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【インタビュー】世田谷区で障害/高齢分野をボーダーレスに支援する事業所「team shien」のヒミツ|代表・南大路さんが目指す支援のカタチ

一般社団法人 team shien

あなたの街の気になる事業所。その全貌に迫る『ヤマシタ、シマシタ。』新連載インタビューシリーズ。第一弾は世田谷区梅丘で障害・高齢分野の福祉サービスを提供する事業所・一般社団法人 team shien(以下、team shien)に訪問。
代表の南大路直子さん(以下、南大路さん)にお話を聞きました。

今回訪問したのはこちらの事業所

事業所

team shien世田谷事業所からの景色

一般社団法人 team shien

世田谷区・新宿区を中心に障害分野、高齢分野のサービスを提供する事業所。各分野において相談支援系サービス、訪問介護系サービスを提供しているほか、人材育成事業も行っている。

team shien 概要


名称:一般社団法人 team shien
事業内容:
相談支援事業
訪問介護事業
人材育成事業
事業所所在地・問合せ先:
世田谷事業所
〒154-0022
世田谷区梅丘1丁目15-11 TOMOビル3階
TEL:a 03-6413-6465
FAX:03-6413-6466
新宿事業所
〒162-0041
新宿区西新宿4-32-11 新宿セントビラ永谷505
TEL:03-6380-3462
FAX:03-6380-3463

一般社団法人team shien | 世田谷区
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一般社団法人team shien|Twitter

今回お話を聞いたのはこちらの方

南大路直子さん

南大路直子

南大路直子さん

長崎県出身。福祉系短期大学卒業後上京、一般企業に13年勤めたのちにふたたび福祉業界へ。
社会福祉士、精神保健福祉士、准看護師、介護福祉士としてさまざまな職業を経験し、2006年team shienの前身団体に入職。同法人にて訪問介護事業所のサービス提供責任者、居宅介護支援事業所の管理者を歴任。2023年同法人から独立、移転先の世田谷区梅丘で開業した新生team shien の代表となり、介護支援専門員、相談支援専門員として従事。
現在はteam shienでの活動のほか、都立能力開発センターで講師を務めるなど、幅広いフィールドで精力的に活動している。

障害、高齢分野をボーダーレスにサービス提供する事業所・team shienの魅力

高齢福祉事業、障害福祉事業、人材育成事業の3事業を展開

team shien訪問介護事業所サービス提供責任者・大塚さん

訪問介護の仕事に出かけるteam shien訪問介護事業所サービス提供責任者・大塚さん

—はじめに、team shienの事業内容について教えてください。

南大路さん:team shienでは大きく分けて3つの事業を展開しています。介護保険法に基づいたサービスを提供する高齢福祉事業、障害者総合支援法に基づいたサービスを提供する障害福祉事業、そして人材育成事業です。
高齢福祉事業と障害福祉事業ではそれぞれの事業において、おおまかに分けて相談支援系のサービス、訪問介護系のサービスの2つの系統のサービスを提供しています。

—3つの事業それぞれについて詳しく教えていただけますか?

南大路さん:まず、高齢福祉事業では介護保険を利用するためのケアプランをケアマネージャー(介護支援専門員)が作成する「居宅介護支援」と、介護保険を利用した「訪問介護」サービスを提供しています。
一方で、障害福祉事業においても相談支援系のサービスと訪問介護系のサービスを提供していますが、障害者総合支援法に基づいたサービスとなるために(高齢福祉事業とは)少し内容が異なります。

もう少し細かくいうと、相談支援系サービスでは、大きく分けて3つのサービスを提供しています。施設に入所中の方や病院に入院中の方が地域で生活できるように支援を行う地域移行支援や、単身で生活する方のサポートを行う地域定着支援といった「一般相談支援」と呼ばれるサービス。障害福祉サービスを利用する方との相談を行い、サービス事業者との連絡調整などを行う「特定相談支援」と呼ばれるサービス。そして児童福祉法に基づいた通所サービス等の計画作成や相談を行う「障害児相談支援」と呼ばれるサービスの3つです。

