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車椅子の名称と役割とは?種類と特徴・対象者も解説!
「車椅子にはいろいろな名称があって複雑なので、わかりやすく説明してほしい」
「自分に合った車椅子を選びたい」
以上のような悩みがある方に向けた記事です。
車椅子と聞くと、移動するための役割しかないと思う方もいるでしょう。
しかし、車椅子には快適に座ったり、安全に乗り移ったりするための機能も備わっています。
そこで本記事では、車椅子の各部位における名称と役割をわかりやすく解説します。
あわせて、さまざまな種類の車椅子について特徴や対象者も解説します。
本記事を読むことで、ご自身に合った車椅子が選べ、安全で快適にお使いいただけるようになるでしょう。
車椅子の名称と役割
車椅子にはさまざまな部位があり、それぞれ名称と役割があります。
以下の表では、車椅子の名称とその役割を一覧にしました。
名称 | 役割 |
---|---|
1. 手押しハンドル | 介護者が車椅子を移動するときに押して操作する ハンドル下部には、制動用ブレーキがついている |
2. 制動用ブレーキ | 介護者が自転車のブレーキのように握って操作する 一時停止したいときや、坂道で減速したいときに使用する |
3. 駐車用ブレーキ | レバーを倒してタイヤ(駆動輪/主輪)に当てて止める レバーは前に倒すものと後ろに倒すものがある ブレーキの強さを段階的に調整できるものもある |
4. 駆動輪/主輪 | 自走型では、利用者がハンドリムとよばれる部分を自身で回転させ、移動する 介助型は自走型よりも径が小さく設計されている 径が大きいほど駆動力が大きくなるが、小回りが利きにくくなる 空気を入れるエアタイヤと、空気のいらないノーパンクタイヤがある エアタイヤは、パンクの可能性があったりメンテナンスの手間がかかったりするが、クッション性が高いため心地よく乗れる ノーパンクタイヤは、空気がいらないためパンクの心配はないが、ややかたい乗り心地になる |
5. ティッピングレバー | 段差を乗り越えるときに介護者が踏む 踏み込んで車椅子後方へ体重をかけると、キャスタが浮く あまり強く踏み込むと後ろへ大きく傾くため、車椅子の転倒に注意 |
6. シート | 利用者が腰かける部分 座面の幅や奥行きを調整できるタイプもある 後方よりも前方がわずかに高くなっている 必要に応じてクッションを載せることもある |
7. バックサポート | 背もたれのこと 座った姿勢の安定性や体格、背骨の形状などに応じて、背もたれの張りを調整できるタイプもある 個々の状態に応じた張りに調整すると、快適に座れる リクライニングできるタイプもある |
8. アームサポート | 肘掛けのこと 肘や腕をおいて休んだり、立ち上がる際の手すり代わりとしても使ったりできる 高さを変えたり取り外したりできるタイプであれば、ベッドへの乗り移りで邪魔にならない |
9. サイドガード | 利用者の服が駆動輪に巻き込まれないためのもの |
10. レッグサポート | 利用者の足がフットサポートから落ちないように、ひざ下の脚部分を支えるベルト 左右に開くパッド状のレッグサポートもある |
11. フットサポート | 利用者の足を乗せる部分 開いたり取り外したりできるものもある 角度を変えられるものもあり、脚を伸ばして座れる |
12. キャスタ | 後輪のこと 駆動輪/主輪と比較して小さく、方向転換するときに使う |
13. 背折れ金具 | バックサポートを折りたたむ際に折れ曲がる部分にある金具 背折れ機能を使うことで、車椅子をコンパクトにまとめられる |
14. 背ポケット | バックサポートの後ろについているポケット 車椅子の各部位を調整するための工具や、取扱説明書などを収納できる |
車椅子の種類
車椅子にはさまざまな種類があり、特徴や対象者が異なります。
- 自走車椅子
- 介助車椅子
- ティルト・リクライニング車椅子
- 電動車椅子ジョイスティック
- 電動車椅子アシスト式
