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脱水症状のチェック方法!高齢者にありがちな発症原因や対処法を解説

脱水症状のチェック方法!高齢者にありがちな発症原因や対処法を解説

高齢者は暑さに気づきにくく、喉が渇いたと感じる感覚が鈍くなることによって脱水が起こりやすくなっています。

脱水は場合によっては命にかかわることもあります。

この記事では脱水の症状や高齢者が脱水になりやすい理由、実際に脱水になってしまった際の対処方法について解説します。

脱水症が引き起こすリスク

日本人の死亡原因の多くを占める脳梗塞と心筋梗塞ですが、発生要因の1つに体内の水分不足があげられます。

脳梗塞や心筋梗塞は、血液中に脂肪の多いドロドロの血や高血糖のベトベトの血が大きく関与します。脱水状態は、血管の流れの悪い血をさらに濃縮させてしまい脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めてしまいます。

さらに、気温の変化によっても血液の濃度は変わります。気温が高いと汗をかくことによって、水分と塩などの電解質が失われて血液が濃くなり詰まりやすくなってしまいます。そのため、夏場の畑仕事や庭いじり、外出時はとくに注意が必要です。

高齢者は体内の水分量が少なく、もともと脱水状態になりやすいため、喉が乾いていない時でもこまめに水分補給することが大切です。

脱水症状のチェック方法

脱水になると以下のような症状が現れます。

  • 尿の色が濃く、においがきつくなる
  • 口の中や唇がカサカサと乾燥し、ツヤがなくなる
  • 手足がしびれる
  • 頭痛や吐き気がある
  • 微熱が出る

脱水症状の兆候には以下のようなものがあります。

  • 爪を押して白からピンク色に変わるまで3秒以上
  • 手の甲をつまんだ痕が消えるまで3秒以上
  • 尿の色が黄褐色から褐色
  • 口の中が乾燥している
  • 手足のしびれがある
  • 頭痛や吐き気がある
  • 37度前後の微熱がある

それぞれみていきましょう。

爪を押して白からピンク色に変わるまで3秒以上

親指の爪を、反対側の親指と人差し指で強く圧迫をします。

爪の色が白から元のピンク色に戻るまで3秒以上かかる場合、脱水が起きている可能性が高いです。

健康な状態であれば、爪はすぐに白からピンク色に戻ります。

手の甲をつまんだ痕が消えるまで3秒以上

手の甲を反対の親指と人差し指でつまみ、少し持ち上げてみましょう。

健康な状態であれば、つまんだ皮膚はすぐに元に戻ります。

元に戻るまで3秒以上かかるようであれば、脱水が起きている可能性があります。

尿の色が黄褐色から褐色

尿の色がいつもより濃い黄色の場合、脱水になっている可能性があります。

尿の色に応じた水分摂取量を紹介します。

濃い黄色の場合には、1時間以内に250mlの水分(屋外にいる場合や、汗をかいている場合には500ml)の水分を摂りましょう。

黄色褐色の尿が出る場合には、すぐに250mlの水分(屋外にいる場合や、汗をかいている場合には500ml)を摂取します。

尿の色が茶褐色の場合にはすぐに1000mlの水分を摂り、茶褐色より濃い色の尿が出る場合にはすぐに受診が必要です。

口の中が乾燥している

口の中や唇、舌が乾燥している場合にも脱水が起きている可能性が高いです。

具体的には、以下のような症状です。

  • 口の中が乾燥して舌が張りつく
  • 口の中がねばつく
  • いつもより口臭が気になる
  • 唇がカサカサしてツヤがない
  • 舌の表面が乾燥してツヤがない
  • 舌がいつもより赤く、ひび割れが気になる

体の水分が不足することでだ液の量も減るため、脱水になると口の乾燥が目立ちます。

手足のしびれがある

脱水になると手足がビリビリとしびれたり、舌がしびれたりすることもあります。

脱水は水分だけではなく、カリウムやナトリウムといった電解質も不足した状態です。

電解質は筋肉の動きに関係しており、脱水になり電解質が不足すると、筋肉がスムーズに収縮できなくなることから、手足にしびれを感じるようになります。

頭痛や吐き気がある

脱水になると、頭痛や吐き気が出現します。

脱水は体内の水分が不足することで起こりますが、体が水分不足になると、血液が濃縮され、血液の流れが悪くなります。

そのため、脳への血流も滞るため頭痛や吐き気が起こります。

脱水によって血液が濃縮すると血液がドロドロとなりつまりやすくなるため、脳の血管がつまる脳梗塞や、心臓の血管がつまることで起こる心筋梗塞の原因となります。

頭痛や吐き気が出現した際には、すぐに水分を摂取するように心がけましょう。

37度前後の微熱がある

なんとなくだるく、ぼんやりとして、37~37.5度程度の微熱がある場合も脱水となっている可能性があります。

脱水になると血液の流れが悪くなるので、皮膚への血流も滞ります。

皮膚は常に体内の熱を放散し、体温が一定となるように保つ役割をはたしています。皮膚への血流が滞ると、皮膚から体内の熱が放散されなくなり、体に熱がこもるようになるため脱水になると微熱になってしまいます。

