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便失禁はなぜ起こる?便漏れ対策や治療方法など詳しく紹介

便失禁はなぜ起こる?便漏れ対策や治療方法など詳しく紹介

便失禁は高齢者や家族にとって深刻な悩みの一つです。便失禁で衣類や寝具が汚れると、「恥ずかしくて相談できない」「着替えや洗濯などの手間が増えて大変」と悩む方もいるでしょう。

しかし、高齢者にとって便失禁は珍しいことではありません。

本記事では、便失禁の原因や具体的な対策方法、役立つ介護用品などを紹介します。介護を受ける方も介護をする家族も、安心して日常生活を送るための参考にしてください。

便失禁が起こる原因

便失禁が起こる原因

便失禁には、症状や原因によって次の3つに分類されます。主な分類は以下のとおりです。

切迫性失禁 便意は感じるものの、強い便意を感じたときに、トイレまで間に合わず便が漏れてしまう状態
溢流性失禁 便意を感じにくく、気づかないうちに便が漏れてしまう状態
混合性失禁 切迫性失禁と溢流性失禁の両方の症状をもつ状態

便失禁は、以下の3つが原因で起こります。

  • 肛門括約筋の衰えによるもの
  • 肛門や直腸の病気によるもの
  • 内科疾患によるもの

正常な排便は、便をためる直腸機能と、便を出す肛門機能の両方がうまく機能していることで成り立っています。

しかし、どちらか一方でも障害があると便をコントロールできなくなり、便失禁が起こります。

効果的な対策を立てるためには、まず原因を知ることが大切です。介護を受ける方がどの原因に当てはまるかを考えてみましょう。

肛門括約筋の衰えによるもの

肛門のまわりには、便を我慢するための筋肉(肛門括約筋)があります。肛門括約筋は長年にわたる排便の繰り返しで衰えるため、多くの高齢者に便失禁が起こる原因となります。

肛門括約筋は、排便時に過剰な力みを繰り返すことで筋肉が緩くなるほか、神経にも障害が生じるため、徐々に衰えていきます。

筋肉が緩くなるだけでなく、自分の意思で肛門を締めたり緩めたりコントロールできなくなることも、知らないうちに便が出てしまう原因につながります。

肛門や直腸の病気によるもの

肛門や直腸の病気も便失禁につながるケースもあります。

ここでは直腸がんと、その手術を例に、解説します。

直腸がんの手術後に便失禁が起こる理由は、手術の種類によって異なります。

手術の種類 便失禁の原因
肛門括約筋間切除術(ISR) ・神経損傷が起こる可能性がある
・便を貯留する能力が減少する
低位前方切除術(および超低位前方切除術) ・肛門の締まりが緩くなる
・神経損傷が起こる可能性がある
高位前方切除術 ・肛門の締まりが緩くなる
・神経損傷が起こる可能性がある

手術により症状が改善される可能性はありますが、排便機能への影響を完全になくすことは難しいのが現状です。

内科疾患によるもの

糖尿病や過敏性腸症候群などの疾患にも便失禁のリスクを高めます。

糖尿病になると慢性的な下痢を起こすことがあります。消化管の自律神経障害によるものと考えられていますが、はっきりとした原因はまだわかっていません。

過敏性腸症候群の場合、主に精神的なストレスが原因で腸が敏感になる病気です。

便秘と下痢を繰り返すのが特徴で、何度も便が出ることで肛門の周りが傷ついてしまいます。

またストレスにより排便をコントロールする機能が鈍くなることも、便失禁を引き起こす原因の一つです。

便失禁の対策|治療編

便失禁の対策

便失禁を改善する方法として、以下の4つが挙げられます。

  • 食生活の改善
  • 排便習慣の改善
  • 骨盤底筋訓練
  • 薬の服用

それぞれの具体的な方法を解説します。

食生活の改善

便失禁は便が軟らかすぎると起きやすくなります。そのため、便の状態を良くする食事を知っておくことが大切です。

積極的に摂取したい食材
(不溶性食物繊維)
・大豆
・玄米
・さつまいも
・ごぼう
・人参 など
控えたほうがいい食材 ・コーヒー
・紅茶
・アルコール
・かんきつ系の果物
・香辛料の多い料理 など

