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地域の問題は地域住民の手で! 「第47回 雑居まつり」レポート
こんにちは、ヤマシタ世田谷営業所の金子修平です。
2022年10月9日(日)、世田谷区・羽根木公園においてボランティアと福祉を考えるイベント「第47回 雑居まつり」(以下、「雑居まつり」)が開催されました。
福祉用具専門相談員である私は、「世田谷区介護サービスネットワーク北沢地域部会」(以下、「北沢地域部会」)の一員として「雑居まつり」に参加。
ヤマシタのイベントレポート第2弾となる今回の記事では、その模様をレポートします。
「雑居まつり」ってどんなお祭り?
「雑居まつり」は毎年10月第2日曜日に、世田谷区・羽根木公園で開催されているボランティアと福祉の祭典。
「地域の問題は地域住民の手で」を合言葉に世田谷を中心に福祉・教育・食・環境・平和・国際協力など、さまざまな分野で活動している団体が集まり、実行委員会を組織、企画運営をおこなっています。
例年会場には100団体以上の出店による展示発表やバザーなどが立ち並び、多くの参加者・来場者で賑わいます。
そのはじまりはなんと1976年。車いすユーザーと大学生の青年2人が、現在の児童相談所がある場所で開催した「第1回 雑居まつり」が契機となり、それから毎年参加団体も含めた実行委員会によって運営されてきました。
「雑居まつり」という名前は、さまざまな主張や身体・精神のハンディキャップの有無にかかわらず、誰もが分け隔てなく参加できるように、という願いが込められて名付けられたそうです。
2020年の開催については、新型コロナウィルス感染症の流行により見送られましたが、2021年には小規模開催で復活。そして今年も昨年の開催を踏襲した形での開催となりました。
「第47回 雑居まつり」には53団体が参加
今年の参加団体は昨年の25団体から53団体に増加、コロナ以前の参加団体数に少し近づいた団体数となりました。感染対策を考慮し模擬店はなく、公園内での飲食は水分補給を除いて禁止という形ではありましたが、例年のように多くの人が会場を訪れ、お祭りを楽しむ姿を見ることが出来ました。
例年は〈核と戦争とくらしを考える広場〉〈この指とまれの広場〉〈ゆかいなまち〉〈神戸発ぼちぼち・みなこい広場〉〈全国からの広場〉〈ふれあい通り〉〈アジア・アフリカのまち〉という、7つのエリアに分けられていましたが、今年は昨年の小規模開催を踏襲する形で3つのエリアで開催されました。
【エリアA】には〈核と戦争とくらしを考える広場〉〈この指とまれの広場〉が、【エリアB】には〈ゆかいなまち〉〈神戸発ぼちぼち・みなこい広場〉〈全国からの広場〉が、【エリアC】には〈ふれあい通り〉〈アジア・アフリカのまち〉の団体が出店しました。
名物であるパレードも復活し、多種多様な団体によるブース展示が行われた「雑居まつり」。
各エリアを歩いて見つけた、気になる団体に普段の活動や当日のブースの内容について、一問一答形式でお話を伺いました。
【エリアA】子どもたちが集まる「店」をのぞいてみた
会場の一番「梅ヶ丘」寄りの場所に位置する、木立の中のひらけた【エリアA】には、〈核と戦争とくらしを考える広場〉〈この指とまれの広場〉の団体のブースが並びます。
その中心あたりにはなにやら子どもたちが集まっているエリアが。ブースをのぞいてみると、どうやらわなげやとバザーを行っているようです。
どんな団体なのか、代表の高橋さんにお話を聞いてみました。
「NPOフリースクール僕んち」代表のタカハシさんに一問一答
—団体での活動について教えてください。
タカハシさん:フリースクールを運営しています。私は、子どもたちが自由に「学び」と「育ち」を保障される必要があると考えていて、その為に学校以外の選択肢としてその場所を提供しています。小規模ですが、子どもに限らず30代のメンバーもいたり、学校に行きながら利用している子もいますよ。
—こちらではどんな催しを行っているのですか?
