ご本人の意欲や尊厳が低下してしまう可能性もあるため、自立を支援することが本人・家族ともに良い影響があります。

また、自立支援と似た言葉として、自立支援介護という言葉があります。自立支援介護とは、竹内孝仁先生が広めた言葉と言われています。竹内孝仁先生の「自立支援介護理論」とは、「『水分摂取、食事(栄養)、自然排便、運動』に着目し、体調を整え、活動性を上げることで体力を回復し、意欲や活力を取り戻すことを基本精神とする自立を支える介護」です。
出典:社会福祉法人 博愛福祉会 サンホームみかづき「自立支援の取り組み」

自立支援の目的

自立支援の目的は、要介護状態の予防と寝たきりの高齢者を減らすことです。
ここでは3つの種類の自立について解説します。

身体的自立

身体的自立とは、生活を維持・継続していくために必要な動作を自分で行える状態のことです。
生活を維持・継続していくために必要な動作とは、食事や排せつ、入浴、更衣、トイレ動作などを指します。

精神的自立

精神的自立とは、自分の生活や人生をどう生きるか考えて行動し、判断できる状態のことです。
たとえば、自分では良い結果が出たり、成功したりすると思って行動したとしても、報われないこともあります。そのようなときに、その結果を受け入れながらも次の課題に自分で取り組めれば精神的に自立していると言えます。

経済的自立

経済的自立とは、必要とする生活費を「本人の収入」で賄うことができ、バランスを考えながら活用していける状態のことを言います。
誰からも援助を受けることなく、生活費を上回る本人の収入があれば経済的に自立していると言えます。

自立支援に欠かせない4つのケア

自立支援をする上で、欠かせない4つのケアがあります。
4つのケアは以下のとおりです。

  1. こまめな水分摂取を促す水分ケア
  2. 体の機能を維持するための食事ケア
  3. 便秘症予防のための排便ケア
  4. 下肢筋力向上のための運動ケア

それぞれ詳しく解説します。

こまめな水分摂取を促す水分ケア

一般的に1日あたり1,500mlの水分摂取が必要とされています。
しかし、高齢になるとなかなか水分摂取が進まなくなります。

一度に大量の水分を摂取することが難しいと感じる高齢者もいるので、一回の量を分けてこまめに水分摂取を促す水分ケアを心がける必要があります。
薬を1つずつ分けて飲んだり、時間を決めて水分摂取をしたりしましょう。

体の機能を維持するための食事ケア

体の機能を維持するためには栄養が大切です。

1日3食を基本として、体の元となるタンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素を中心に、バランス良くしっかりと摂取することを心がけましょう。

介護食事については、下記で紹介しているのであわせてご覧ください。
介護食の基本|種類や食材・料理の選び方、介護方法について解説

便秘症予防のための排便ケア

高齢者になると食事量や運動量の低下が起こりがちです。
その結果、便秘に悩む高齢者も少なくありません。
腸の調子が良ければ全身状態も良くなります。
できれば、3日以内の自然排便があることを目指して、食物繊維が多い食事を摂取したり、水分を適切な量取ったり、適度な運動をしたりして規則正しい生活をすることで便秘症予防に努めましょう。
排便は朝食後にあると良いとされています。朝食後に排便をする習慣をつけるためにも規則正しい生活をすることをおすすめします。

下肢筋力向上のための運動ケア

自立するためには下肢筋力向上のための運動をすることが大切です。
そのため、普段の生活において自分でできる身の回りのことは自分で行うようにしたり、家事や散歩などを通して運動習慣をつけたりすることが大切です。
それ以外にも、ストレッチを行うなど、自分にあった運動を選択して行うこともおすすめです。

自立支援を受けることのメリット

自立支援を受けることのメリット
自立支援を受けることのメリットを紹介します。
メリットは以下のとおりです。

  1. 生活の質の向上が図れる
  2. 介護者の負担が軽減する
  3. 介護度の改善により経済的負担が軽減する可能性がある

それぞれ解説します。

生活の質の向上が図れる

自立支援を行うことで、できなくなってしまったことが再びできるようになったとき、その人らしい生活が可能となります。
たとえば、自分でトイレまで歩いて行けたら、好きなときに排せつできます。
また、自分で食事を取れるようになれば、自分のペースで好きなときに食べられます。
このように自分でできることが増えれば、生活の質の向上が図れると言えます。

