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ボケ防止に欠かせない7つの生活習慣のポイント
超高齢社会の日本において、高齢者の認知症は社会問題となっています。
認知症を完治する薬は存在しないため、高齢者の方は認知症にならないこと、つまりボケ防止の対策が大事です。
2025年には65歳以上の5人に1人が認知症患者になると予想されています。
一説によると、認知症は生活習慣病が原因と言われています。
この記事を読むことで、ボケ防止に対策するための7つの生活習慣がわかります。
高齢者の方はもちろん、高齢の両親を持つご家族の方にも抑えるべきポイントが把握できますので最後までお読みください。
ボケ・認知症のリスク
認知症を発症すると次のようなリスクが生じます。
- 認知機能の低下
- 介護者や家族の負担増大
- 治療費や介護サービス費用増大
- 社会的孤立
- 感染症のリスク増大
本人や家族の精神的負担だけでなく、経済的負担も増大します。
人間の加齢を止めることはできませんが、認知症のリスクを減らすことは可能です。
そこで次章では、認知症予防のポイントについて解説します。
認知症予防のポイント
認知症予防は40代から始めることが大事です。
なぜなら、人間の脳は40代から老化を始めるといわれているからです。
認知症予防のポイントは健康な生活習慣を身に付けることであり、食事・睡眠・運動が健康の三大要素となります。
食事・睡眠・運動のバランスが大事なことは、認知症予防の10か条からも明らかです。
- 塩分と動物性脂肪を控えたバランスのよい食事を
- 適度に運動を行い足腰を丈夫に
- 深酒とタバコはやめて規則正しい生活を
- 生活習慣病(高血圧、肥満など)の予防・早期発見・治療を
- 転倒に気をつけよう 頭の打撲は認知症招く
- 興味と好奇心をもつように
- 考えをまとめて表現する習慣を
- こまやかな気配りをしたよい付き合いを
- いつも若々しくおしゃれ心を忘れずに
- くよくよしないで明るい気分で生活を
年齢別に簡潔にポイントを紹介
認知症の予防法は、年代によって異なります。
順に解説します。
20代から30代
青年期に良い習慣を身に付けておけば、将来認知症を発症するリスクをぐっと下げることができます。
中でも歳をとってから身に付けにくい運動習慣を付けるのがお勧めです。
偏った食事や過度な飲酒、喫煙は、逆に認知症の原因となる動脈硬化を促進するため、習慣付けないように注意しましょう。
40代から50代
中年期では高血圧や肥満が認知症のリスクを高めます。
食事の際は、塩分やカロリーの摂り過ぎに注意が必要です。
BMI(体格指数)30以上で肥満とされていますので、健康診断を受けたら値を確認するようにしてください。
運動習慣を付けるのが難しい方は、エレベーターを使わずに階段を使うなどできることから始めましょう。
60代以上
更年期では、喫煙や糖尿病、うつといった認知症の要因があります。
中でも喫煙は認知症の発症リスクがもっとも高いため、できるだけ早く禁煙することをお勧めします。
60代になると家に閉じこもりがちになりますが、外を散歩するだけでも十分です。
運動による認知症予防
認知症予防の10か条にもあるとおり、1つ目の予防法は運動です。
運動することで筋力の低下を防ぐほか、メタボの予防にもなるためです。
BMIの値が30を超えると、認知症になるリスクが上がるといわれています。
運動は中強度と高強度の有酸素運動を組み合わせるのがよいでしょう。
中強度の運動には、
- ウォーキング
- 庭仕事
- 水中のエアロビ
- 自転車漕ぎ etc.
高強度の運動には、
- ランニング
- 水泳
- サイクリング
- ハイキング
- 縄跳び etc.
があります。
高齢者は加齢に伴って活動量が低下し、行動範囲も狭くなりがちです。
自分の体力と相談しながら、苦にならずに続けられるものを選びましょう。
食事による認知症予防
2つめの認知症の予防法は食事です。
栄養バランスの崩れた食生活を続けていると、いずれ健康状態が悪化してしまいます。
食事で認知症を予防するには、以下の食べ物をバランスよく摂ると効果的です。
- 全粒穀物
- 青魚
- オリーブオイル
- ナッツ
- 野菜や果物 etc.
