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慢性閉塞性肺疾患の原因と症状とは?日常的に必要なケアを解説

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最近すぐに息切れしたり、咳や痰が増えたりすることはありませんか?
それは慢性閉塞性肺疾患が原因かもしれません。
あまり聞き慣れない病気ですが、喫煙者に多い病気で国内に約530万人の患者がいると推定されています。

「タバコを吸わないから自分は関係ない」
「以前吸っていたけどもう辞めたから大丈夫」

そう思う方がいるかもしれません。
しかし、慢性閉塞性肺疾患は喫煙者以外の方も発症する場合があります。
疾患の原因はタバコの煙だけではないからです。

進行性があるため、呼吸に違和感があったら早急に受診が必要です。
手遅れになる前に、慢性閉塞性肺疾患の原因と症状、発症した場合のケアを知っておきましょう。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは

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慢性閉塞性肺疾患(以下、COPDと略す)は、タバコの煙などの有害物質を吸い続けることで、気道・気管支や酸素の交換を行う肺に障害が起きる病気です。
罹患すると、息苦しさや疲れやすさから日常生活の質を低下させる点が厄介です。

慢性閉塞性肺疾患の症状

COPDが発症すると、肺の呼吸機能に障害が起きます。
COPDの症状には次のことが挙げられます。

  • 動作時の息切れ
  • 呼気が困難
  • 喀痰
  • 胸の違和感
  • 体重減少
  • 食欲不振
  • 疲労感 etc.

自覚症状があっても歳のせいと思ったり、風邪の症状と勘違いしたりすることで発見が遅れやすいです。
進行速度が緩やかなため、健康診断で呼吸機能の低下を指摘されて初めて気付くこともあります。

慢性的な呼吸機能の低下は、以下のような全身の合併症を引き起こす原因になります。

  • 高血圧
  • 慢性心不全
  • 骨粗しょう症
  • 不安、抑うつ
  • 糖尿病
  • 消化性潰瘍
  • 睡眠時無呼吸症候群 etc.

COPDに限った話ではありませんが、重症化のリスクを軽減するために早期受診が重要です。

症状が進行した場合

COPDは進行性があるため、放っておくと増悪につながります。
風邪やインフルエンザ、肺炎に罹患した場合、増悪のリスクがさらに高まります。

増悪が起こると急激な呼吸困難に見舞われたり、場合によっては入院や酸素吸入が必要になったりすることもあります。
増悪によって呼吸機能は低下し、増悪が止まっても以前の状態に戻ることはありません。

症状の悪化を感じたら、48時間以内に行動することが重要と言われています。
受診のタイミングに早すぎることはありません。

慢性閉塞性肺疾患の原因

COPDの原因の大半はタバコです。
禁煙を始めても発症する場合があるのは、発症率がタバコの累計本数に比例するためです。

タバコの煙は、空気の通り道である気管やガス交換を行う肺胞にダメージを与えます。
これらの呼吸器官の障害によって、慢性気管支炎肺気腫が発症します。

慢性気管支炎は、慢性的な炎症によって気道が細くなる病気です。
呼気を出し難くなるのは、空気の通りが悪くなるせいです。

一方、肺気腫とは肺胞の壁が破壊され、肺胞が上手く収縮できなくなる病気を指します。
膨らんだ肺胞は周りの気管を圧迫するため、さらに呼吸を困難にします。

また、本数を減らしたり、軽いタバコや電子タバコに変えたりしても効果はありません。
どうしてもタバコがやめられない方は、禁煙外来に相談しましょう。

喫煙以外の原因

COPDの原因の大半はタバコですが、タバコ以外の原因でも発症する可能性があります。

  • PM2.5などの大気汚染
  • 有機燃料を燃焼した際の煙
  • 粉塵
  • 化学物質
  • 遺伝 etc.

遺伝を除く原因については、マスクをしたり手洗い・うがいを徹底したりすることで対策ができます。
いかなる原因であっても、症状からCOPDの疑いがある場合は、一刻も早く呼吸器内科で診察を受けるようにしましょう。

