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デイサービスとは?利用するメリットやサービスの料金・種類を解説
デイサービスは日中に通う(預かる)サービスを指します。
サービスの種類も、介護を要する高齢者を対象としたサービスや身体障害者を対象としたサービスなどさまざまです。
今回は、高齢者を対象としたデイサービスについての知識や利用するメリットやサービスの料金や種類までわかりやすく解説します。
デイサービスとは
デイサービスは通所介護のことを指します。
厚生労働省では、通所介護(デイサービス)の定義を以下のように定めています。
通所介護とは、利用者(要介護者)を老人デイサービスセンター等に通わせ、当該施設において、入浴・排せつ・食事等の介護、生活等に関する相談及び助言・健康状態の確認その他日常生活上の世話、機能訓練を行うものをいう。
引用:厚生労働省「通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護」
デイサービスは、要介護状態になった場合も住み慣れた自宅でできる限り生活するために、なくてはならない大切な介護サービスです。
サービス内容には、食事・入浴・排せつなどの介護をはじめ、健康管理や、日常生活の動作訓練、レクリエーションなどがあります。
デイサービスを利用するメリット
デイサービスを利用するメリットは主に以下の3つがあります。
- 健康状態の維持・改善
- 家族の介護負担減少
- メンタル維持に効果的
それぞれについて解説をしていきます。
健康状態の維持・改善
デイサービスでは、機能訓練指導員(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師など)による個別機能訓練や集団体操、手作業、レクリエーションなどさまざまな取り組みがあります。
運動の機会が増えるため全身筋力および動作能力が向上することが期待できます。
また、手作業やレクリエーションなどにより認知機能の予防にもつとめることができるため、結果的に健康状態の維持・改善にもつながるとされています。
家族の介護負担減少
デイサービスの目的の一つに、「利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図るもの」という項目があります。
デイサービスに通うことにより、普段から在宅介護をしている家族がリフレッシュすることができます。
介護疲れや介護鬱(うつ)など、常日頃から介護をしている家族に生じてしまうリスクを回避することもデイサービスを利用するメリットの一つと言えます。
メンタル維持に効果的
デイサービスを利用することにより、生活リズムが整い、規則正しい生活を送ることができます。
生活にメリハリがつくことによって、睡眠時間を確保できたり、適度な運動ができたりすることで、精神的にも安定します。
また、他者とのコミュニケーションを通して、ストレス解消や脳の活性化など良い循環が生まれるでしょう。
デイサービスを使える条件
デイサービスを利用することができる条件は、40歳以上で要介護認定の申請をして、要介護1〜5の認定を受けた人のみです。
ただし、介護予防認知症対応型通所介護という種類のデイサービスに限っては、要支援1・2の方も利用することができます。
要支援1・2の方や介護予防・生活支援サービス事業の対象者は総合事業として通所型サービスに通うことになります。
総合事業も同じデイサービスで実施していることが多いため、混乱してしまうかもしれませんが、制度上の通所介護(デイサービス)は要介護1〜5の者のみ利用可能です。
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デイサービスの利用料金
デイサービスの利用料金について解説していきます。
デイサービスの利用料金は、次のように介護報酬と実費負担分を合算したものになります。
- 介護報酬「基本報酬」+「加算・減算」
- 実費負担分
なお、介護報酬とは、業者が利用者(要介護者又は要支援者)に介護サービスを提供した場合に、その対価として事業者に対して支払われる報酬のことをいいます。
引用:厚生労働省「介護報酬の仕組みについて」
それぞれについて説明していきます。
「基本報酬」と「加算・減算」がある
デイサービスの介護報酬の利用料金は「基本報酬」+「加算・減算」で構成されています。
基本報酬は、デイサービスの規模と要介護度と利用時間帯別に異なります。
それぞれ以下のとおりで料金が変動します。
【デイサービスの規模】
安い大規模型<通常規模型高い
【要介護度】
安い要介護1<要介護5高い
【利用時間】
安い短い(2時間以上3時間未満)<長い(8時間以上9時間未満)高い
また、事業所や利用者によってそれぞれ加算や減算があります。
【加算や減算の例】
- 延長加算
- 入浴介助加算
- 個別機能訓練加算
- ADL維持等加算
- 認知症加算
- サービス提供体制加算
- 送迎減算
このように介護報酬は「基本報酬」+「加算・減算」でデイサービスの利用料金は設定されています。
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介護保険適用外の実費負担の料金もある
デイサービスを利用する際に、介護保険適用外でかかる実費負担の料金もあります。
例えば下記のようなものがあります。
【実費負担になるもの】
- 食事代
- おやつ代
- タオル代
- シャンプー代
- 娯楽費
- おむつ代
これらの料金は、デイサービスによって料金設定が異なり、使ったものや頼んだものに対して実費負担をすることになります。
詳しくはデイサービス初回利用時に交わす契約の重要事項説明書を確認してください。
デイサービスの種類
デイサービスの種類は制度上、以下のように分類されます。
1)一般型
ⅰ)地域密着型
ⅱ)通常規模型
ⅲ)大規模型(Ⅰ)
ⅳ)大規模型(Ⅱ)
2)認知症対応型通所介護
3)療養通所介護
ここではデイサービスの制度上の分類について説明します。
一般型
ほとんどの通所介護は一般型の通所介護(デイサービス)となり、健康チェックや基本的な生活サポートを行います。
その中でも制度上は以下の4つに分類されます。
ⅰ)地域密着型・・・利用定員18名以下