さらに自分で料理するのも認知症予防の観点では効果があります。
認知症の中核症状には実行機能障害と呼ばれる症状が含まれ、計画を立てたり工程を進めたりするのが難しくなります。
自分で料理を作ることで必要な食材を用意したり、段取りよく料理を進めたりするために頭を使う必要があるため、認知症予防の対策としてはうってつけです。
避けた方がいい食事
とは言え、毎日料理するのが大変だという方もおられると思います。
しかし、以下のような食べ物は避けることをお勧めします。
- 加工肉
- 菓子パン
- ラード、マーガリン
これらの食品には、添加物やトランス脂肪酸が多く含まれるためです。
食事は毎日のことなので、思い当たる方は速やかに食生活の見直しが必要です。
また、塩分の摂り過ぎは高血圧や動脈硬化のリスクを高める原因になるため、1日6.5mgから7.5mgまでに抑える必要があります。
よく噛んで食べることも重要
食事内容と同じく、よく噛んで食べることは重要です。
歯で物を噛んだ際、歯根膜と呼ばれる器官が沈んで血管を圧縮することにより、血液を脳に送ります。
つまり噛めば噛むほど血液が脳に送られるため、脳が活性化して認知症になりにくくなるという訳です。
実際、歯が少ない人は20本以上歯がある人と比べて認知症になるリスクが高いという調査結果もあります。
たとえ歯が少なくても、義歯を使用することで認知症を発症するリスクを抑えられることも分かっています。
このことからよく噛むことが認知症予防につながることは明らかです。
社会活動による認知症予防
3つめの認知症予防法は、社会活動です。
定年退職して社会との関わりが失われると、社会的に孤立してしまいます。
社会的孤立は認知症の原因となります。
WHOの報告によると、孤独は1日15本の喫煙に相当する健康被害を与えるそうです。
孤独は認知症だけでなく、うつの原因にもなります。
孤独感を解消する方法のひとつに、趣味を通じたコミュニティへの参加があります。
新しい人との関わりを持ち、刺激を受けることによって認知症の予防につながります。
日常生活で取り入れられる認知症予防
次に日常生活で取り入れられる4つの認知症予防法を紹介します。
- テレビゲーム
- 脳トレ
- コグニサイズ
- デュアルタスク
家庭内はもちろん、デイサービスでも取り入れられているものもあります。
テレビゲーム
日常生活で可能な認知症予防法の1つ目はテレビゲームです。
最近では、オンライン上で競技や対戦を行うeスポーツが認知症に効果があると注目を浴びています。
eスポーツは、ゲームを楽しみながら情報処理能力の向上やマルチタスク能力の向上、脳機能の活性化など、認知症予防の効果が期待できます。
自宅に居ながらオンラインでコミュニティに参加することができ、社会との関わりを持てる点もeスポーツならではのメリットといえるでしょう。
脳トレ
2つ目は脳トレです。
間違い探しやことわざクイズ、パズルなど、頭を使って解くことで脳に刺激が加わり、活性化に繋がります。
脳の領域で感情や学習、記憶を司るのが前頭葉です。
脳トレはこの前頭葉に働きかけることで、脳の老化スピードを落とす役割を果たします。
ただし継続が大事なため、問題のレベルを簡単すぎず、難しすぎないものを選ぶことが大切です。
脳トレの素材は無料でダウンロードできるものがあるので、上手く活用しましょう。
コグニサイズ
3つ目はコグニサイズです。
コグニサイズとは、コグニションとエクササイズを合わせた造語です。
もともと国立長寿医療センターが開発した運動と計算やしりとりなどの頭の体操を組み合わせて、認知症の予防を目的とする取り組みがきっかけです。
イスに座って足踏みをしながら、数を数えて3の倍数の時だけ手を叩く運動がコグニサイズに当たります。
デュアルタスク
4つ目はデュアルタスクです。
デュアルタスクとは、2つのことを並行して行うことを指します。
例えば運動しながら計算したり、歌いながら洗濯物を畳んだりということがデュアルタスクに当たります。
脳を働かせて血流を良くしながら、体を動かすことが認知症予防に効果があるという調査報告もあるため、上手く活用してみてください。
まとめ
今まで仕事一筋で頑張ってこられた人ほど、定年後に生きがいを失って認知症を発生するケースが多いです。
認知症予防のためには、次の7つの生活習慣を取り入れることが大事です。
- 適度な運動
- 栄養バランスの取れた食事
- コミュニティなど社会活動への参加
- テレビゲーム
- 脳トレ
- コグニサイズ
- デュアルタスク
このことから、脳を働かせて体を動かしてメリハリのある生活を送ることが認知症予防にはもっとも効果的な対策といえるでしょう。