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多系統萎縮症とは?概要や利用できるサービス・日常的なケアについて解説!

多系統萎縮症とは?概要や利用できるサービス・日常的なケアについて解説!


進行性の難病である多系統萎縮症。
進行度に応じて、介護保険のサービスを適切に利用していくことが大切です。
本記事では、多系統萎縮症の概要を解説したうえで、介護保険で利用できるサービスや日常的なケアについて紹介していきます。

多系統萎縮症とは?

多系統萎縮症とは?のイメージ

多系統萎縮症は、30~40歳以降に発症する進行性の難病です。
脳のさまざまな部位で神経細胞が死んでしまい、身体の動きや体内の調節(血圧や発汗など)に支障をきたします。
多系統萎縮症は、以下に示した16種類ある特定疾病のひとつです。(※1)

  1. がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したもの)
  2. 関節リウマチ
  3. 筋委縮性側索硬化症
  4. 後縦靭帯骨化症
  5. 骨折を伴う骨粗鬆症
  6. 初老期における認知症
  7. 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(パーキンソン病関連疾患)
  8. 脊髄小脳変性症
  9. 脊柱管狭窄症
  10. 早老症
  11. 多系統萎縮症
  12. 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
  13. 脳血管疾患
  14. 閉塞性動脈硬化症
  15. 慢性閉塞性肺疾患
  16. 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

※1:厚生労働省 特定疾病の選定基準の考え方

特定疾病は、厚生労働省によって定められた病気です。
加齢によって発生しやすく、要介護状態になる可能性が高いと位置づけられています。

かつては3タイプに分かれていた

多系統萎縮症は、発症時に現れる症状が人によって異なります。
かつては以下の3タイプに分類し、それぞれ診断名も異なっていました。

  • オリーブ橋小脳萎縮症
  • 線条体黒質変性症
  • シャイ・ドレーガー症候群

しかしこれらは、病気が進行してくると症状が重複して現れるようになります。
脳の画像を見ても、それぞれのタイプによって生じる画像上の変化が共通して見られるため、病気の総称として多系統萎縮症とよばれるようになりました。
以下ではそれぞれの特徴について解説します。

オリーブ橋小脳萎縮症

立ったり歩いたりするときのふらつきが特徴です。
ろれつの回りにくさや手のふるえも見られ、思い通りに身体が動かないため、転びやすくなります。

線条体黒質変性症

身体の硬さやバランスのとりにくさ、足のすくみなどのパーキンソニズムという症状が特徴です。
症状の進行が早く、動きを改善する薬が効きにくい特徴もあります。

シャイ・ドレーガー症候群

血圧の調節や汗の分泌、排尿などをコントロールしている自律神経の働きが悪くなるのが特徴です。
特に、立ち上がると急激に血圧が下がる「起立性低血圧」の症状が強く現れます。
また、睡眠時の無呼吸や突然死の危険性などもあります。

多系統萎縮症は介護保険サービスが利用可能

多系統萎縮症は介護保険サービスが利用可能のイメージ

40歳以上の方で多系統萎縮症と診断されれば、介護保険のサービスが利用できるようになります。
利用できるサービスは以下のとおりです。

  • 福祉用具の介護保険レンタル・購入
  • 居宅サービス
  • 施設サービス

多系統萎縮症は、さまざまな症状が現れて日常生活に支障をきたします。
利用できるサービスについて知り、必要な支援を受けられるようにしておきましょう。
それぞれ解説していきます。

福祉用具の介護保険レンタル・購入

介護保険では、福祉用具のレンタルや購入ができます。
症状の進行に応じて、福祉用具を使い分けていきましょう。

初期では、歩きにくさに対して杖や歩行器などの使用が想定されます。
症状が進行して転ぶ危険性が高くなると、歩行器や車椅子なども必要になってきます。
また、介護用ベッドを使用することで、起き上がりや立ち上がりをしやすくすることも可能です。
必要に応じて、ベッドの高さや背もたれの角度調節機能をつけたり、つかまるための手すりを取り付けたりすることもできます。

一方、福祉用具にはレンタルできないものもあります。
入浴や排せつに関連するものは購入の対象とされ、レンタルできません。
たとえば、浴槽に取り付けてまたぎやすくするための手すりや、ベッドの近くに置いて使うポータブルトイレなどは、レンタルの対象外です。
症状の進行によって、必要な福祉用具は変わってきます。
そのため、福祉用具のレンタル・販売事業所の担当者と相談しながら、適切な用具を選んでもらいましょう。

