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介護用のベッド柵とは?選ぶ上でのポイントやおすすめ商品をご紹介!
介護用のベッド柵の種類はたくさんあるので、どのようなタイプを選んだらいいのかわからないと悩んでいませんか?
介護用ベッド柵は長さや形などさまざまな商品があり、どのような目的で使うのかによって種類を選ぶことが大切です。
この記事では、介護用のベッド柵を選ぶ上でのポイントやおすすめ商品をご紹介いたします。
介護用のベッド柵とは
介護用のベッド柵はサイドレールとも呼ばれ、介護を受ける方の日常生活の自立を助ける福祉用具の一つです。
ベッド柵を取り付けることで、介護を受ける方がベッドから落ちたり、掛け布団やマットレスなどの寝具が落ちたりすることを防ぎます。
また、介護用のベッド柵に固定してつかまり体重をかけられるタイプもあるので、ベッド柵につかまることで寝返りや起き上がり、車椅子への移乗を楽にできるのです。
介護用のベッド柵は介護用ベッドと同じように、要介護度によって介護保険を使ってレンタルできる可能性があります。
介護用のベッド柵の使い方
一般的なベッド柵は、差し込むだけでサイドフレーム(ベッドのフレームの側面)に取り付けられます。
商品によっては、固定レバーを回してベッドに固定することで簡単に抜けなくなるタイプもあり、手すりの代わりにもなります。
ベッド柵の使い方としては、サイドフレームの中央で、足側よりも頭側のベッドの両サイドにベッド柵を各1点、合計2点設置する場合が多くみられます。
介護を受ける方の起き上がりやすさや介護をする方の使いやすさ、ベッドの位置や車椅子への動線などを考えて、取り付け位置を決めましょう。
事故防止のためには、ベッド柵とベッドの間に隙間ができないタイプを選びましょう。
隙間への挟み込みの事故を予防するための商品として、ベッド柵用のカバーなども販売されています。
また、適応機種が複数あるベッド柵もありますが、介護用ベッドのメーカー専用のベッド柵として商品化されている商品も多くあります。
介護ベッドについての詳細は以下の記事もご参照ください。
介護ベッドはレンタルと購入どっちがおすすめ?
家庭で使われる介護用ベッド柵の種類
家庭で使う介護用ベッドに設置できるベッド柵には、寝具のずれ落ちや介護を受ける方の落下を防ぐ「サイドレール」と、動作をサポートする「介助バー」の2種類があります。
それぞれ特徴があり、商品によって高さや長さ、機能が異なります。
介護を受ける方の体の状態から、使用目的を考えて、適切な種類を選びましょう。
1.サイドレール
在宅で使われるサイドレールは、主に取り外し可能な「差し込み式」のタイプになります。
サイドレールは、掛け布団やマットレスなど寝具のずれ落ちや、介護を受ける方の落下を防止する目的で使われます。
取り付ける位置や個数を必要に応じて調整できるメリットもあります。
デメリットとしては、サイドレールに体重を乗せるとガタガタしやすく、体を支えることはできないので、立ち上がりや車椅子へ移乗するときに手すりとして使うことはできません。
また、サイドレールがあると腰掛ける位置は足元寄りになりやすく、その位置からベッドに寝転ぶと体が足側に寄ってしまう場合があります。
寝る位置を頭側に修正するために体を上げる介助は、介護をする方の体への負担が大きくなってしまいます。
サイドレールには長さなどサイズの違うものが複数あるので、身長に合わせたサイズを選びましょう。
身長に合わせたサイズを選べれば、寝る位置を合わせやすく、介助負担も軽減できます。
2.介助バー
介助バーには、主に「回転式アーム介助バー」「サイドレールと介助バーの一体型」「床置き式介助バー」の3タイプがあります。
介助バーはベッドに固定したり、床に置いたりすることで安定しているので、ベッドからの起き上がりや立ち上がり、車椅子への移乗のときに体を支えられます。
介護を受ける方は介助バーを持つことで自分の力で立ち上がりやすくなり、介護をする方も楽に介助ができるメリットがあるのです。
