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現場から生まれる科学的介護 ケアマネジャーや他職種との連携を深めるAI活用

福祉用具大手のヤマシタ(静岡県島田市、山下和洋社長)は全営業所で、歩容解析AIの「CareWiz(ケアウィズ)トルト」(以下、トルト)を導入している。トルトを活用したサービスが、利用者の意欲を引き出したり、ケアマネジャーなど他職種との連携を深めたりすることにも一役買っている。

「利用者にもわかりやすい」

 静岡県藤枝市にある、きらら藤枝ケアプランセンター(運営=社会福祉法人県民厚生会)は、居宅介護支援事業所として藤枝市や焼津市などで150人超の利用者を支えている。福祉用具サービスの提供ではヤマシタ焼津営業所へ依頼する機会も多い。
 主任介護支援専門員の杉浦鮎美センター長は、トルトを活用したサービスについて「歩行の状態をスコアや動画で示してくれるのが、利用者やご家族にもわかりやすくていいですね」と評価する。同じく、同センターのケアマネジャー・安齋成美さんも「わかりやすいからこそ、モチベーションにも繋がります」と同調する。

 トルトはスマホで5mの歩行動画を撮影すると、2分ほどでAIが解析結果をフィードバックしてくれる。自分の歩行を客観的にみる機会はあまりない。利用者からは「自分が普段こんな風に歩いているのだと初めて知った」「自分のイメージとは違った」といった声が挙がる。ふらつきや速度などから20点満点のスコアで示されるのも、より高い得点や点数の維持に向けて「もっと頑張ろう」と奮起させる。スコアや動画といった見える形で、わかりやすく示すことにより、利用者の意欲の引き出しにつながっているようだ。

 「ただ撮影と聞くと、いつも以上に張り切って歩いてくれる人もいます」と杉浦センター長。パーキンソン病の症状で、普段は体が傾いている利用者が、トルトで撮影する時には気を張るためか傾きがいつもより抑えられることもある。適切な歩行支援用具の選定やリスク管理には、日常の歩行状態を把握することが大切だ。「普段の歩行状態と大きな差がないかを気にしつつ、解析結果を参考にしています」。AIと専門職の視点をうまく融合させ、ケアマネジメントに生かしている。

きらら藤枝ケアプランセンターの皆さん。左から谷中さん、堀本さん、杉浦センター長、安齋さん

注意喚起、貸与のみ利用者の貴重な情報取得にも

 同センターのケアマネジャー・堀本一志さんは「転倒への意識が薄い人への注意喚起に役立っています」と、効果を挙げる。実際、トルトのフィードバックを受けた同事業所の利用者に取材したところ、「外出時の転倒に気を付けるようになった」と話してくれた。

 また同センターのケアマネジャー・谷中早苗さんは、「例えば福祉用具貸与のみの利用者だと、通所介護や訪問介護なども利用している人に比べると、ケアマネジャーに寄せられる情報がどうしても少なくなってしまいます。こうして歩行状態の分析を共有してもらえるのはありがたいですね」とし、福祉用具専門相談員から報告された情報をケアマネジメントに役立てているという。

 ヤマシタ焼津営業所の福祉用具専門相談員・南條真徳さんは、「トルトをきっかけに利用者の方にも歩行のモチベーションアップや転倒予防への意識を高めてもらい、少しでも転倒をなくしていきたい。またケアマネジャーや他職種の方とも歩行、転倒の情報や認識を共有することで、在宅生活を一緒に支えていきたいですね」と話す。福祉用具専門相談員のモニタリングとともに、AIによって得た情報も加えることで、ケアマネジャーや他職種との連携をさらに深め、利用者の在宅生活を支えている。

提供元:シルバー産業新聞 2023.02.10

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