慢性閉塞性肺疾患の日常的なケア

次に禁煙以外の日常的なケアを紹介します。

予防接種

感染症対策のため、インフルエンザ・肺炎球菌の予防接種が必要です。
手洗い・うがいも欠かせません。

吸入薬治療

呼吸器系の疾患には、吸入薬の服用が大事です。
薬カレンダーなどで服薬管理して、飲み忘れに注意しましょう。

軽度な運動

動作時の息切れを理由に部屋に閉じこもりがちになります。
まずは歩くことから始めてみてください。
歩数の多さが寿命に比例するという研究報告もあります。

参考:日本経済新聞 1日8000歩で「死亡リスク半減」米国で研究報告

栄養管理

体重が減少傾向にあるため、栄養管理が必要です。
分岐鎖アミノ酸を多く含む食物を摂るようにしてください。
肉や魚、卵、豆腐、チーズなどが当てはまります。
骨粗しょう症の予防のため、カルシウムの摂取も大事です。

慢性閉塞性肺疾患は介護保険の特定疾病

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原則的に介護保険の利用対象は、65歳以上で介護認定を受けた方のみです。
ただし、40歳以上で介護保険の特定疾病が原因で要介護状態になった場合、例外的に介護保険が適用されます。

COPDは介護保険の特定疾病に含まれています。
その理由は、次のような特性を持っているためです。

  • 原因の大半が喫煙であるため、40代で発症する可能性がある
  • 進行性があるため、長期に渡る治療が必要となる
  • WHOの発表によると死亡原因の第3位で、死亡率が非常に高い
  • 根本的治療法が確立されていない

COPDが特定疾病に指定されていることから、COPDが原因で要介護認定を受けた場合、介護保険サービスを利用することができます。

利用できる介護保険サービス

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COPDは特定疾病であるため、介護保険サービスを利用するために介護認定を申請する必要があります。
認定結果は申請から約30日後に通知されます。

要介護認定の通知を受けたら、介護保険サービスを利用するために市区町村へケアプランの提出が必要です。
ケアプランは、担当ケアマネジャーが本人や家族と必要なサービスについて相談して作成します。

介護保険サービスとして利用できるのは、以下の4つです。

  • 福祉用具レンタル
  • 福祉用具購入
  • 居宅サービス
  • 施設サービス

福祉用具レンタル

福祉用具レンタルは、原則1割負担(前年度の所得によっては2、3割)で福祉用具の貸与を受けられるサービスです。

特にCOPDの患者に効果があると思われるのは、以下の福祉用具です。

  • 介護ベッド
  • 歩行器

介護ベッドを導入すればギャッチアップしてファーラー位を取ることができるため、内臓による肺への圧迫を軽減させ、呼吸が楽になります。
杖や歩行器は、症状を悪化させないための歩行訓練を安全に行うために役立ちます。

福祉用具購入

福祉用具購入は、原則1割負担(前年度の所得によっては2、3割)で福祉用具を購入できるサービスです。
福祉用具のうち、利用者の肌が直接触れるものはすべて購入対象となります。

特にCOPDの患者に効果があると思われるのは、以下の福祉用具です。

  • シャワーチェア
  • 浴槽台
  • ポータブルトイレ

シャワーチェアや浴槽台は腹部・胸部の圧迫を軽減でき、立ち上がる際に屈む必要もありません。
ポータブルトイレは、移動時の息苦しさを最小限に抑えることができます。

居宅サービス

居宅サービスは、在宅で生活しながら原則1割負担(前年度の所得によっては2、3割)で受けられる介護サービスです。

COPD患者にもっとも効果的なのは、訪問リハビリの中の呼吸リハビリテーションです。
呼吸リハビリテーションは呼吸困難の軽減だけでなく、QOLの向上も期待できます。

そのため、呼吸リハビリに対応可能な訪問リハビリ業者を選んでもらうよう、ケアマネジャーにあらかじめ相談しておく必要があります。

施設サービス

施設サービスは、施設で生活しながら原則1割負担(前年度の所得によっては2、3割)で受けられる介護サービスです。
施設サービスでも呼吸リハビリを受けるのが最優先となります。

  • 特定疾病に対応可能な医療体制が整っているか
  • 症状が進行した場合に継続して入居できるか
  • 施設の立地場所や周辺環境
  • 他の利用者との人間関係が築けるか

呼吸リハビリに対応可能な訪問リハビリ業者を選んでもらうのは、施設サービスでも同じです。

まとめ

COPDの最大の予防策は禁煙です。
COPDに罹患すると完治することはありません。

そのため、発症した段階で今後の経過について本人にあらかじめ伝えることが重要です。
家族は本人との話し合いを繰り返しながら、意思を確認しておきましょう。

COPDの推定患者数が約530万人に対して、治療を受けている患者数は約22万人に過ぎません。
増悪すると酸素吸入器が手放せなくなり、生活の質が下がってしまいます。
喫煙者で息切れなどの症状が気になる方は、呼吸器内科などで受診されることをお勧めします。

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