介護保険レンタル相談・カタログ請求はこちら

更新日:

高齢者の徘徊にどう対応する?対処法や支援をご紹介

高齢者の徘徊にどう対応する?対処法や支援をご紹介

徘徊とは、認知症の症状の一つで、高齢者がうろうろと歩く行為です。
中には玄関のドアを開けて外に出てしまい、所在が不明となってしまったり、交通事故にあったりするケースもあります。
しかし、あてもなく歩き回っているように見えても、徘徊する理由がちゃんとあります。


この記事では高齢者が徘徊する理由や、見守る家族の負担を減らすための介護用品、徘徊してしまったときの対応について紹介します。

徘徊とは

徘徊とは、認知症の症状の一つで、あてもなくうろうろと歩き回る行為を指します。
家の外に出てしまうこともあり、場合によっては命にかかわる事故に巻き込まれるケースもあるため、介護をする人にとっては悩ましい症状です。

しかし、周囲からはあてもなく歩き回っているように見えても、本人にとっては何かしら理由があって行動していることもあります。

本人の気持ちに寄り添いながらも、徘徊による事故に注意しなければいけません。

最近は「徘徊」とは言わない自治体も

愛知県大府市では、全国に先駆けて、行政内部で「徘徊」という言葉を使用しない取り組みを行っています。

「徘徊」は目的もなくうろうろと歩き回るという意味です。
しかし、認知症患者における徘徊は、本人の中にきちんとした目的があって動き回っているケースが多くみられます。

意味を考えると「徘徊」を使うことは適しておらず、また認知症に対する誤解や偏見につながる可能性があります。
そのため、「徘徊」という表現は原則使わず、伝えたい内容に応じて言い換えることとしています。

徘徊の原因

徘徊の原因
徘徊は介護をする家族にとって心身ともに負担が大きい症状であり、理由や目的もなくうろうろとしているように感じるかもしれません。
しかし、本人にとっては歩き回る理由があって徘徊しているケースも多くみられます。

道に迷ってしまった

認知症には「見当識障害」という症状があります。
見当識障害とは、行動や場所、人の顔や名前を正しく認識できなくなる症状です。

具体的には以下のような症状がみられます。

  • 今自分がどこにいるのかわからなくなる
  • 今自分が何をしていたのかわからなくなる
  • 身近な人の名前を忘れてしまう
  • ご飯を食べたのかわからなくなる

歩いている最中に道順や目印を忘れてしまったり、「ドアが開いていたから」などの理由から外に出てしまい、自分のいる場所がわからなくなったりして、道に迷ってしまうケースがあります。

なぜその場所にいるのかを忘れた

その場所にいる理由を忘れて、徘徊してしまうケースもあります。

例えば、診察のために病院に来ていても、診察があることを忘れてしまい、あちこち歩き回ってしまうことがあります。

自宅に帰ろうとした

外出先から一人で自宅に帰ろうとして、徘徊してしまうこともあります。
病院に受診に来て、終わっていないのに自宅に帰ろうと歩き回ったり、デイサービスでも時間前に自宅に帰ろうと動き回ったりすることがあります。

自宅にいるのに、そのことを忘れて「自宅に帰ろう」と家を出てしまうケースもみられます。

引っ越しを経験した人の場合、以前の住まいに帰ろうと徘徊する人もいますし、中には幼少期の実家に帰ろうと自宅を出てしまう人もいます。

心地よい場所を探そうとした

病院のようにざわざわして、知らない人が多い場所では落ち着かず、静かな心地よい場所に移動したくて徘徊してしまう人もいます。

家族や知人の顔、自宅環境を忘れてしまい、自分にとって居心地のよい場所を探して動き回るケースもあります。

過去の習慣や記憶によるもの

過去の習慣や記憶によって、毎日決まった時間に家を出ようとしたり、落ち着かなくなったりする人もいます。

例えば、会社勤めが長かった方だと、会社に行くために家を出ようとすることがあります。
会社に行くためにはスーツを着ないといけないと、スーツを探して家を動き回るケースもあります。
子どもの送り迎えの時間になると家を出歩くようになる人もいます。

毎日決まった時間に落ち着かなくなる人もいますが、突然過去の記憶を思い出して夜中に歩き回る人もおり、さまざまなケースがみられます。

これらの行動は、記憶障害によって自分の年齢や立場などといった現状を把握できなくなってしまうことが原因です。

せん妄によるもの

認知症になると、身の回りの人や物の名前や、自分が今どこにいるのかなどがわからなくなります。
その不安からせん妄と呼ばれる混乱状態に陥ることがあります。

せん妄になると、幻聴が聞こえたり幻覚が見えたりするようになるため、突然人が変わったように暴力を振るったり、暴言を吐いたり、支離滅裂な言動や行動を取ったりすることがあります。

