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介護用シャワーチェアって何?選び方とおすすめを紹介
親の介護が始まり、これまで使用していた一般的な風呂椅子では立ち上がりが難しい、と感じることはありませんか。
そのような悩みを解決してくれるのが、介護用シャワーチェアです。
介護用シャワーチェアはホームセンターでも購入できますが、製品によって機能や特徴が異なるため、どの商品を選べばよいか悩む方もいるでしょう。
この記事では、介護用のシャワーチェアの種類や選び方のポイントを解説し、おすすめ商品を紹介します。
適切なシャワーチェアを選ぶことで、本人だけでなく、介護の負担も軽減できます。入浴時でも安心できる浴室環境の参考にしてください。
介護用シャワーチェアとは
介護用シャワーチェアとは、座る・立つ動作が不安定になってきた人が、安全に楽に入浴できるようにサポートしてくれる風呂用椅子です。
介護用シャワーチェアは、介護保険を利用して購入することも可能です。
一般的な浴室用椅子と比べて座面が高く、立ち上がりやすい脚の高さに調整できます。足腰が弱ってきた方でも無理なく立ち上がれるため、介護者の身体的な負担も軽減できるでしょう。
シャワーチェアの脚ゴムは十分な幅と重さがあるため安定感があり、床滑りしにくい設計です。
商品によっては、座面や背もたれにやわらかくて滑りにくいクッション素材を使用しているタイプもあり、臀部の負担やずれ落ち防止にも配慮されています。
介護用シャワーチェアの種類
介護用シャワーチェアにはさまざまな種類があり、使う方の身体の状態に合ったものを選ぶことが大切です。
ここでは、「座面のみ」「背もたれ付き」「肘掛け付き」の3つの種類を解説します。
①座面のみ
背もたれがない座面のみの介護用シャワーチェアは、自分で座っている姿勢を保てる方におすすめです。
洗髪や洗体の際でもふらつかず、座位を維持できる方に向いています。
座面に持ち手が付いているタイプなら、立ちあがりや座った姿勢を保つときに便利です。
背もたれがない分軽量で場所を取らないため、掃除や移動をしやすいメリットがあります。
②背もたれ付き
お腹や腰周りの筋力が低下し、座る姿勢が崩れやすい方に、背もたれ付きの介護用シャワーチェアがおすすめです。
はじめはよい姿勢を保っていても、洗髪や洗体しているうちに身体が傾く場合があります。
背もたれがあれば、疲れて姿勢が崩れたときも背もたれに寄りかかって休むことができます。
背もたれの形状は、背もたれが高めで背中にフィットするタイプと、背もたれが低めで腰を支えるタイプの2種類があります。
背もたれが低いシャワーチェアは、円背の方でも深く座りやすくおすすめの種類です。
③背もたれ・肘掛け付き
身体のバランスが不安定で身体が前や左右に傾く方は、背もたれと肘掛けの両方が付いたシャワーチェアがおすすめです。
肘掛けをにぎれば前や左右への傾きを抑えられ、姿勢が安定します。肘掛けを持って立ち上がることもできるので、立ち上がりに介助が必要な方に向いています。
肘掛けには「固定タイプ」と肘掛けを上にあげられる「はね上げタイプ」があります。
はね上げタイプは椅子から浴槽まで立ち上がらなくても移動がしやすく、介護負担も減らせます。
身体を洗うときに肘掛けを上げておくことで、動作の邪魔にならず、より使いやすくなるでしょう。
介護用シャワーチェアの選び方
