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高齢者に起こる便秘の原因とは?症状や予防法について解説!

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高齢者は、加齢による身体機能の低下や生活習慣の変化、持病などとの関係で便秘になりやすいことがわかっています。
便秘には、さまざまな症状を引き起こし、体調を悪化させたり重大な病気にかかったりするリスクがあります。
そのため、日頃から生活習慣をあらためて、予防することが大切です。

本記事では、高齢者に起こる便秘の原因や症状、予防法について解説します。
記事後半では、高齢者の便秘と認知症の関係についても解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

高齢者に便秘が起こる原因

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高齢者に起こる便秘の原因は、多岐にわたります。
原因と特徴を下表にまとめましたので、見ていきましょう。

便秘の原因 特徴
食事量の減少 食べる量が減るため、形成される便の量が少なくなる
食物繊維の不足や水分量の減少 食物繊維が不足すると、便を軟らかくする機能が弱まる
水分量の減少により、大腸で吸収される水分が増えてしまい、便を軟らかくする水分が足りなくなる
腸の働きの低下 腸のぜん動運動が悪くなるため、腸の中で便が長期間とどまってしまう
便を押し出す力の低下 いきむときに必要な腹筋や肛門の筋力が低下するため、便を押し出せなくなってしまう
便意の低下 直腸にある便意を感じるセンサーの感覚が低下してしまう
運動量の減少 高齢になり運動不足になると、食事量の減少やぜん動運動の低下、便を押し出す力の低下につながる
薬剤の副作用 持病があり薬を飲んでいると、副作用によって便秘になることがある

実際には、上記の原因がひとつとは限りません。それぞれが重なって便秘になることを知っておきましょう。

便秘が引き起こす症状

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便秘は下記に示したように、さまざまな症状を引き起こします。

  • 腸内環境の悪化
  • 認知機能の低下
  • 腸閉塞

便秘を放っておくと、これらの症状が引き起こされて体調を崩してしまいます。
まずは、どのような症状があるかを知っておきましょう。

腸内環境の悪化

便秘になると腸内環境が悪化します。
腸内には膨大な数の菌が存在しており、下記に分類されます。

  • 善玉菌
  • 悪玉菌
  • 中間菌

腸内環境が悪化したときに増えるのが悪玉菌です。これは便秘や下痢を起こす原因となります。
また、悪玉菌は腸内で毒素を作り出し、血液とともに臓器へとまわって不調を引き起こします。恐ろしいのは、毒素によって心臓や腎臓の病気にかかるリスクがあることです。
便秘によって腸内環境が悪化すると、さらに重い便秘にもなり、悪循環におちいることもあります。

便秘は痔を引き起こします。便秘によって起こる痔は、下記のとおりです。

  • 切れ痔:硬くなった便が直腸や肛門の粘膜を傷つける
  • いぼ痔:肛門を閉じる部分にある血管に血液がたまり、いぼ状に膨れる
  • 痔ろう:硬い便で傷ついた肛門付近を下痢便が通り、細菌感染を起こす

便が硬いと強くいきむため、肛門の周りにある血管に負担がかかったり、直腸の粘膜が傷ついたりしてしまいます。
また、硬い便の近くを通る下痢便によって、感染を起こすこともあります。

認知機能の低下

便秘になると、腹部の不快感や痛みによって、心と身体はストレスを受けます。
ストレスによって睡眠不足になると、認知機能の低下やうつ病を引き起こしてしまいます。
また、不快感が強くイライラしたり他者へ攻撃的になったりと、問題行動を起こすこともあるのです。
さらに、周りの人が問題行動に対してとがめたり静止したりすることで、もっと落ち着きがなくなり、問題行動の悪循環におちいってしまいます。

腸閉塞

腸閉塞は、主に下記の原因によって起こります。

  • 腸の突出
  • 腫瘍
  • 腹部の手術後に生じた組織の癒着

これらに加え、便秘が原因となって腸閉塞を起こすこともあります。
便がたまっているところに水分不足が重なると、大腸が水分を吸収してしまい、さらに便が硬くなってたまってしまうのです。
腸閉塞は、放っておくと大腸が壊死してしまうこともある、恐ろしい病気です。

