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豊かさを届ける福祉用具サービス コロナ禍で一層活きるモニタリング力

福祉用具大手ヤマシタ(静岡県島田市、山下和洋社長)の「豊かさを届ける福祉用具サービス」をテーマに現場の実践を紹介する本連載。コロナ禍で病院での面会が制限されることも増える中、同社浜松営業所の井口雄貴さんは「導入後のモニタリングがさらに重要性を増している」と説明する。

面会制限で退院前のアセスメントが困難に

新型コロナウイルス感染拡大を受け、初めて国内で緊急事態宣言が発令された2020年4月、ケアマネジャーの依頼で井口さんは変形性膝関節症で入院していた利用者Aさん(70代女性)を担当することになった。依頼内容は、Aさんの退院に向けた自宅の環境整備。

ただ当時、病院の面会が禁止されていたため、Aさんに会ってアセスメントを行うことはできなかった。「長引くコロナ禍で今は珍しくありませんが、その頃は第一波で、病院を訪問してのアセスメントができないケースはAさんが初めてでした」と井口さんは振り返る。

そこで、Aさんの身体状況は病院のリハ職から、住環境は自宅訪問で家族やケアマネジャーと確認。医療連携室のソーシャルワーカーを通じて本人の意向を聞き取った。

Aさんは移動や入浴、排泄、起居動作に不安を抱えていたため、入念なすり合わせのもと▽歩行器(屋内用)▽シルバーカー(屋外用)▽シャワーチェア、手すり、滑り止めマット(浴室)▽トイレ用手すり▽特殊寝台――など、各ニーズに対応した環境を整えた。

退院当日に、井口さんは初めてAさんと自宅で面会。各用具の使用感も確認してもらい、特に問題がなさそうだったため、計画通りに進めることとなった。

モニタリングで新たな課題やニーズが分かる

1週間が経った頃、井口さんはAさん宅を再度訪問。家族からは特に問題ないとのことだったが、Aさん本人からは屋内移動に対して「思っていたより動きにくくてトイレへ向かうのが不安」との訴えがあった。

もちろん廊下幅なども踏まえて機種選定を行っていたが、広い病院で歩行器移動を行うのと勝手が違い、Aさんが想定していた以上に負担や不便があるようだった。

その一方で、「ベランダに出て、洗濯物を干したり、花に水をあげたりしたい」という新たなニーズも寄せられた。当初は「危ないから止めておいてほうがいい」という家族の意見もあり、ベランダには出ないことで本人も納得していたが、住環境が整って生活範囲も広がり、さらに活動を取り戻したいという意欲がAさんに生まれていた。

そこで井口さんは、屋内移動はトイレまでの動線に手すりを設置し、歩行器ではなく手すりを使った移動を再提案。ベランダにも安全に出られるように手すりを置くことを提案した。それから1週間後にモニタリングした結果、トイレ移動の不安は解消され、安全にベランダへ出て日課の水やりなどが再びできるようになり、Aさんも家族も満足した様子だった。

「コロナ禍で退院されるまでご本人に直接会えないまま、住環境整備を進めるケースは増えています」。そうした場合は、Aさんのケースのように病院やケアマネジャーとの連携をさらに密にし、最近では病院での歩行器利用やリハビリの様子を動画で送ってもらって機種選定などの参考にしているという。

「そして重要なのがモニタリングです。導入後の状況を確認することで、新たな課題や生活の変化がわかります。事前のアセスメントが制限されるコロナ禍でこそモニタリングが活きていると強く感じています」(井口さん)


浜松営業所 井口 雄貴

提供元:シルバー産業新聞 2022.2.10

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