高齢者における脱水症状の主な原因

高齢者における脱水症状の主な原因

脱水は、以下のような原因があります。

  • 水分摂取不足
  • 体調不良により嘔吐・下痢が続く
  • 風邪などの発熱が続く
  • 利尿薬を内服している
  • 喉が渇いたと感じる感覚の低下

加齢に伴う身体状況により、高齢者は脱水が起こりやすくなります。

ここからは脱水が起こる主な原因について説明します。

水分摂取不足

高齢者は膀胱の容量が小さくなることや、膀胱の弾力がなくなることで、たくさんの尿を貯めることができなくなります。

またホルモン分泌の低下によって、夜間にトイレに行く回数も増えがちです。

頻尿や夜にトイレで起きることが気になり、高齢者は水分の摂取を控える傾向にあります。

そのため必要な水分を摂取できず、脱水になりやすい状況になります。

水分が不足しないようにコップ1杯(200ml)の水分を、1日7回摂取することを目標にしてみましょう。白湯や温かいお茶など、好きな飲み物を用意すると水分摂取を習慣化しやすいのでおすすめです。

また食事制限などなければ、1日に1回はイオン飲料でも良いでしょう。

嘔吐・下痢

胃腸炎などの体調不良によって嘔吐や下痢が続く場合、脱水が起きます。

嘔吐や下痢は体内の水分が過剰に排せつされるので、適切な水分補給が大切です。

嘔吐や下痢がある場合、一気に大量の水分を摂取すると嘔吐や下痢を誘発してしまうことがあります。

常温の飲み物を1口ずつ、ゆっくりと時間をかけて水分摂取しましょう。

嘔吐や下痢は水分だけではなく、体の中の電解質も失われます。もし飲めそうならば、経口補水液やイオン飲料がおすすめです。

気分が悪く、どうしても水分摂取ができない場合には医療機関への受診が必要です。

発熱

風邪によって発熱が続く場合にも脱水が起きます。

人間の体は汗をかくことによって熱を下げ、体温を一定に保とうとします。

風邪によって発熱すると、体は熱を下げようとたくさんの汗をかきます。

汗には電解質も含むため、発熱が続くと体の水分も電解質も不足し、脱水となります。

発熱した場合には、経口補水液やイオン飲料をこまめに摂取しましょう。

食べられるようであれば、柔らかく煮込んだ野菜のスープやお味噌汁も脱水予防となるためおすすめです。

飲酒

お酒を飲むと、脱水になりやすくなります。

アルコールには利尿作用があるため、飲みすぎると排尿量が多くなり、体の水分が失われて脱水となります。

またアルコールを分解する際には体内の水分が必要となるため、飲酒は脱水へとつながるのです。

お酒を楽しむ場合には、鍋や汁物、または生野菜サラダなど、なるべく水分や塩分を含むものをおつまみにすると脱水の予防となります。

お酒を飲みながら、あるいは飲み終わった後に温かいお茶やお水を飲むことを心がけるのも良いでしょう。

利尿薬

利尿剤を内服している際には、脱水を起こしやすくなります。

利尿剤は持病によってむくみがある場合の治療に用いられ、排尿量を増やすことで、体の中の余計な水分を排出する効果を持つ薬です。

水分だけではなく、体の電解質も排出させます。

むくみがあると水分摂取を控える方もいますが利尿剤を内服していると、必要以上に水分が排せつされてしまうこともあるため、適切な水分摂取は必要です。

喉の渇きを感じにくい

高齢者は脳の「喉が渇いた」と感じる機能が低下します。

そのため、本当は喉が渇いているのに気づかないうちに脱水となってしまうことがよくあります。

外気温が高い夏場は特に注意が必要です。

喉が渇いたら水分を摂取するのではなく、時間やタイミングを決めて水分摂取をするように心がけましょう。

脱水症状が起こったときの治し方

実際に脱水症状が起きたときの、具体的な対処方法を紹介します。

軽度であれば水分摂取をして自宅で様子を見て、重度の場合には受診が必要です。

軽度の場合は経口での水分摂取

意識がしっかりしていて、水分を飲むことができる場合には、自宅で様子を見ます。

脱水症状がある際に適している飲み物は以下のとおりです。

  • 経口補水液
  • スポーツドリンク・イオン飲料
  • 麦茶

脱水は体の水分だけではなく、電解質も不足した状態なので、水分だけではなく電解質も含む飲み物が適しています。

カフェインを含むお茶やコーヒー、アルコール類は利尿作用があるため、脱水対策としては不向きです。

甘いジュースは糖の摂りすぎになり、お水だけでは電解質を摂取できないので、こちらも脱水対策には向いていません。

重度の場合は点滴での水分摂取

以下の症状がある場合は重症の可能性があります。

  • 意識がもうろうとしている
  • 吐き気や体のふらつきがひどく水分を摂取できない
  • 水分を飲んでも吐いてしまう

重度の脱水の場合、心臓の血管がつまる心筋梗塞や、脳の血管がつまる脳梗塞など、命にかかわる病気の原因となります。