訪問介護系サービスでは、3つのサービスを提供しています。ヘルパーがご自宅を訪問して身体や生活の支援を行う「居宅介護」。外出のサポートを行う「移動支援」。そして単身などで生活する方のご自宅への訪問、相談を行い「居宅介護」では手の届かない生活の困りごとに対して支援を行う「自立生活援助」の3つです。

また、人材育成事業では、通信制で「介護職員初任者研修」「同行援護従事者研修」の講座を開講しています。その他、ビジネスマナー研修や福祉職のためのアセスメントスキル向上研修なども100%自社講師で実施しています。 

その方の一生をかけて伴走する

「自立支援」「利用者本位」というふたつの言葉を特に大切にしてサービスを提供しています

—team shienの事業所としての特色は?

南大路さん:障害福祉のサービスから高齢福祉のサービスまで、一貫して相談を受けられることがteam shienの大きな特色です。障害者手帳をお持ちの方が介護保険サービスに移行する場合には、制度の違いからスムーズな移行が難しい場合があります。
また障害と高齢どちらも対応している他事業所の場合でも、大きな事業所は担当が分かれていることも多いです。弊社では同じ相談員がそのまま対応できるので、円滑な制度の移行ができます。
相談員もソーシャルワーカーや施設管理者、理学療法士、看護師といった様々なキャリアを経験したスタッフが多く在籍しています。スタッフ同士で様々な角度からの知見を総合して、障害、高齢に関わらずボーダーレスに対応できる点も大きな強みといえるでしょう。
さらに最近では、児童の相談も受けています。「ゆりかごから墓場まで」ではないですが、その方の一生をかけて伴走することができるのも大きなやりがいのひとつですね。

—サービス提供において大事にしていることはありますか?

南大路さん:team shienでは「自立支援」「利用者本位」というふたつの言葉を特に大切にしてサービスを提供しています。
あくまで私たちは利用者の「支援」をする立場であって、それが利用者の意思や価値観を阻害するものであってはならないからです。そのため、生命の危機が予測されない限りは、何よりもまず利用者の思いが最優先事項だと考えています。

相談支援専門員研修でよく出てくる例えがあるのですが、「人生」という車のドライバーは利用者なんです。私たち相談員やケア従事者はあくまで助手席に乗る存在。運転手である利用者が「どのようなサポートをすれば怖くないように運転できるか」を考えながら支援を行っています。

人生という車を運転するのは、利用者自身。それが私たち支援者の大事な心構えだと思っています。

南大路さんがコスメ業界から福祉業界に飛び込んだワケ

「元をとるしかない」、そんな思いでさまざまな職種を経験していたら気づけばteam shienの代表に

インタビュー中もがさまざまなところから相談の電話が舞い込む

—南大路さんはどうして福祉の業界で働こうと思ったのでしょうか? これまでのキャリアについても教えてください。

南大路さん:もともとは長崎の福祉系学科を持つ短期大学でソーシャルワークを学んでいました。炭鉱で働く労働者の貧困の問題に関心を持っていたんです。これは講義の事例でもよく出てくる話なのですが、九州は炭鉱が多くオイルショック以降炭鉱が閉山になったことで、そこで働いていた労働者の再就職の問題が身近にあったんですね。

短期大学卒業後は福祉系の道に進むことはなく、上京して化粧品を扱う一般企業に就職しました。その会社では百貨店内の売場勤務から始まり、人材育成や営業、スーパーバイザーといった役割を経験しました。営業時代は1年間で1億8千万円を売り上げたこともあります。

結果として13年間、一般企業でのキャリアを歩むことになりました。しかし、売上に追われる毎日に疲れてしまったんですね。私はそれまで勤めていた会社を退職し、建築設計の学校に通いはじめました。

