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現場から生まれる科学的介護 客観的なデータ活用でさらに意欲を引き出す

「スムーズに歩けているつもりが…」

 「AIの分析結果がでました。20点中16点。前回からまた1点上がりましたよ。特にふらつきが少なくなってバランスが改善しています」。ヤマシタ調布営業所の福祉用具専門相談員・三上裕太郎さんが、都内在住の利用者Aさん(76歳女性)へ説明する。
同社が導入するAI「CareWiz(ケアウィズ)トルト」(以下、トルト)がAさんの歩行を解析した結果だ。スマホで5mの歩行動画を撮影すると、2分ほどでAIが解析結果をフィードバックしてくれる。その場でプリントアウトした解析データを見ながら、Aさんは真剣な表情で三上さんの説明に耳を傾けていた。

 続けて、三上さんはさっき撮った歩行動画をスマホで再生した。半年前の歩行動画と同時再生されるので変化がよくわかる。「今回と比べてみると、以前は少し傾いていたかもしれません。肩が下がっていました」と三上さん。同席していた地域包括支援センターこまえ苑の鈴木晶子さんも「だいぶ違ってみえますね」と同意する。Aさんは「実はね」と切り出し、近くの駅まで往復で2500歩を目安に歩くことを最近の日課にしているのだと打ち明けた。

 Aさんは以前から健康への意識が人一倍高かった。5年間で100回以上も高尾山に登った時期もあったという。両足の人工骨頭置換術で、歩行や立ち上がりが不安定になったが、同社のサービスで、特殊寝台のほか、ベッド横、玄関の上がりかまち、トイレ、段差が大きい「らせん階段」に手すりを設置して、屋内の移動や立ち上がりを安全にできるようにした。その後は、リハビリや歩行練習に励み、この10カ月で周囲が驚くスピードで改善してきた。トルトは歩行解析とともに、その人にあったおすすめの体操も示してくれる。Aさんは、三上さんから渡された体操の手順をプリントアウトした紙をファイルにして、いつでも見返せるようにベッド脇に置いている。

 「自分ではスムーズに歩けているつもりなのに、動画でみるとぎこちないのよね。それを見ると、もっと頑張らなきゃとなるの。あと皆さんがほめ上手だから、ついついのせられてしまうわ」と明るく話すAさん。動画やスコアをもとにしたアドバイスや提案がさらにAさんの意欲を高めているようだ。三上さんも「Aさんは、自分で色々と考えながら運動などの実践をされています。動画や客観的なデータも役立ててもらえているのでうれしいですね」と説明する。

プリントアウトした解析結果や動画を交えて説明

データを活用した声掛けや提案

 同じく都内在住の冨永睦夫さん(82歳)は、1年前から同社のサービスを受けている。「玄関先の段差で転びそうでこわい」との相談が地域包括支援センター経由で寄せられたのがきっかけで、手すりをレンタルすることにした。三上さんが自宅へ訪問すると、いつも睦夫さんは「手すり、とても役に立っているよ」と声をかけてくれる。

 庭師の経験を持つ睦夫さんは、自宅の庭の手入れが日課であり家庭での役割だ。2時間近くかけて、雑草を丁寧に抜いて植木や花に水をやる。手すりがあるから安全に庭へ向かうことができる。妻の三重子さんも、「庭の手入れが、本人にとってもいい運動になっています。この頃、少し便秘気味でお医者さんからも体を動かしたほうがいいと言われているの」と話す。

 「だんだん弱ってきちゃって、色々できなくなるんだよ」と笑う睦夫さんだが、この日行った歩行解析では20点中14点。1年間、得点はほぼ変わらず維持してきた。「しっかりと維持できているのがすごいです。庭へ出たりしている習慣がいいのでしょうね」と声をかける三上さん。「実際、コロナ禍で活動量が減ったために、シルバーカーから車いすへ変更になった方もいます」と説明する。日々の活動の効果や重要性について、データが説得力や本人の納得感をさらに持たせてくれる。AIを活用した福祉用具専門相談員の適切な声掛けや提案が、本人のやる気や日々の活動、生活を支える。

提供元:シルバー産業新聞 2022.10.10

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