せん妄の幻聴や幻覚で、徘徊の症状が出るケースもあります。
せん妄の症状が強く出ている間は、興奮状態にあり、家族や介護者の声や注意に耳を傾けられません。
無理に徘徊を止めようとすると暴力を振るう場合もあるので、外に出ないよう玄関を二重ロックにして、本人も介護する人も危険がない状態で見守りましょう。

せん妄は薬によって起こる場合もあります。
薬が変わったり、新しい薬が追加されたりするタイミングでせん妄と思われる症状が出始めたら、すぐに主治医に相談しましょう。

徘徊の対策・予防策

徘徊の対策・予防策
徘徊に対する対策や予防策を説明します。

適度な運動をする

昼間に適度な活動をすると、夜はぐっすりと眠れるようになり、夜の徘徊を予防できます。
日中にラジオ体操やお散歩、簡単な庭いじりや畑作業などで体を動かすようにしましょう。

できれば午前中の時間帯に外で活動ができると、眠くなるホルモンの分泌が抑えられ、昼間に眠たくなるのを避けられます。
午前中に外へ出られないときには、家のカーテンを開けて、太陽の光が家の中にしっかり入るようにするだけでも効果が期待できます。

過去に行っていた仕事をお願いして、活動を促すのも良いでしょう。
仕事をお願いすることで自己肯定感が高まり、認知症の悪化を防ぐことに繋がります。

付き添って一緒に歩く

かたくなに「外に出たい」と話す場合には、本人の中にはどうしても外出したい理由があるのかもしれません。その際には、希望に寄り添って、外出することも考えてみましょう。
しかし、事故や迷子の可能性があるので、一緒に付き添って外出することが前提となります。

外に出るという目的を果たせると、安心してすぐに家に帰り、落ち着いてぐっすりと寝てくれるケースもあります。

徘徊は危険性もあり、介護する人の心身の負担も大きいものですが、やみくもに制止してばかりだと、余計に外に出ようとすることがあります。

介護する人にとっては大変ですが、本人の気が済むようにさせてあげることも大切なことです。
もし時間が取れるようであれば、一緒に付き添って歩くのも徘徊対策となります。

デイサービスを利用する

家庭内での介護に限界が見えてきた際には、積極的にデイサービスを利用しましょう。
デイサービスでは高齢者にとって最適なレクリエーションが行われていますので、活動的に過ごせます。
リハビリを行うことで適度に体を動かせるので、夜はぐっすりと眠れるようになり、昼夜逆転を防げるでしょう。

本人にとってもレクリエーションやリハビリがよい刺激となり、家族以外とかかわれることによって充実感や満足感を得られます。

玄関を簡単に開けられないようにする

自分で鍵を開けて外へと出ないようにするために、玄関ドアの鍵が簡単に開かないように工夫しておきましょう。

鍵を二重ロックにしたり、手が届かないような場所に鍵を置いたり、隠しておくのもよいでしょう。
玄関にベルなど音が鳴るものを取り付けて、玄関が開いたらすぐに気づくような工夫をしておくのもおすすめです。

見守り介護用品を使用する

徘徊による事故や迷子を防ぐため、さまざまな見守用の福祉用具が開発されています。
いくつか紹介します。

お散歩コール


お散歩コール

つえやシルバーカーに取り付けておいた「お散歩タグ」を持って外に出ると、アラーム音でお知らせしてくれるグッズです。

スマートフォンとの連動で位置情報を教えてくれるオプションサービスもあります。
迷子になってしまった際、居場所を特定できるので、いざというときに非常に便利なサービスです。

徘徊わかーる6900

徘徊わかーる6900
高齢者が専用センサーマットを踏むと、アラームが鳴ってお知らせしてくれる商品です。
専用センサーマットをベッド下や部屋の出入り口、玄関に置いておくことで、徘徊による外出を未然に防げます。

徘徊を未然に防ぐための見守り用介護用品はレンタルが可能です。見守り介護用品の商品選びに迷ったら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

営業所は安心の365日体制。

お客様のご相談、ご要望にスピーディーに対応します。

ご相談はこちら

メールは365日24時間受付

電話アイコン 0120-203-001

受付時間 9:00~18:00 (土日祝年末年始を除く)

