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介護予防とは?自分でできる予防と介護予防サービスを解説
「介護予防のために今から取り組めることはないだろうか」「介護予防サービスにはどのようなものがあるのだろうか?」このように悩んだりされていませんか?
介護保険制度においても、さまざまな介護予防サービスがあります。
そして、病気などによって身体が不自由になり要介護となる前に、予防をすることがとても大切とされています。
この記事では、自分でできる予防方法と、利用できる介護予防サービスについて紹介します。
介護予防とは
介護予防は、高齢者が要介護状態になることの予防、または要介護状態の悪化の防止、さらには軽減を目指すことを目的して行うものです。
要介護状態になってから心身の機能の改善を目指すことは簡単ではありません。
ですから、なるべく元気なうちに課題を見つけ、早期予防をすることが大切です。
介護予防は、今日から簡単にできるものもありますので、まずは自分でできることから取り組んでみてください。
介護予防サービスの種類と料金
介護予防のためのサービスはさまざまありますが、大きく分けて以下の2つに分けられます。
1)予防給付
予防給付は、すでに要介護認定を受けた方(要支援1、2)が対象となるサービスです。
具体的には以下のサービスがあります。
- 介護予防サービス(訪問系、通所系、宿泊系、その他)
- 地域密着型介護予防サービス
予防給付の詳細は後述します。
2)総合事業
総合事業は、要支援者と65歳以上の全ての高齢者が対象となるサービスです(一部を除く)。
厚生労働省によると、総合事業は「市町村が中心となって、地域の実情に応じて、住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することにより、地域の支え合いの体制づくりを推進し、要支援者等に対する効果的かつ効率的な支援等を可能とすることを目指すもの」と説明されています。
引用:厚生労働省「介護予防・日常生活支援総合事業のサービス利用の流れ」
総合事業は以下の2つに分類できます。
- 介護予防・生活支援サービス事業
(①訪問型・通所型サービス、②その他の生活支援サービス) - 一般介護予防事業
(要支援者等も参加できる住民運営の通いの場の充実等。全ての高齢者が対象)
引用:厚生労働省「介護予防・日常生活支援総合事業の基本的な考え方」
以下では、1)の「予防給付」についてそれぞれ詳しく解説していきます。
訪問系介護予防サービス
訪問系介護予防サービスは以下のサービスがあります。
- 介護予防訪問入浴介護
簡易浴槽を持った介護士や看護師が訪問して自宅でお風呂に入れてもらう - 介護予防訪問看護
看護師等が訪問して自宅で看護を受ける - 介護予防訪問リハビリテーション
リハビリ専門職が訪問し自宅でリハビリを受ける - 介護予防居宅療養管理指導
医師が訪問し、自宅で診療を受ける
通所系介護予防サービス
通所系介護予防サービスは以下のサービスがあります。
- 介護予防通所リハビリテーション
病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院に通ってリハビリを受ける
宿泊系介護予防サービス
宿泊系介護予防サービスは以下のサービスがあります。
- 介護予防短期入所生活介護
特別養護老人ホームや有料老人ホームのショートステイ - 介護予防短期入所療養介護
病院や介護老人保健施設のショートステイ
地域密着型介護予防サービス
地域密着型介護予防サービスは以下のサービスがあります。
- 介護予防認知症対応型通所介護
認知症対応型の通所介護 - 介護予防小規模多機能型居宅介護
通い、泊まり、訪問が組み合わさったサービス - 介護予防認知症対応型共同生活介護
グループホーム
※地域密着型介護予防サービスは、原則、その地域の住民だけ利用できるサービスです。
その他の介護予防サービス
その他の介護予防サービスは以下のサービスがあります。
- 介護予防特定施設入居者生活介護
有料老人ホーム、軽費老人ホーム(ケアハウス)、養護老人ホームで食事や入浴などの日常生活上の支援や、機能訓練など受ける - 介護予防福祉用具貸与
福祉用具の貸与(レンタル)を受ける - 特定介護予防福祉用具販売
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介護予防サービスを利用する方法・条件
介護予防サービスを利用する方法と条件をそれぞれ説明します。
介護予防サービスを利用する方法
介護予防サービスを利用するためには、まずはお住まいの地域包括支援センターに相談しましょう。
その後、要介護認定の申請・認定調査を受けて、要支援1または要支援2の認定を受けた場合のみ介護予防サービスを利用することができます。
介護予防サービスを利用できる条件
介護予防サービスを利用できる条件は、要支援1または要支援2の認定を受けた方となります。
要支援状態とは、身体や精神的に障害があるため、入浴、排泄、食事等の日常生活における基本的動作に支障があり、支援が必要な状態を指します。
自分でもできる介護予防
介護予防は、介護予防サービスを利用するだけではなく自分でできることもあります。
その一つに「生活習慣病の予防」があります。
生活習慣病とは、食事、運動、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が要因となる病気の総称です。
生活習慣病には、がんや心臓病、脳卒中なども含まれます。
生活習慣病を予防することにより、介護予防も期待できます。
ここでは、生活習慣病の予防を通した介護予防について説明をしていきます。
①まずは自分の健康状態をチェック
介護予防の前に、自分自身の健康状態を把握することが大切です。