便秘が原因の腸閉塞は、高齢者や寝たきりの方に多いといわれています。
腹部の張りや吐き気がある場合は、体調の変化を注意深く観察しましょう。

便秘を予防する生活習慣

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便秘は、放っておくとさまざまな症状を引き起こします。そのため、予防が大切です。
下記の生活習慣を意識し、便秘を予防しましょう。

  • トイレのタイミングを習慣化する
  • 食事内容を見直す
  • 適度に運動する

それぞれ解説していきます。

トイレのタイミングを習慣化する

毎日決まった時間にトイレへ行くようにすると、徐々に排便のリズムが整ってきます。
大切なのは、便意がなくてもトイレに行く習慣をつけることです。

高齢者は運動量が低下しているため、トイレに立つだけでも疲れることがあります。
そのため、便意があってもおっくうになって、行きたがらないことがあるかもしれません。
我慢すると排便のリズムが崩れてしまうため、家族から声をかけたり、トイレへ誘導したりする働きかけも重要です。

食事内容の見直し

食事内容を見直しましょう。特に、食物繊維をとることが大切です。
食物繊維は、水溶性と不溶性の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。
種類と働き、豊富に含まれる食品について、下表にまとめましたので参考にしてください。

食物繊維の種類 働き 豊富に含まれる食品
水溶性食物繊維 善玉菌を増やす
水分を吸収して便を軟らかくする
果物
野菜(にんじん、大根、たまねぎ、トマト、キャベツ、ほうれん草など)
いも類(じゃがいも、さといも、長いもなど)
海草類(昆布、わかめなど)
不溶性食物繊維 便の量を増やし、腸のぜん動運動を促進する 繊維の多い野菜(れんこん、ごぼう、たけのこなど)
豆類
穀類
きのこ類

上表の食物繊維をバランスよく摂取することが大切です。

適度な運動

適度に運動することが便秘予防には効果的です。特に腹筋を鍛えておきましょう。
腹筋により、便を押し出す力が強くなり、排便しやすくなります。
また、腹筋運動には腹部の血行を促進し、胃腸の動きを活発にする効果も期待できます。

しかし、体力の低下した高齢者にとっては、腹筋運動が大変な場合もあるでしょう。
その場合は、下記のように簡単にできる体操から始めるのがおすすめです。

  • 頭上げ:あおむけに寝て、へそを見るように頭を軽く上げる
  • 腹式呼吸:鼻から息を吸って腹部をふくらませ、口から息を吐いてへこませる
  • 軽い散歩やウォーキング:腕を振って歩き、全身の血行を促進する

どの運動も張り切って行おうとすると、長続きしません。
一日の中で一回、2~3分程度でもよいので、無理しなくても行えるくらい簡単な運動を行いましょう。

認知症と便秘の関係

認知機能と便秘には、深い関係があります。
国立がん研究センターが行った研究によると、下記のことがわかりました。

  • 排便の頻度が少ないと、認知症のリスクが高くなる
  • 便が硬いほど、認知症のリスクが高くなる

「排便頻度が少ないこと」と「便が硬いこと」によって、便の通過時間が長くなり、腸内細菌によって生み出される短鎖脂肪酸が減少します。
すると、酸化ストレスが引き起こされ、認知症のリスクが高くなってしまいます。
このように、認知症と便秘は関係があることがわかりました。

認知症を予防するためにも、日頃から便秘に対処しておくことが大切です。

参考:国立がん研究センター 排便習慣と認知症との関連

まとめ

本記事では、高齢者に起こる便秘の原因や症状、予防法について解説しました。
便秘は、ただ便が出にくいという単純なものではありません。
放っておくと、体調の悪化や病気を引き起こすリスクがあります。
そのため、日頃から生活習慣を見直し、予防することが大切です。
定期的にトイレに行ったり、食事や運動習慣をあらためたりすることで、徐々に体内のリズムが整います。
無理しなくてもできることから少しずつ行い、便秘を予防していきましょう。

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