居宅サービス

居宅サービスとは、自宅で生活しながら受けられる介護保険のサービスです。
代表的なサービスは以下のとおりです。

  • 訪問介護:ヘルパーによる食事や排せつなどの日常生活の支援
  • 訪問看護:看護師やリハビリの専門職による、病状の管理やリハビリ
  • デイサービス・デイケア:通いの施設スタッフによる日常生活の支援やリハビリ

要介護度に応じて、利用できるサービスの量に上限が定められています。
上限内であれば介護保険の給付によって、1~3割の自己負担でサービスを受けられます。

施設サービス

施設サービスは、以下3種類の介護保険施設で提供しています。
施設に入所して、体調の管理やリハビリ、日常生活の支援を受けられます。
施設の種類によって入所できる条件や特徴が異なるため、以下の表を参考にしてください。

種類 入所の条件 特徴
介護老人保健施設 要介護1以上 体調の管理やリハビリを特に重視
3ヶ月を目安に退所する必要あり
介護老人福祉施設 要介護3以上 体調の安定している方が入所
終身利用が可能
介護医療院 要介護1以上 長期的な療養が目的
医療的管理を高く必要とする方が入所

病気の進行度や状態、ニーズに応じて入所する施設を選択します。

多系統萎縮症における要介護認定の流れ

多系統萎縮症により介護保険のサービスを利用する場合、要介護認定という手続きが必要です。
要介護認定は、以下の流れで行います。

  1. 市区町村の窓口で要介護認定の申請を出す
  2. 市区町村の担当者による認定調査を受ける
  3. かかりつけの医師から、心身の状況についての主治医意見書を作成してもらう
  4. 認定調査の結果と主治医意見書の一部から、コンピュータによる一次判定を行う
  5. 一次判定と主治医意見書をもとに、有識者による二次判定を行う
  6. 要介護度とその有効期間が決定する

上記の流れで約1ヶ月かかりますが、場合によってはさらに日数が必要なこともあります。
介護保険サービスを利用したいと思ったら、早めに申請しておくとよいでしょう。

多系統萎縮症の日常的なケア

多系統萎縮症は、症状の進行に応じて日常的にケアが必要となります。
さまざまなケアがありますが、代表的なものとして以下3つについて紹介します。

  • 転倒
  • 誤嚥
  • コミュニケーション

それぞれ見ていきましょう。

転倒

多系統萎縮症の日常的なケアの転倒対策イメージ
多系統萎縮症は、症状の進行に伴って身体のふらつきやバランスの障害が強くなり、転倒の危険性が高くなります。
転倒によって骨折してしまうと、病気の進行に加えて身体の機能がさらに低下する危険性があります。
転倒予防策として、以下の対策をとりましょう。

  • 杖や歩行器などの歩行補助具を使う
  • 手すりを取り付ける
  • 部屋を片付ける
  • 段差解消用のスロープを取り付ける
  • 移動するときは介護者が付き添う

また、万が一転倒しても軽いけがですむように、衝撃吸収用のマットを敷いたり、家具の角にクッションテープを取り付けたりすることも有効です。

誤嚥

多系統萎縮症の日常的なケアの誤嚥対策イメージ
誤嚥とは、飲み込む機能が低下して、食物や水分が誤って気管に入ってしまうことをいいます。
多系統萎縮症では口や舌、のどの機能が低下して誤嚥を起こしやすくなります。
誤嚥を防止するためには、以下の対策をとりましょう。

  • 食物を食べやすい形状に切ったりすりつぶしたりする
  • 水分にはとろみをつける
  • 食事の姿勢に注意し、床に両足をつけた軽い前傾姿勢で座る

誤嚥が原因で肺炎を起こすと、生命の危険にもつながることがあります。
症状によっては安全性を優先し、介助で食べることも大切です。

コミュニケーション

症状の進行に伴い、声の大きさや速度の調節が難しくなってきます。
うまく話が伝わらないと、ご本人・介護者双方にとって、大きなストレスとなるでしょう。
会話を成立させて社会生活を営むためには、文字盤などの意思伝達装置を使った、コミュニケーション方法の工夫が必要です。

しかし、機器を使いこなすまでには時間がかかることもあります。
導入してすぐに解決できるわけではないため、定期的に使用状況をチェックしてもらったり、別の機器を導入してもらったりすることも大切です。

まとめ

多系統萎縮症は特定疾病のひとつです。
40歳以上であれば、介護保険のサービスが利用できるようになります。
多系統萎縮症は進行性の難病であるため、その進行度に応じて介護保険サービスを使い分けていきましょう。
日常的にできるケアにも着目し、安全かつ社会性を維持した生活を送れるよう、周囲からの支援も大切です。

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