ⅱ)通常規模型・・・延べ利用者数が月300超~750人以下
ⅲ)大規模型(Ⅰ)・・・延べ利用者数が月751〜900人以内
ⅳ)大規模型(Ⅱ)・・・延べ利用者数が月901人以上
まず、利用定員18名以下の場合は地域密着型通所介護に分類されます。
地域密着型サービスの場合は、その市町村の住民だけが利用することができます。
それ以外は月の延べ利用者数で分けられます。
原則、利用者数が増えると利用料金が下がるシステムになっています。
認知症対応型通所介護
認知症対応型通所介護は、認知症(急性を除く)高齢者の方に対応しているサービスです。
必要な日常生活上の世話や能訓練を行い、利用者の心身の機能の維持並びにその家族の身体的及び精神的負担の軽減を図ることを目的としています。
ほかにも以下のような特徴があります。
- 利用定員が12名以下
- 管理者は、厚生労働大臣が定める研修を修了している者
- 要支援1や2も利用することが可能
療養通所介護
療養通所介護は、難病などを有する重度要介護者またはがん末期の方など、医療ケアが必要な方を対象にしているサービスです。
療養通所介護計画に基づき、入浴・排せつ・食事などの介護や、その他の日常生活上の世話および機能訓練を行います。
ほかにも以下のような特徴があります。
- 管理者が常勤の看護師
- 利用定員が18名以下
- 全国に100事業所以下(事業所数が0の都道府県も多い)
デイサービスの特色
デイサービスにはそれぞれ特色があります。
特色は制度上の決まりはないため、事業所が独自に作っているものとなります。
最近ではさまざまな特色があり、各デイサービスが差別化を図っています。
特色の例は以下のとおりです。
- 短時間利用・・・2〜3時間や半日利用などでご飯や入浴がない利用方法
- リハビリ特化型・・・機能訓練をメインに実施する、リハビリ専門職が在籍
- 趣味やレクリエーションが豊富・・・畑や音楽、作業などが充実
- 365日対応型 ・・・土日も祝日も営業している
デイケアとの違い
デイサービスとデイケアの違いについて説明します。
さまざまな違いがありますが、主な違いを説明します。
デイサービス | デイケア | |
---|---|---|
正式名称 | 通所介護 | 通所リハビリテーション |
提供施設 | ― | 病院、診療所 介護老人保健施設 介護医療院 |
医師の配置 | ― | 専任の常勤医師1名以上 |
リハビリ職員 | 機能訓練指導員 | 原則、リハビリ専門職が在籍 |
目的 | 利用者の社会的孤立感の解消、心身の機能の維持、利用者家族の身体的及び精神的負担の軽減を図るもの | 利用者の心身機能の維持回復を図ること |
運動 | 機能訓練 | リハビリテーション |
出典:厚生労働省「通所リハビリテーション」
最近では、デイサービスにもリハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が在籍している場合が多いですが、人員基準的にはデイサービスは必須ではないため、リハビリ専門職がいない場合もあります。
またデイケアの特徴として、提供施設に必ず医師がいることがあります。
デイケアで実施されることはすべて医師の指示に基づいた内容のため、運動においてはリハビリテーションという扱いとなります。一方で、デイサービスにおける運動は医師の指示が不要であるため、機能訓練と呼び、介護保険制度上の位置付けではリハビリテーションとは呼びません。
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デイサービスを利用したほうが良いケース
自宅で生活している高齢者が利用できる介護サービスは訪問看護や訪問介護、訪問リハビリ、ショートステイなどさまざまなものがあります。
その中でもデイサービスを利用したほうが良いケースを紹介します。
日常生活を送るのが難しい場合
何かしらの原因により身体機能が低下することで要介護状態になってしまいます。
要介護状態になると、さまざまなことができなくなります。
例を挙げると以下のとおりです。
例)
- 入浴ができない
- 食事ができない
- トイレ動作(排せつ)ができない
- 移動(歩行)ができない
できないことの一部をデイサービスで補うことで在宅生活を続けられる可能性があります。自宅でできる限り長く生活するために、生活の一部をデイサービスで過ごすという選択も良いでしょう。
外に出る機会がない場合
高齢になると身体機能も低下したり、外出する予定がなくなったり、自宅にこもりがちな生活になってしまうことがあります。
自宅にこもりがちな生活になると、他者との交流機会も少なくなります。
外部刺激や他者とのコミュニケーションが不足すると、認知機能の低下にもつながります。
また、定期的に通うことによって、生活リズムも整うので、閉じこもりがちな生活をしている人にもデイサービスの利用はおすすめです。
家族の負担を減らしたい場合
自宅で介護をしていると、介護者である家族が体力的にも精神的にも大変に感じてしまうことがあります。
負担が大きくなると介護疲れや介護鬱(うつ)などの症状も生じてしまうため、その前に介護者である家族を休めるためにデイサービスに通ってもらい、リフレッシュするということも大切です。
まとめ
今回は、デイサービスの概要や利用するメリット、サービスの料金や種類を解説しました。
デイサービスといっても、機能や料金、特色などはさまざまです。
自宅で介護をしていて「閉じこもりがちだから家族をデイサービスに通わせたい」「少し大変になってきたから介護を休憩したい」「もう少し元気になって欲しいからデイサービスに通ってもらいたい」と感じた場合は、担当のケアマネジャーやお近くの地域包括支援センターに相談してみてください。
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杉浦 良介
理学療法士
通所リハビリ・訪問看護・回復期病棟・訪問リハビリでの経験のある理学療法士。YouTube「訪問リハビリ・訪問看護の情報サイト」、訪問リハブログ「訪問リハビリ・訪問看護情報サイト」、訪問看護ブログ「ビジケア訪問看護経営マガジン」で介護保険制度や訪問リハ、訪問看護などの情報発信をしている。著書に『リハコネ式!訪問リハのためのルールブック【第二版】』がある。