そのための一つのツールとして、厚生労働省が作成した「基本チェックリスト」があります。
「基本チェックリスト」は、65歳以上の高齢者が自分の生活や健康状態を振り返り、心身の機能で衰えているところがないかどうかをチェックするためのものです。
ぜひ活用して自分の健康状態をチェックしてみてください。
参考サイト:厚生労働省「基本チェックリスト」
定期的にチェックすることによって、「運動機能の低下」「低栄養状態」「口腔機能の低下」「閉じこもり」「認知機能の低下」「うつ病の可能性」など、現在の心身の状況を把握することができます。
次に、それぞれの項目について、自分でもできる介護予防をご紹介します。
②運動習慣を見直す
適度な運動を心がけることは介護予防にはとても大切なことです。
特に高齢になるにつれて下肢の筋力低下が著明になり、転倒や転落のリスクが高くなる傾向があります。
そのため、普段から歩く習慣をつけましょう。
長時間歩くことが大変な場合は、プール内でのウォーキング、椅子からの立ち座り練習、スクワットなどが下肢筋力向上には有効とされています。
自分自身の体調や状態に合った運動を普段の生活に取り入れることで介護予防にも効果が期待できます。
③栄養のあるバランス良い食生活にする
運動だけでなく、栄養もしっかりと摂ることが大切です。
普段から栄養バランスの良い食事を取ることで、筋力の低下や体力の衰退を防ぎ、感染症や骨折のリスクを減らすことができます。
介護予防のためには、病気にならないような食事に気を配ることも大切です。
免疫を高めるためにも普段から栄養バランスを考えて、主食主菜副菜でバランスの良い食材を食べることが効果的です。
栄養面だけではなく、美味しいものを食べることによって、心も満たされますので、楽しみながら食事をしましょう。
④口腔ケアを行う
高齢者の死亡要因の上位に誤嚥性肺炎があります。
誤嚥性肺炎と聞くと、食べている時に誤嚥することで、むせて肺炎になるようなイメージがある人もいると思います。
しかし誤嚥性肺炎は、普段から口腔ケアができていないことが主な原因と言われています。
夜間睡眠中の知らない間に、菌を含んだ唾液が誤嚥し肺に入ることによって発症することが多いとされています。
そのため、うがい歯磨きなどの口腔ケアをサボらないようにし、口腔内を清潔に保つことが大切です。
また、飲み込む力を維持するためにもよく噛んだり、普段から会話をすることにより口や舌をよく動かしたりすることも介護予防につながると言われています。
入れ歯などをされている場合は、定期的に歯科受診し、メンテナンスをすることも大切です。
⑤できるだけ外出する
家に閉じこもりがちになると、運動する機会が減ることで心身の機能の低下につながりやすくなります。
心身の機能が低下すると疾病リスクも高まるため、できるだけ外出する機会を増やすことは介護予防にもつながります。
また外出することでさまざまな刺激を受けることもでき、心身ともに活性化が期待できます。
買い物に歩いて行ったり、地域の集まりに顔を出したりすることも日頃から行えると良いでしょう。
⑥できるだけ人と交流する
また、自分自身が抱いている悩みなどを一人で考え込まずに、他者に相談したりすることで、気持ちが楽になり、うつの予防につながるとされています。
介護予防をしたいと思った時の相談先
自分自身の身体に不安を感じる、または、ご家族の状態が心配などという理由で介護予防をしたいと思った時の相談先を紹介します。
まずは地域包括支援センターに相談
地域ごとに地域包括支援センターが設置されています。
地域包括支援センターは高齢者の暮らしを地域でサポートする公的機関で、社会福祉士や保健師、主任ケアマネジャーといった専門資格を持った職員がさまざまな相談に乗ってくれます。
介護予防をしたいと思ったときは、まずは担当の地域包括支援センターに相談しましょう。
※地域包括支援センターについては、以下の記事をご参照ください
地域包括支援センターで受けられるサービスとは?事例も踏まえて解説
相談後、介護予防サービスの利用を勧められたら検討する
地域包括支援センターに相談後、介護予防サービスの利用が必要と判断された場合は、介護保険申請をします。
認定調査後、要支援1または要支援2の認定を受けた場合は、ケアマネジャーと相談して利用する介護予防サービスを決めていきます。
また、もし要支援1または要支援2の認定を受けなかった場合にもその状態に応じたサービスを担当者が案内してくれます。
ヤマシタでも介護予防に関するご相談を受け付けております。お気軽にご連絡ください。
営業所は安心の365日体制。
お客様のご相談、ご要望にスピーディーに対応します。
メールは365日24時間受付
受付時間 9:00~18:00 (土日祝年末年始を除く)
まとめ
今回は、介護予防の概要と介護予防サービス、自分でできる介護予防の解説をさせていただきました。
年齢を重ねるにつれて、心身機能が低下するリスクは高まります。
しかし、以下のような取り組みをすることで予防できることもたくさんあります。
- 定期的な健康チェック
- 運動習慣の構築
- 栄養のあるバランス良い食生活
- 口腔ケアをし、口腔機能を保つ
- 外出の頻度を増やす
- 他者と交流をする
まずは、自分でできる予防をしましょう。
そして、心身機能に不安を感じた際は、担当の地域包括支援センターに相談しましょう。
杉浦 良介
理学療法士
通所リハビリ・訪問看護・回復期病棟・訪問リハビリでの経験のある理学療法士。YouTube「訪問リハ&訪問看護&介護保険【制度マニア】」、訪問リハブログ「訪問リハビリ・訪問看護情報サイト」、訪問看護ブログ「ビジケア訪問看護経営マガジン」で介護保険制度や訪問リハ、訪問看護などの情報発信をしている。著書に『リハコネ式!訪問リハのためのルールブック【第二版】』がある。
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