不溶性食物繊維を多く含む食材を積極的に食べることで、便が軟らかくなりすぎるのを防げます。一方でカフェインやアルコールなどは、腸の働きを活発にして、下痢を起こしやすくするため、摂りすぎに注意しましょう。

排便習慣の改善

便意を感じたらすぐにトイレに行き、規則正しい排便習慣を身につけることが大切です。

そのためにも、外出先では事前にトイレの場所を確認しておきましょう。便意がなくても毎朝トイレに行ったり外出前や就寝前に排便を済ませたりすることも排便習慣をつける方法の一つです。

直腸に便がたまらなければ便失禁のリスクを減らせることを知っていると、毎日の排便を意識しやすくなります。

骨盤底筋訓練

骨盤底筋訓練も、便失禁の改善に効果的です。訓練の方法は以下のとおりです。

  1. お尻をすぼめるイメージで尿道と肛門を締める
  2. お尻の筋肉に力を入れすぎないように注意する
  3. 骨盤底(肛門周辺)を頭のほうに引き上げるイメージで5〜8秒間キープする
  4. 肛門を強く締める動きを3回行い、同じ時間休む

上記の動きを10回で1セットとし、1日3セットほどしましょう。

腹筋に力を入れすぎると、便が漏れる可能性があります。おなかに手を当てて、腹筋に力が入っていないかチェックしながら行うと良いでしょう。

下痢を改善する薬の服用

下痢を改善する薬を服用することで、便失禁を防ぐ方法もあります。

下痢を改善する薬 効果
ポリカルボフィルカルシウム 便の水分を吸収し便を固まりにする
ロペラミド塩酸塩 腸のぜん動運動を抑制する
ラモセトロン塩酸塩 過敏性腸症候群による下痢を防ぐ

薬の服用については自己判断せず必ず肛門科や消化器外科などの専門医の診察を受けてから指示に従いましょう。

便失禁の対策|オムツ対策編

便失禁による漏れをオムツで防ぐには、以下の点に注意しましょう。

  • オムツのサイズを適切なものにする
  • 日中と夜間でオムツのタイプを変える
  • オムツの当て方に注意する

それぞれ詳しく解説します。

オムツのサイズを適切なものにする

オムツのサイズが合っていないと、オムツがずれて便が漏れやすくなります。

オムツが小さすぎる場合、便を十分に吸収できず、許容量を超えてしまいます。一方、大きすぎる場合は、オムツに隙間ができやすく、そこから便が漏れるかもしれません。

オムツを選ぶ際は、表記されている体のサイズや吸収量をチェックしましょう。使用してみてフィットしないと感じた場合は、別のサイズやメーカーに変えることも検討してください。

日中と夜間でオムツのタイプを変える

日中と夜間でオムツのタイプを使い分けることで、便失禁の漏れを効果的に防げます。

日中は脱ぎ着がしやすいパンツタイプを使用し、毎日同じ時間にトイレに行く習慣をつけることで、便失禁を予防しましょう。

パンツタイプは、オムツと同様に水分を吸収します。万が一、便失禁をしてもすぐに漏れる心配はありません。

夜間は横になった状態で交換しやすいテープタイプが良いでしょう。テープタイプは寝たまま便失禁をしても、漏れるリスクを軽減できます。

オムツの当て方に注意する

正しいオムツの当て方をすることで、便失禁による漏れを防げます。

パンツタイプとテープタイプ、それぞれの便失禁に対する効果的な当て方は、以下のとおりです。

オムツのタイプ 便失禁に効果的な当て方
パンツタイプ ・オムツの後ろ側をしっかり引き上げる
・漏れ防止ギャザーを押し込まない
・肌着をオムツに挟み込まない
テープタイプ 体形にあわせた漏れにくいクロス止め
・おなかまわりが細い場合
→上のテープを斜め下向きに止める
・脚まわりが細い場合
→下のテープを斜め上向きに止める
・体全体が細い場合
→上下のテープを交差させて止める