介護者の負担が軽減する

自立支援を受けた結果、介護を受ける方自身でできることが増えれば、介護する回数や量は減ります。そのため、同居家族の介護負担(身体的・精神的)の軽減につながります。

本人も自立し、家族の介護疲れなども減少すると、家族全体の雰囲気も良くなり好循環が生まれるでしょう。

介護度の改善により経済的負担の軽減も

自立支援により、自立して介護を要さない状態になれば、介護保険サービスを利用しなくても生活可能です。その結果、介護にかかるコストが削減される可能性もあります。

たとえば、レンタルしていたベッドが不要になったり、訪問介護(ヘルパー)の利用をしなくても生活ができるようになったりすれば、それらにかかる費用を支払わなくて良くなり、経済的負担の軽減につながります。

自立支援を受ける場合のポイント

自立支援を受ける場合のポイントを紹介します。
これらのポイントを参考に自立支援を受けることをおすすめします。

基準はあくまで目安

自立支援における運動や水分摂取の基準はあくまで目安です。
1日2km歩行しなければ病気になる、というわけではなく、ご自身の体の状態にあわせた運動や水分摂取などをしましょう。

適正量が不安な方は主治医やかかわりのある専門家に相談することをおすすめします。

4つのケアはバランス良く実施することが大切

自立支援に欠かせない4つのケアを1つだけ重点的に実施するのではなく、バランス良く行うことが大切となります。

たとえば、無理に運動ばかりするのではなく、食事・水分摂取や排便コントロールもバランスを考えて実施することが大事です。
一つずつの積み重ねが自立への近道となります。

本人の意思を尊重する

自立支援を受ける場合は、家族の意思だけではなく、あくまで本人の意思を尊重してケアが行われる必要があります。
そのため、家族が「杖なしで歩いてもらいたい」と考えているかどうかではなく、本人が「孫の結婚式に車椅子で参列したい」という希望がかなえられたかどうかで判断することが大切となります。

自立支援におすすめの介護用品

自立支援におすすめの介護用品を紹介します。
介護用品を利用することで自立のお手伝いにもなるため、ぜひ有効に活用してみてください。

エルゴグリフクラッチ・オープンカフ

エルゴグリフクラッチ・オープンカフ

エルゴグリフクラッチ・オープンカフは、握力が弱い人でも使いやすい杖です。
握るだけでなく、前腕部分でも体を支えられるためT字杖より安定した歩行ができます。
体重をかけて歩行することが可能であるため、T字杖では不安定でもう少し介助が必要な方にはおすすめの介護用品です。

テイコブリトルワゴン

テイコブリトルワゴン

テイコブリトルワゴンは、自分で買い物に行くための歩行器です。
一番の特徴は、買い物かごを歩行器の上に置ける点です。

テイコブリトルワゴンを使用することで、狭い店内などでも安定して歩行することが可能となり、自宅から近所のスーパーまでの移動と買い物の自立を手助けしてくれる介護用品です。

福祉用具を活用することで、今までできなかったことができるようになる支援が可能です。

ヤマシタでは、こうした自立支援におすすめの福祉用具のレンタルについていつでも相談が可能です。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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まとめ

今回は、自立支援について解説しました。
自立支援を受けることで自立に近づき、生活の質が向上したり、家族の負担軽減にもつながったり、経済的負担も軽減されたりとさまざまなメリットがあります。
自立支援を受ける場合のポイントとしては、本人の意思を尊重することが大事です。
また、自立するために介護用品を頼ることも一つの方法です。

記事ライター
記事ライター
ライター

杉浦良介

理学療法士

紹介文:通所リハビリ・訪問看護・回復期病棟・訪問リハビリでの経験のある理学療法士。YouTube「訪問リハ&訪問看護&介護保険【制度マニア】」、訪問リハブログ「訪問リハビリ・訪問看護情報サイト」を運営中。また介護・医療従事者のためのメディア『ビジケア訪問看護経営マガジン』『介護未来マガジン』『リジキャリ』の編集長を務める。著書に『リハコネ式!訪問リハのためのルールブック【第二版】』がある。


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