- 電動車椅子ハンドル式
どのタイプの車椅子がご自身に合っているかを知るためにも、上記6種類について詳しく見ていきましょう。
自走車椅子
自走車椅子は、ご自身で操作して進むタイプの車椅子です。
駆動輪/主輪が大きくなっており、そのまわりにあるハンドリムをもち、前後にまわして進みます。
フットサポートを取り外せば、足でこぐことも可能です。
自走車椅子のエコールチェアフィット 自走は、軽量・コンパクトな設計です。
背中が曲がっている方でも深く座れるようになっています。
アームサポートが前方まで伸びているためつかまりやすく、乗り移りに便利です。
使う方に配慮した丸みのあるデザインが特徴です。
介助車椅子
介助車椅子は、介護者が手押しハンドルを操作して移動するタイプの車椅子です。
ご自身で車椅子を駆動できない方が使います。
駆動輪/主輪が小さいため、小回りに適しています。
車椅子全体の幅も、自走車椅子と比較すると狭く設計されているのが特徴です。
また、介助を必要とする方が使用するため、アームサポートの取り外しや高さ調整の可能なタイプが多くなっています。
軽量介助車いす Cパッケージは、軽量・コンパクトな設計です。
力の弱い方でも車への積み下ろしが楽に行えます。
ティルト・リクライニング車椅子
ティルト・リクライニング車椅子は、長い時間車椅子で過ごしたり、身体を真っすぐに起こして座れなかったりする方が使います。
バックサポートが高くなっており、ゆったりと寄りかかれる構造になっています。
バックサポートとシートが角度を保ったまま倒れるティルティングと、バックサポートのみ倒れるリクライニング機能が特徴です。
マイチルトミニ3D リフトアップ機構付き エレベーティング仕様は、幅をとりやすいティルト・リクライニング式の中でも小柄な方に適しており、小回りもききやすくなっています。
リフトアップ機能により真横への移動もできるため、ベッドへの乗り移りの際に横付けしやすいのが特徴です。
電動車椅子ジョイスティック
電動モーターで動く車椅子で、駆動輪/主輪は操作しません。
ジョイスティックとよばれるレバーを前後左右に倒して駆動します。
倒している間だけ動き、離すとレバーが真ん中の位置に戻り、停止します。
ジョイスティックタイプの電動車椅子は、脳性まひや頚髄(けいずい)損傷などによって、腕の力で自走車椅子を操作できない方が対象です。
手先をわずかに動かせれば操作可能です。
JWアクティブPLUS+ ニッケル水素バッテリー仕様は、5段階の速度調整ができます。
速度とバッテリー残量の表示が見やすいだけでなく、アームサポートとフットサポートの取り外しもでき、乗り移りしやすい設計になっています。
電動車椅子アシスト式
もともと手動で操作する車椅子に、後付けで電動アシスト機能をつけたタイプです。
ハンドリムを操作する際に電動アシストが機能するため、少ない力で駆動できます。
対象者は、自走車椅子を使用できるものの、力が弱いために電動のアシスト力を必要とする方です。
上り坂を軽く進めるだけでなく、下り坂では減速できるように制御されています。
介助車椅子にも取り付けられるため、介護者の負担を軽減するのにも役立ちます。
電動車椅子ハンドル式
ハンドル式の特徴は、ハンドルを操作して向きを変えたり、アクセルレバーとよばれる操作部を使って、加速・減速したりできることです。
ご自身で散歩や買い物など、外出する方が使用します。
屋外の移動を想定しているため、坂道やじゃり道でも走行できます。
遊歩スキップαは、ハンドル式の中でもコンパクトな設計です。
小回りが利くため、狭い道でも取り回ししやすく、楽に移動できます。
まとめ
本記事では、車椅子の名称について解説しました。
車椅子にはそれぞれの部位に名称と役割があり、移動のほか、安全・快適に過ごすための機能が備わっています。
また、車椅子の種類も多種多様であり、特徴や対象者が異なります。
車椅子の名称と役割、種類などを知っておくことで、ご自身により合った車椅子を選べるようになるでしょう。
本記事が、車椅子選びの参考になれば幸いです。