オムツのギャザーをしっかり立てたり、軟便の方はパッドを併用したりする方法もあります。

漏れるからといってオムツやパッドを何枚も重ねて使う方法は、かえって隙間を作ってしまい逆効果になるのでやめましょう。

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便失禁対策に役立つ介護用品

便失禁対策に役立つ、以下の介護用品を紹介します。

  • テープタイプのオムツ
  • 尿とりパッド
  • ポータブルトイレ

ぜひ、介護を受ける方にあったものを探してみてください。

横モレあんしんテープ止め

横モレあんしんテープ止め

「横モレあんしんテープ止め」は、テープタイプのオムツです。立体的な3重のギャザーは、股ぐりにフィットしやすく横漏れを防ぐ構造になっています。

オムツにセンターラインの印があるため、オムツを体の中心に当てやすく、オムツに慣れていない方でも適正な位置にオムツを当てられるでしょう。

タイプ テープタイプ
サイズ S〜LL
価格(税込) 3,036円〜

【リフレ】サラケアパッド ワイドロング

【リフレ】サラケアパッド ワイドロング

「【リフレ】サラケアパッド ワイドロング」は、尿取りパッドタイプです。

肌触りの良い不織布を使用し、長時間付けていても肌当たりがさらさらしている点が魅力です。

立体ギャザーが体にフィットしやすく、吸収力の高い構造になっているため、横漏れを防いでくれます。

サイズ 幅26cm×長さ56cm
価格(税込) 1,650円

おむつの購入は介護用品の専門通販サイト「ヤマシタオンラインストア」をご利用ください。

家具調トイレコンパクト

家具調トイレコンパクト

「家具調トイレコンパクト」は、便意は感じるけれど、トイレに到着するまでに便が出てしまう、切迫性失禁で困っている方におすすめです。

木目調の外観は、お部屋の雰囲気にマッチしやすいデザインです。コンパクトなサイズ感は、ベッドサイドや居室に設置しても邪魔になりません。そのため、急な便意にもすぐに対応できるでしょう。

サイズ 本体:幅48×長さ55×高さ79〜85cm
便座内寸:36×40cm
座幅:40cm
高さ 肘掛け高:18〜24cm
座面の高さ:36〜42cm
重量 13.5kg
価格(税込) ・介護保険利用時 負担額:5,335円
・販売価格:53,350円

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ポータブルトイレは介護保険の利用で、1割負担で購入できます。
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ポータブルトイレは介護保険を利用できる

ポータブルトイレは介護保険の「特定福祉用具販売」の対象商品です。特定福祉用具とは、直接肌が触れるものや衛生面などを考慮すると、レンタルではなく購入が適していると判断された商品が対象となっています。

介護保険を使って購入できる福祉用具は、次の5つの商品です。

  • 腰掛便座(ポータブルトイレ)
  • 入浴補助用具
  • 簡易浴槽
  • 移動用リフトのつり具の部分
  • 排泄予測支援機器

介護保険を使って福祉用具を購入した場合、購入費の1〜3割が自己負担となり、残りの7〜9割は介護保険から支給されます。

また、自己負担の割合は、所得に応じて決まります。介護保険の支給限度額は、4月から翌年3月までの1年間で10万円までです。

福祉用具の購入費用は、利用者がいったん全額支払ったのち、市区町村に申請することで保険給付分が払い戻されます。

まとめ

便失禁は身体的な衰えだけでなく、ストレスなどの心の問題からも起こります。それぞれ原因や状況は異なるため、その人に合った対策を考えることが大切です。便失禁の漏れを防ぐためには、介護用品を上手に使うことがポイントになります。

本記事で紹介した対策方法や介護用品の使い方を参考にして、要介護者に合った方法を試してみてください。

記事ライター
記事ライター
ライター

津島武志

介護福祉士

介護業界16年目の現役介護職。介護リーダーや管理職の経験もあり、現在は地方法人のグループホームに勤務。現役の介護職以外に、さまざまなWEBメディアでライターとして活動しています。主な保有資格は、介護福祉士、介護支援専門員、社会福祉士など。

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