足元が滑りやすい入浴介助は、介助される人もする人も安全に使用できるシャワーチェアを選びましょう。
安全に入浴するためには、介助環境なども考慮することが大切です。
ここでは、介護用シャワーチェアの選び方について解説します。
①滑りにくく安定感があるもの
介護用シャワーチェアは、軽量なタイプもありますが、軽すぎると使用中不安定になります。軽量なシャワーチェアは持ち運びがしやすい利点はあるものの、ある程度の重さがある方が倒れません。
シャワーチェアを選ぶ際は床と接する脚ゴムにも注目しましょう。グリップ部分が広く、しっかり床面をとらえる構造なら滑りにくく、入浴中の転倒リスクを抑えられます。
②背もたれ・ひじ掛けがついているか
介護が必要な方は下半身だけではなく、お腹や腰回りの筋肉も低下している場合があります。座位を保てているように見えても、洗髪や洗体の途中で疲れて姿勢が崩れてきます。
高齢者は体調に変化が起きやすいため、いつも安定した座位を保てるとは限りません。
背もたれがあれば後方への転倒を防ぎ、肘掛けは左右へのずれ落ちを防ぎます。介助が必要な方は、背もたれと肘掛けつきのシャワーチェアを選びましょう。
③安全を確保しやすいもの
介護用シャワーチェアを選ぶときは、浴室の広さとドアの開き方も考慮しましょう。
浴室に介護用シャワーチェアを置いたあとも、利用者と介護者が安全に移動できるスペース(人がひとり通れる幅)が必要です。スペースが狭いと動作しにくくなり、転倒するリスクが高まります。
介護するときは、シャワーチェアはコンパクトな方が介助しやすいといえます。
浴室が狭く、ドアが内開きの場合は、場所を取らない折りたたみ式シャワーチェアがおすすめです。
介護用シャワーチェアのレンタルに介護保険は利用できない
福祉用具は、利用者の身体の状態の変化に応じて適切な用具を選べるよう、レンタルが原則とされています。
ただし、介護用シャワーチェアはレンタル対象外のため、購入する必要があります。
介護用シャワーチェアは直接肌が触れるものであるため、衛生面の観点から複数人での共用はふさわしくないとされているからです。
同様の理由で、特殊尿器の交換部品や介助用リフトの吊り具なども、介護保険を利用したレンタルはできません。
介護用シャワーチェアは購入の際に介護保険が使える
介護用シャワーチェアは、介護保険で購入できる「特定福祉用具」のひとつです。
福祉用具のなかでも直接肌に触れるものなど、衛生面からレンタルに向かないものは「特定福祉用具」として、介護保険を利用して購入することができます。
特定福祉用具に当てはまる場合、介護保険の自己負担のみで購入することが可能です。
介護用シャワーチェアの価格の目安
介護用シャワーチェアの価格は、1万円~3万円が相場です。
特定福祉用具を購入できる金額の上限は、1年間(4月から翌3月まで)で10万円です。
介護保険を利用して購入する場合は、いったん利用者が全額を支払い、その後に市区町村へ申請することで、自己負担額を除いた金額が払い戻しされます。
自己負担の割合は利用者の所得によって異なり、通常は1割負担です。ただし、所得に応じて2割または3割負担となります。
たとえば、2万円の介護用シャワーチェアを購入した場合、1割負担の方であれば、2000円が自己負担額となり、18000円が介護保険から給付されます。
2割負担の方では4000円、3割負担の方は6000円が自己負担額となります。
介護用シャワーチェアはどこで買える?