点滴による水分摂取が必要になるため、すぐに受診しましょう。

高齢者の脱水を予防する方法

高齢者の脱水を予防する方法
高齢者は脱水が起こりやすい傾向にあります。

常日頃から脱水にならないように次のような予防をしておくことも大切です。

普段からこまめに水分を摂る

脱水を予防するために、普段からこまめに水分を摂るように心がけましょう。

たくさんの量をまとめて一気に飲むよりも、少量ずつをこまめに飲むほうが脱水対策には効果的です。

高齢になると喉が渇いたと感じにくくなります。

テーブルの上に常にポットとコップを置いていたり、外出時には水筒を持ち歩き、すぐに水分摂取できる環境にしていたりすることもおすすめです。

また食中・食後や2~3時間おきなど、水分摂取するタイミングを決めておくのも良いでしょう。

塩分の補給も心がける

脱水予防のためには、水分摂取の際に、塩分も一緒に摂取することが重要です。

水だけでは塩分を摂ることができず、体の中の塩分濃度を低下させてしまい、さらに脱水症状を悪化させてしまいます。

適度に塩気のあるお漬物や煮物を食べるとよいでしょう。塩飴や塩分タブレットも手軽に塩分を摂取できておすすめです。

高血圧など持病で塩分制限がある場合には、主治医と相談のうえ塩分を摂取しましょう。

健康状態を把握する

日頃から自分の体調を把握しておくことも大切です。

普段の自分の排尿回数やペース、量やにおい、色を確認しておくこともおすすめです。

持病によって利尿剤を内服している方や、糖尿病で血糖値が高めの方は排尿量が増えるため、脱水になりやすい状態です。

誰もが脱水になる可能性はありますが、高齢の方や持病がある方は特に脱水になりやすいです。

自分がリスク群に含まれるのかどうかを認識しておくだけでも、脱水の予防になります。

夏は涼しい環境を作る

外気温が高く、汗をよくかく夏は熱中症からの脱水になりやすい時期です。

高齢になると暑さを感じにくくなるため、熱中症になりかけていても暑いと感じていないことも多々あります。

暑いと感じていなくても、外気温が高い日には冷房を適切に使用し、涼しい衣服を身に着けるように意識しましょう。

体に熱がこもると脱水や熱中症となるので、通気性の良い衣服がおすすめです。

特に夜間は水分摂取のタイミングもなく、冷房をオフにして就寝する人も多く、脱水のリスクが高い時間帯です。

以下のような綿100%のゆったりとしたパジャマもおすすめです。

播州織 オープンファスナー付パジャマ – 上 –

播州織 オープンファスナー付パジャマ

綿100%の播州織のパジャマなので、通気性が良く、暑い夏でも快適に寝られます。

袖にファスナーがついているため全開可能で、点滴をしていても楽に着替えられます。丈夫な生地ですので、洗濯に強い点もメリットです。

介護衣類は高齢者の身体の特徴に合わせて作られており、高品質かつ高機能な商品が多くあります。

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冬も要注意の「かくれ脱水」とは?

脱水は夏場だけでなく、冬場の脱水にも気を付けなければいけません。

気温が下がると血管が縮みやすく、血液の粘度も上昇します。その状況で血液中の水分が不足すると、さらにドロドロの血液となってしまい脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まってしまいます。

とくに冬場はトイレのことが気になってしまい、水分を摂ることに躊躇しがちになってしまいます。

さらに、冬場はウイルス感染による嘔吐や下痢などで水分が排出されたり、インフルエンザや風邪にかかれば高熱によって水分が表出してしまうこともあります。

季節に限らず脱水のリスクはあります。日々こまめに水分と塩などの電解質を摂ることが、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こさない対策になります。

まとめ

高齢者は脳の機能が低下するため、喉の渇きや暑さを感じにくくなります。

またトイレが近くなることを嫌がり、水分摂取を控えがちです。

そのため、持病がなく健康であっても、脱水になりやすい状態となっています。

喉が渇かなくても水分を摂取する、外気温に合わせて衣類や室温の調整をすることを心がけましょう。

脱水は脳梗塞や心筋梗塞の原因となり、命にかかわる場合もあるので、重症の場合にはすみやかに医療機関を受診しましょう。

記事ライター
記事ライター
ライター

川口晴美

助産師、看護師

助産師、看護師として総合病院にて産婦人科や消化器内科、内視鏡室で勤務。 退職後は開業助産師として地域での子育て支援を中心に活動。 WEBライターとしても活動し、医療や子育てに関する記事を多く手掛けている。

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