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【せたフレプロジェクト主催】「管理栄養士&理学療法士によるフレイル予防講座」が松陰神社「100人の本屋さん」で開催
2023年11月28日(火)、松陰神社商店街(世田谷区若林)にある「100人の本屋さん」で「管理栄養士&理学療法士によるフレイル予防講座」(以下、「フレイル予防講座」)が開催されました。
今回のテーマは「フレイル」。「フレイル」は、介護に携わる仕事をしているとよく聞く単語でありながらも、私はぼんやりとしたイメージしか持っていませんでした。
「フレイル」とはどんな状態なのか、そして「フレイル」予防のためにはどんなことが効果的なのか。今回の記事では「フレイル予防講座」をレポートします。さっそく、一緒に勉強していきましょう。
「フレイル」とは
フレイルとは、加齢によって身体機能や認知機能が衰えていく過程の中で健康な状態と要介護状態の間の期間を指します。
「最近疲れやすくなってきた」「運動不足でつまづきやすくなった」など、”なんとなく衰えてきたかも”といった状態が実は「フレイルのサインかも」と自覚し、早期に予防策を行うことがフレイル予防の第一歩となるそうです。
「フレイル予防講座」は「100人の本屋さん」で開催
「100人の本屋さん」は東急世田谷線松陰神社前駅から50歩の場所に位置するコワーキングスペース・棚貸し書店・イベントスペースの複合拠点。
イベントスペースである「100cube」、コワーキングスペースである「100work」、本屋としての「100人の本屋さん」から成り立っています。
「100人の本屋さん」は100人が約30センチ四方の棚1マスのマイクロ書店オーナーとなる仕組みの本屋。
読み終わった本、自身の著書、新刊、古書は問わず、閲覧のみというスタイルもOK。売りたい本は自分で値段を決めることができます。
今回のイベントは「100人の本屋さん」併設のイベントスペース「100cube」で行われました。
「100人の本屋さん」概要
施設名:100人の本屋さん
住所:〒154-0023
東京都世田谷区若林4丁目25−14 コーナー松陰ビル 2F
アクセス:東急世田谷線松陰神社前駅より徒歩1分
電話番号:070-8438-2636
営業時間:24時間
URL:https://shoin-wakamatsu.sakura.ne.jp/100booksellers/
管理栄養士と理学療法士、それぞれの講師が登壇
イベント講師には社会福祉法人 世田谷区社会福祉事業団から理学療法士の白石哲也さんと管理栄養士の竹内洋子さんが登壇。管理栄養士、理学療法士、それぞれの立場から「フレイル予防」についてお話をしてくれました。
理学療法士 白石哲也さん
2007年理学療法士免許取得後、千葉県の整形外科クリニック勤務。2012年はりきゅうマッサージ指圧師免許取得。その後神経内科分野を中心に自費リハビリ・訪問・通所など様々な現場に従事。
保有資格は理学療法士、はりきゅう師 あん摩マッサージ指圧師、LSVT®︎BIG認定Therapist、入谷式足底板中級コース修了、ロコモコーディネーター。
世田谷区社会福祉事業団 訪問看護ステーション三軒茶屋での活動のほか、リハトレスタジオ世田谷代表を務める。
日本理学療法士協会 地域ケア会議推進リーダー、東京都理学療法士協会 地域包括ケア推進委員会委員。公益社団法人 日本理学療法士協会、全国鍼灸マッサージ協会、日本サルコペニア フレイル学会、日本老年療法学会に所属。
管理栄養士 竹内洋子さん
社会福祉法人 世田谷区社会福祉事業団 訪問看護課。
訪問看護と訪問介護のスタッフの栄養教育や同行訪問を通じて在宅療養者や地域住民の栄養の支援に従事するほか、機能強化型栄養ケア・ステーション eatcoco、NPO法人 日本介護予防協会に所属。
地域での食事会や栄養講話、介護予防士の育成を通じて「誰もが人生の最後まで口から食事を食べることができる」環境づくりを目指している。
楽しく「フレイル」について学んでみよう
「管理栄養士&理学療法士によるフレイル予防講座」はお仕事終わりの方でも参加しやすいよう、18時からスタート。当日会場の「100人の本屋さん」には、さまざまな職業や年齢の方6名が集まりました。