角度調節が可能な回転式アーム介助バーであれば、体の状況にあわせて手すりの角度が変えられるので、車椅子への移乗がしやすくなります。
角度調整には固定(ロック)機能がついておりますので、転倒防止のため必ず確認して使用しましょう。
ヤマシタでも介助バーのレンタルを取り扱っております。
ベッドの柵を選ぶ上でのポイント
介護用のベッド柵を安全に使用するためには、選ぶ上でのポイントがあります。
「適切なサイズを選ぶ」「使用目的にあったものを選ぶ」「安全性が高いものを選ぶ」という3つのポイントを解説いたします。
1. 適切なサイズを選ぶ
ベッド柵は商品によって長さや高さが異なります。
長めの柵であれば落下防止には効果的ですが、足をおろしてベッドに腰掛けようとするときや車椅子への移乗動作のときに、ベッド柵が邪魔になる場合があります。
たとえば、ベッド柵が長いとベッドに座る位置は足元寄りになるでしょう。
足元寄りに座った位置から寝転ぶと、寝る位置が足側に寄ってしまい、その姿勢でベッドを上げると、お尻が前滑りしてずっこけてしまう仙骨座りになってしまうのです。
また、介護をする方は前かがみの姿勢で寝る位置を上に移動しなければならず、腰に大きな負担がかかってしまいます。
このようなことから、ベッド全長の3分の1から2分の1程度の長さのベッド柵を選ぶと良いでしょう。
また、介護用ベッドの専用ベッド柵として商品化されている商品も多くあります。お手持ちの介護用ベッドに適合する製品を選びましょう。
2. 使用目的にあったものを選ぶ
事故へとつながらないようにするためには、ベッド柵を使う目的にあわせて選ぶことが大切です。
サイドレールは下から持ち上げる構造になっていないので、下から持ち上げる動作をするとサイドレールが外れるなどの事故につながってしまいます。
サイドレールは寝具のずれ落ちや介護を受ける方の落下を防止する目的の場合に使い、手すりとして使用しないようにしましょう。
起き上がりや車椅子への移乗動作に手すりが欲しい場合は、介助バーやサイドグリップを選びましょう。
3. 安全性が高いものを選ぶ
サイドレールや介助バーとベッドの隙間や、手すりの隙間などがあると、隙間に腕などが挟まれる事故が起きてしまう場合もあります。
福祉用具製品には一定の品質や性能を確保していることを示す「JIS規格」を満たす製品があります。
ベッド用グリップの隙間テストで1万回をクリアするなど、福祉用具の安全に関する規格を定めているので安全です。
事故を防止するためにも、JIS認証を取得している安全性の高い介護用ベッド柵を選びましょう。
介護用ベッド柵の事故に要注意!
ベッドや手すりの組み合わせによってできる隙間が原因で、介護用ベッド柵と手すりとの間に頭や首、手足が入り込んで挟まる事故が多発しています。
消費者庁の事故情報データバンクには、平成 27 年1月から令和2年7月末までの約5年間に、介護用ベッドの手すりなどに関する事故が 36 件寄せられました。
出典:公益社団法人全国老人保健施設協会「介護ベッドに関する注意喚起について」
介護用ベッドの手すりなどとベッドの間に腕など身体の一部が挟まる事故がもっとも多く、次に介護用ベッドの手すりの隙間に腕が挟まって負傷した事故などが多く報告されました。
さらに、介護用ベッド柵と手すりとの間に首が挟まれて亡くなる事故が毎年発生しており、国が注意を呼び掛けています。
死亡事故にもつながるので、介護用ベッド柵とベッドなどの隙間に挟まれないように注意しましょう。
ベッドと柵の組み合わせが不安な場合は相談しましょう。
レンタルの場合は福祉用具専門相談員に、購入の場合は専門のスタッフにお問い合わせください。
営業所は安心の365日体制。
お客様のご相談、ご要望にスピーディーに対応します。
メールは365日24時間受付
受付時間 9:00~18:00 (土日祝年末年始を除く)
出典:消費者庁「令和2年9月16 日News Release」
介護用のベッド柵はレンタルできる!