それが私の人生にとっての転機でした。私はその学校で「福祉住環境コーディネーター」の資格に出会い、福祉の道に進みたいという気持ちがふたたび湧き上がってくるのを感じました。
その頃、短期大学時代にお世話になった先生とお会いする機会があったんです。そこで先生から「社会福祉士」に必要な不足単位を通信制で取り直している人が多いので君も取り直さないか、という話があったんですね。それがきっかけで、「社会福祉士」を取得しました。

資格を取得すると、せっかく取得したので「元を取るしかない」と思ってしまうんですね(笑)。そこで私は資格を活かした職業をいろいろと体験することになりました。
最初はデイサービスの生活相談員。その後も特別養護老人ホームや宿所提供施設の生活相談員や急性期病院の相談員としても働きました。「精神保健福祉士」も持っているので精神科のデイケアや精神科病院からの訪問看護として働いていたこともあります。自分のやりたい仕事を探すために非常勤でさまざまな経験をしましたね。

—准看護師まで! 准看護師の資格はどういった経緯で取得されたのですか?

南大路さん:准看護師の資格は10年前くらいに世田谷区医師会看護専門学校に通って取得しました。飲み会のノリで、その場にいた中で私だけが受験資格があったので、せっかくなので取りなよという話になって(笑)。

—すごい話ですね(笑)。その後どのような経緯でteam shienに入職されたのでしょうか?

南大路さん:もともと2006年ごろに、team shienの前身であるteam sakataに関わりました。その頃はまだ私自身も別の仕事をしながら手伝っていました。その後、2011年にteam sakataの訪問介護事業部が法人化され、一般社団法人team shienが設立されました。これを機に訪問介護事業所のサービス提供責任者として正式に入職しています。

team shienに入職後は、訪問介護事業所の仕事をしながら看護師学校に通っていました。1年生の時には介護支援専門員(ケアマネージャー)の資格を取得し、居宅介護支援事業所の管理者になっています。その後相談支援専門員の制度がはじまり、資格を取得しそちらの活動も開始しました。
2022年に新生team shienとして梅が丘に移転し、現在に至ります。team shienでの活動以外にも、個人として都立職業能力開発センター2校で初任者研修や福祉用具専門相談員の養成課程の講師として教壇に立っています。もちろん現場にもいるので、東京都内を自転車と電車を駆使して日々うろうろしていますね。

離島で物々交換!? 南大路さんが目指す過疎地域における支援のカタチ

「何か新しくて面白いことができたらいいなと考えています」

—最後に、南大路さんとteam shienは今後どのような活動をしていきたいと考えていますか?

南大路さん:世田谷と新宿の事業所を中心に、今後もこれまで通り東京周辺部の多くの利用者を支援していきたいと考えています。幸いなことに地域移行や医療観察法による生活支援など、さまざまな相談をいただいています。

都心部においての事業は継続しながらも、今後は離島を含めた過疎地域における支援についても目を向けていきたいと思っています。人材不足は福祉業界においても深刻な問題です。都心部はまだなんとか成り立っている状況がありますが、過疎地域では問題が山積している状況です。

採算を取ることは難しいと思いますが、採算は度外視したチャレンジが必要だとも考えています。あくまで制度のことは置いておいて、例え話をするのですが、私がひとりで離島に行って、住み込みで何役もする。相談、計画、看護、訪問介護、全て資格を持っていますから(笑)。極端な話1割の負担金も、物々交換だったりしても面白いですよね。私が計画をしてサービスに入る。その料金は野菜などでいただく。あくまで例えばの話ですが。
そういった相互扶助の形をとって、何か新しくて面白いことができたらいいなと考えています。

あなたの地域の名物事業所大募集!

写真左からヤマシタ世田谷営業所・金子、南大路さん

あなたの地域の名物事業所を教えてください。気になる事業所やおすすめの事業所など、ヤマシタのスタッフが話を聞きに訪問します。

インタビュー・文:金子修平
写真:平田幹
校正:酒井良明

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