会場には講師の竹内さんが用意してくれたお弁当やお菓子も。お弁当は竹内さんが栄養バランスのよいものを市販のものから探してくれたそうです。
お弁当やお菓子をつまみながら、和気あいあい楽しく「フレイル」について学びます。
身体と栄養、それぞれの側面からフレイルを学ぼう
いよいよ講座本番。はじめに理学療法士の白石さんが身体の面から「フレイル」についての講話をしてくれました。
「加齢に伴う心身の低下により、ストレスに対する回復力が低下した状態」を指す「フレイル」は、「身体的フレイル」「精神的フレイル」「社会的フレイル」という3つの特徴に分けられるそうです。
なかでも、「社会的フレイル」の原因は男女で傾向が異なるそうで、男性は「外出頻度の減少」が主な原因であることが多く、女性の場合は「友人との繋がりの希薄化」が主な原因になりうるといいます。
「フレイル予防」には、「運動」「栄養」も大事ですが、「つながり」も大切なのだそう。この三つの側面からのアプローチを行うことが、健康寿命を延ばすためには大事なことであるそうです。
白石さんの講話に続いて、管理栄養士の竹内さんが登壇。栄養の側面から「フレイル」についてお話ししてくれました。
筋肉は常に合成と分解を続けており、高齢者においては、特にタンパク質が不足しがちだそうです。そして、タンパク質から筋肉を作るためには、その司令塔であるアミノ酸をバランス良く摂取することも大切だそう。
竹内さんは朝昼晩の食事や用意してくれたお弁当を例に、理想の食事を解説してくれました。
フレイルチェックや栄養のワークも
後半では、前半の講話を踏まえたワークを行いました。
3人ずつ、2グループに分かれて昨日の食事を思い出し、竹内さんと一緒に栄養素を補うプラスアルファの食事をみんなで考えてみます。
ちなみに、筆者は前日の食事を思い出すことができず、時間をかけてようやく3食カレーを食べていたことを思い出しました。
その後は、Webで行える「フレイルチェック」や椅子からの立ち上がりテストも実施。
「フレイルチェック」は、アプリを利用して質問に答えていくだけで簡単に「フレイル」のリスクを調べることができます。筆者はフレイル予備軍でした、とほほ。
考えてみよう、「フレイル予防」について
フレイル予防には、身体面、栄養面の両側面からのアプローチが大事。ですが、「最も大事なことは、人と人との繋がりや対話、居場所なんです」と白石さんは語ります。
社会的な活動が少なくなって来た時にこそ、「フレイル」の危機が迫ります。
長く健康でいられるように、「フレイル」について一度考えてみることも、すこやかに生きていくためには大切なこと。
興味のある方は、いちど「フレイル講座」を受講してみてはいかがでしょうか?
次回の「フレイル予防講座」は1/17(水)に開催!
次回の「フレイル予防講座」は2024年1月17日(水)19:00から「100人の本屋さん」で開催。内容もアップデートし、「攻めの栄養療法」「つながりをさらに深堀り」する予定とのこと。
また、そのほかにも2月21日(水)18:30から三茶しゃれなあどでも「フレイル予防講座」の開催を予定しているそうです。
「管理栄養士&理学療法士によるフレイル予防講座」ギャラリー
「せたフレ」概要
世田谷区のシニア向けにオンライン&オフラインで様々なフレイル予防講座を開催しています
「ここ最近体力が落ちてきた…」
「ちょっとした段差でつまづきやすくなってきた…」
など、気になっている方はぜひ一緒に運動して体力をつけましょう。
初めての方でも参加できますのでぜひ気軽にお申し込みください。
イベント開催概要
イベント名称:管理栄養士&理学療法士によるフレイル予防講座
日時:2023年11月28日(火)18:00~20:00
会場:
100人の本屋さん
世田谷区若林4-25-14 2階
参加費:1,500円
定員:20名
対象:
世田谷区にお住まいの区民
栄養や運動、フレイルに関心のある方
講師:
竹内洋子(管理栄養士)世田谷区社会福祉事業団
白石哲也(理学療法士)世田谷区社会福祉事業団
運営:リハトレスタジオ世田谷
お問合せ:せたフレ事務局
取材協力: せたフレ
文・写真: (株)ヤマシタ世田谷松原営業所 金子修平