介護用のベッド柵は、介護保険を使用してレンタル可能な「特殊寝台付属品」の一つです。
介護用のベッド柵をレンタルできる条件や費用について解説いたします。
介護用ベッド柵がレンタルできる条件
介護用ベッド柵は介護保険の対象であり、レンタル可能な福祉用具です。
介護保険を利用して介護用ベッド柵をレンタルには、原則として介護を受ける方が要介護2~5であることが条件です。
ただし、例外的にベッド柵の必要性が認められれば、介護保険を利用してレンタルが可能になる場合があります。
たとえば、パーキンソン病の治療薬による変動があるなどの医学的判断によって対象となり得ます。
まずはケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談しましょう。
出典:川崎市「軽度者への福祉用具の例外給付について」
介護用ベッド柵をレンタルするのにかかる費用
介護保険を使ってレンタルする場合は、1カ月のレンタル料金を支払うことで介護用ベッド柵が使えます。
レンタルの費用は、サイドレールよりも機能が多くついている介助バーのほうが高額になる傾向にあります。
サイドレールは300円から500円ほど、介助バーは1000円から2000円ほどが目安です。(全国平均貸与価格の相場(月額))
自己負担の割合は介護を受ける方の収入によって異なりますが、1カ月のレンタル料金の1~3割の自己負担額を払うことでレンタルできます。
参考:公益財団法人テクノエイド協会「福祉用具情報システム」
ヤマシタでも介護用ベッド柵のレンタルについてご相談を受け付けています。お気軽にお問い合わせください。
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介護用のベッド柵のおすすめ商品5選
種類や機能が豊富な介護用ベッド柵の中から、どのタイプのベッド柵を選べばよいのか悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。
介護保険を利用できる介護用ベッド柵のおすすめ商品をご紹介いたします。
なお選ぶ際は、お手持ちの介護用ベッドに適合するベッド柵であるかをしっかり確認してください。
サイドレールのおすすめ①ベッドサイドレール (パラマウントベッド用)
ベッドのサイドレール受けに差し込むタイプで、使用者が転落したり、寝具がずれ落ちたりしないように予防できます。
差し込みタイプのサイドレールは抜き差ししやすいので、サイドレールを取り外して、寝返り、起き上がりのときに介助が必要な方が、リクライニング車椅子などに移動する場合に使いやすいタイプです。
サイドレールのおすすめ②サイドグリップ (パラマウントベッド用)
ベッドのフレームにしっかりと固定できるので、体重をかけても安心して使用できます。
ベッドの角度をあげたときにつかまりやすい少しコンパクトなサイズで、ベッドの角度をあげた姿勢から身体を回して適切な位置に座りやすくなります。
グリップのさまざまな場所をつかめるので、以下のようなベッドまわりの動作をサポートできます。
・寝返り
・立ちあがり
・移乗 など
開放部が大きいのでベッドからの視界が広く、取り付け・取り外しは固定ハンドルを回すだけで素早く簡単にできます。
サイドレールのおすすめ③ハンドグリップ (プラッツ用)
ベッドのサイドレール受けに差し込み、しっかりと固定できるため、安心して使えるベッド用の手すりです。
2つの固定レバーを回してロックをかけることでベッドにしっかりと固定されるため、寝返りや起き上がりをするときに、安心してつかめます。
プラッツ社製ベッドの専用品です。
介助バーのおすすめ①スイングアーム介助バー (パラマウントベッド用)
アームの角度が0~120度で5段階に調整できる機能がついた開閉式スイングアームのベッド用手すりです。
スイングアームを閉じれば、睡眠時にベッドからの転落や寝具の落下を予防しやすくなります。
スイングアームを開ければ、介護を受ける方はつかまりやすい形状の手すりをつかめるので、ベッドの横などに足を下ろして座った姿勢の保持や立ちあがり動作をより安全にサポートしてくれるでしょう。
開放部が大きく、視界が広いデザインで、ワンタッチで取り付け・取り外しが簡単にできます。
誤操作を予防するため、セーフティロックがついていますので安心です。
介助バーのおすすめ②ニーパロL (プラッツ用)
開閉式スイングアームは22.5度ごとに固定でき、オレンジ色のパッドを膝あてとして使うことで、膝折れを防ぎながらベッドまわりの動作をより安全にサポートします。
たとえば、膝あてで端座位でのずれ落ちを防止したり、立ち上がりや移乗動作のときに膝折れを予防したりすることで、介護を受ける方も介護をする方も楽になります。
また、以下の方法で工具などを使わずに簡単に取り付けられる点もおすすめのポイントです。
1 ベッド用グリップの固定脚部をサイドレール受けに差し込む
2 2つの固定レバーをまわす
まとめ
介護保険でレンタル可能な介護用ベッド柵を目的にあわせて使うことで、転落事故などを防止しつつ、起き上がりや車椅子への移乗動作をサポートして身体機能を維持できます。
ベッドや手すりの組合わせによってできる隙間が原因で体の一部が挟まる事故を防ぐためにも、JIS規格を満たした安全性の高いものを選びましょう。
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中川恵子
介護ライター
理学療法士の免許取得後、大学病院、個人病院、老人保健施設、有料老人ホームなどに勤務し、現在は、訪問リハビリテーションに従事しながら、理学療法士の資格を持つ医療・介護・健康専門ライター・講師として活動。
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