徘徊に対する自治体の支援

高齢者の徘徊に対して、積極的に支援している自治体もあります。
お住まいの自治体に、徘徊に対する支援サービスがあるかどうかを調べてみるのもよいでしょう。
ここでは2つの自治体の取り組み例を紹介します。

東京都墨田区の事例

徘徊によって所在が不明となってしまった高齢者を24時間体制で捜索するサービスです。
65歳以上の、在宅介護中で「要介護1」以上に認定されている認知症による徘徊行動がある高齢者が対象です。

GPSを活用したサービスとなり、月額800円の料金が発生します。
所得によって月額料金がかからないケースもありますので、墨田区にお住まいの方は区役所に相談してみましょう。

大阪府八尾市の事例

大阪府八尾市では、高齢者が行方不明となった際、市や警察、近隣市町村が連携して発見協力をする「徘徊高齢者SOSネットワーク」を用意しています。
家族の希望がある場合には、八尾市のコミュニティFMラジオ「FMちゃお」での情報提供の呼びかけも可能です。

事前に市へ高齢者の身体的特徴や写真などの情報を登録しておくことで、スムーズな発見へとつながります。
登録は無料で、登録者に対してはお守り型の迷子札や交通事故防止の反射ステッカーが配られます。

徘徊高齢者SOSネットワークではGPSでの居場所特定ができる有料プランもあります。

徘徊してしまったときの対応

どんなに注意していても、思わぬタイミングで外に出て徘徊してしまうこともあるものです。
徘徊してしまったら、どのように対応すればよいでしょうか。
ここでは2つの対応方法を紹介します。

警察に連絡する

外に出てしまったことに気づいたら、すぐに警察に連絡しましょう。
連絡するのが早ければ早いほど捜索範囲が狭くなり、早期の発見につながります。

時間が経過するにつれて、交通事故にあう可能性も高まります。
「すぐに戻ってくるかも」「自分たちで探せるかも」と思わず、徘徊に気づいたらすぐに警察に連絡することが大切です。

行動を否定しない

高齢者の徘徊には、本人にしかわからない理由があります。

高齢者の徘徊をむやみに否定したり、注意したりせず、時間があるときには事故や迷子に注意した上で、自由にさせてあげましょう。
強い言葉で否定をすると逆効果になります。

真夜中など、どうしても家族が付き添えない場合には、テレビやラジオ、お茶タイムなど違うことで気をそらさせましょう。

家族からすると徘徊は困った行動ですが、高齢者にとっては徘徊したい理由があることを理解して接することが大切です。

まとめ

認知症による徘徊は、介護する家族にとっては心身ともに負担が大きい行動です。
しかし徘徊は「困った行為」ではなく、過去の習慣からくる行動であったり、せん妄や環境に対する不安感からの行動であったりするので、高齢者としてはきちんと意味があって徘徊しています。

むやみに否定するのではなく、時間があるときには一緒に歩いたり、話を聞いたりするなど、高齢者の気持ちに寄り添った行動も大切です。
迷子や事故を防止するため、GPSやアラームを活用した見守りグッズや自治体の支援を利用するのもおすすめです。

家族の人も適切にストレスの解消を行いながら、高齢者を見守っていきましょう。

見守りグッズのことなどでお困りなら、まずはヤマシタにご相談ください。

営業所は安心の365日体制。

お客様のご相談、ご要望にスピーディーに対応します。

ご相談はこちら

メールは365日24時間受付

電話アイコン 0120-203-001

受付時間 9:00~18:00 (土日祝年末年始を除く)

記事ライター
記事ライター
ライター

川口 晴美

看護師 ・助産師

助産師、看護師として総合病院にて産婦人科や消化器内科、内視鏡室で勤務。 退職後は開業助産師として地域での子育て支援を中心に活動。WEBライターとしても活動し、医療や子育てに関する記事を多く手掛けている。


介護保険レンタルや
介護保険の申請方法など、
ご不安やご不明点がありましたら
お気軽にご相談ください。

お電話からのお問い合わせ

専門スタッフが対応します。
どんなことでもご相談ください

0120-203-001

月〜金 9:00-18:00(土日祝日はお休み)

お問い合わせフォームからはこちら

ご相談はもちろん、
カタログ請求にもご利用いただけます

お問い合わせフォームはこちら

お急ぎの場合はお電話よりお問い合わせください