介護用シャワーチェアは、福祉用具の販売事業所のほか、ホームセンターやインターネットで購入できます。
ただし、ホームセンターやインターネットで購入した場合は、介護保険の対象外です。
介護保険を利用して購入する場合は、特定福祉用具販売の指定を受けている事業者から購入する必要があります。
関連記事:介護用品はどこで買える?購入場所とレンタルについて解説
ヤマシタは特定福祉用具販売の指定を受けており、介護保険を使って介護用シャワーチェアを購入できます。ご相談ください。
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介護用シャワーチェアのおすすめ商品
介護用シャワーチェアは豊富な種類がそろっており、どのタイプの介護用シャワーチェアを選べば良いかわからない方もいるでしょう。
ここでは、介護が必要な人におすすめの介護用シャワーチェアを紹介します。
シャワーチェア[ユクリアAir]ミドルSPワンタッチ
「ユクリアAir」は、本体の重量が3.5kgと軽量で、持ち運びやすい点が特徴です。使用しないときは折りたため、厚みは約13cmとコンパクトです。
背もたれ・肘掛け付きなので、座位が保てない人や立ち座りに介助が必要な人におすすめです。
肘掛けは上げ下げ可能で身体を洗いやすく、背中をやわらかく包み込む背もたれは、身体を洗うときの背中の動きにも合わせてしっかりとサポートします。
防かび・防汚加工でお手入れが簡単です。
サイズ | 幅45.5×奥行43~53×高さ64.5~74.5cm |
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折りたたみサイズ | 幅45.5×奥行13×高さ83.5~94.5cm |
座面サイズ | 幅36.5×奥行30.5×高さ36~46cm |
重量 | 3.5kg |
カラー | オレンジ、ブルー、モカブラウン |
価格(税込) | ・介護保険利用時 負担額:3,773円 ・販売価格:37,730円 |
折りたたみシャワーベンチFS
「折りたたみシャワーベンチFS」は、座面後方の持ち手を上に引き上げるだけの簡単操作で、片手ですばやく折りたたみができる介護用シャワーチェアです。
シャワーベンチを折りたたむと、たたんだ状態でも自立し、浴室を広く使用できます。コンパクトで浴室内を移動しやすく、すぐ次の介助動作へ移りやすい点が特徴です。
また、浴室や脱衣所はスペースに余裕がない場合も多いでしょう。厚さ15cmに折りたためるため、わずかな隙間でも収納できます。
サイズ | 幅51×長さ40~48×高さ67~77cm |
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折りたたみサイズ | 幅45×長さ33×高さ67~77cm |
重量 | 4kg |
カラー | レッド・ブルー・グリーン |
価格(税込) | ・介護保険利用時 負担額:3,850円 ・販売価格:38,500円 |
コンパクト折りたたみシャワーベンチIC 骨盤サポート
低めの背もたれで、背骨が出っ張っている円背の方の骨盤をしっかり支えるタイプの介護用シャワーチェアです。
背骨の凸部分が背もたれに当たらないため、深く腰をかけて楽に座れます。座面と背部にはソフトパッドが付いており、着座時の痛みや冷たさを和らげられます。
片手ですばやく折りたため、折りたたんだ状態で自立させることも可能です。コンパクトに折りたためるため、狭い浴室でも動作しやすい点が特徴です。
サイズ | 幅41×長さ40~47×高さ43~53cm |
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折りたたみサイズ | 幅36×長さ31×高さ43~53cm |
重量 | 3kg |
カラー | レッド・ブルー・グリーン |
価格(税込) | ・介護保険利用時 負担額:3,190円 ・販売価格:31,900円 |
シャワーチェア[ユクリア]ミドルSP回転おりたたみN
座面の下にある白いバーを押しながら、身体を向けたい方向に動かすことで、座ったままでも座面を360度回転できるシャワーチェアです。
身体を洗いやすい向きに調整しやすく、跳ね上げ式の肘掛けは体を支えられるため身体を洗いやすく、浴槽への移動が楽になります。
立ち上がりや移動の際にバランスを崩しやすい、片麻痺の方やパーキンソン病の方などにおすすめです。
介助される人の身体の正面から立ち座りの介助ができるため、無理な姿勢にならず介助負担の軽減にも役立ちます。EVA クッションを使用しており、肌あたりがやさしい点も特徴です。
サイズ | 幅48.5~52×長さ48.5~57×高さ63~73cm |
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折りたたみサイズ | 幅41.5×長さ31.5×高さ63~73cm |
重量 | 6.4kg |
カラー | オレンジ・ブルー・モカブラウン |
価格(税込) | ・介護保険利用時 負担額:4,433円 ・販売価格:44,330円 |
ご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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受付時間 9:00~18:00
まとめ
介護用シャワーチェアは、ホームセンターやインターネットでも購入できますが、介護保険を利用して購入できません。
介護保険を利用したい場合は、特定福祉用具販売の指定を受けた事業者を通じて、利用者の身体の状態と浴室環境に合った介護用シャワーチェアを購入しましょう。