タカハシさん:今日は子どもたちの輪投げやさんと、親の会バザーの二本立てで行っています。例年はカウンターバーを作っておでん屋さんと子どもたちの食べ物屋さんも行っていました。
「フリースクール僕んち」について
1994年設立。全ての子どもにとって、行きたいと思ったらいつもその本人が主役でいられる場になりたいと願って運営しています。
室内と、羽根木公園・プレーパークを中心に、小さい子から若者まで大体10人前後が、メンバー同士やボランティアさん・スタッフと語り合い、活動しています。希望があれば、可能な限り教科学習にも対応します。
トラブルや悩みや困難な課題とであったら「そのこと自体がプログラム」「ミッションとして楽しんじゃおう」という姿勢で、一緒に考え行動しています。「あそび」イコール「学び」がポリシーです。
「フリースクール僕んち」概要
名称:フリースクールぼくんち
地区:世田谷区・新代田地区
対象:子ども、その他
活動日:主に月曜日〜金曜日
大体の活動時間:10時〜17時
その他:毎水曜、午前は「相談タイム」
毎月曜12~14時に「おむすび食堂」開店。無料で最高のおむすびが食べられます。
様々な合宿やキャンプ、「ライフラインが止まった日」なども、皆で企画し実施。
大人も参加自由のイベント:「若者サロン」(月一、木曜日)「夜のざつだん会」(月一)「もっと語ろう不登校」(第1か第2土曜)なども開催していますので、お気軽にご利用ください。
代表者:タカハシトール
住所:東京都世田谷区代田 4-32-17サンハイツB
問合せ先:090-3905-8124
【エリアB】メインステージ付近には「どら焼き」が並ぶブースが
メインステージを中心に、〈ゆかいなまち〉〈神戸発ぼちぼち・みなこい広場〉〈全国からの広場〉の団体が軒を連ねる【エリアB】。車いす体験など、個性的なブースが目を惹きます。
甘いものに目がない私は、どら焼きを販売しているブースを発見。
どんな団体なのか、星野さんにお話を伺いました。
「神戸をわすれない・せたがや」代表の星野さんに一問一答
—団体での活動について教えてください。
星野さん:毎年「阪神大震災」が起こった1月17日の近辺に、神戸の街の復興や再生をカメラで収めてきた青池憲司監督の記録映画を上映する「神戸をわすれない」集会を行っています。震災後からこれまでに35回開催しています。
—こちらではどんな催しを行っているのですか?
星野さん:今年も神戸市長田区・長田神社商店街のお菓子を販売しています。ブースにはおみくじ入りの手作りどら焼き「グージーどらやき」を置いていますよ。今年は模擬店はなしなので、神戸のコーヒーはしばしお預け。来年には、またコーヒーを出せるようになると良いですね。
「神戸をわすれない・せたがや」について
「神戸をわすれない・せたがや」では、毎年1月に「神戸をわすれない」会を開いています。青池憲司監督と青池組が制作してきた「人偏のまち野田北部・鷹取のひとびと」全14巻をはじめ、さまざまな「記憶(=記録)」映画を、繰り返し観て、地域でも防災やまちづくりを考える機会をこれからも作っていきたいと思います。世田谷での町会やボランティア協会などによる防災への取り組みなどを知り、地域で手をつなげる関係を築く機会になれば、と願っています。
「神戸をわすれない・せたがや」概要
名称:神戸をわすれない・せたがや
代表者:星野弥生
住所:東京都世田谷区世田谷1-28-22
連絡先: 03-3427-8447
【エリアC】木立の中でバザーを発見
木々に囲まれた【エリアC】には〈ふれあい通り〉〈アジア・アフリカのまち〉の団体のブースが点在。福祉車両の展示やゲームコーナーなど、面白そうなブースが並びます。
木々の中をぬって歩いていると、大通りに面した場所でバザーを行っている団体が。
団体の岡田さんにインタビューを試みました。
「東京サニーサポーターズ」代表の岡田さんに一問一答
—団体での活動について教えてください。
岡田さん:普段は音楽や演劇を主体としたボランティア活動を行っています。
—こちらではどんな催しを行っているのですか?
岡田さん:「東京サニーサポーターズ」のブースでは、毎年バザーを行っています。
東京サニーサポーターズ 概要
名称:東京サニーサポーターズ
団体紹介:音楽を通して皆様が楽しく生き抜くことを目標としています。童謡、唱歌、叙情歌、外国曲などあらゆる音楽を歌っています。皆様のお気持ち、悩みを伺う専門的知識を持って行っています。
世田谷区介護サービスネットワーク北沢地域部会ブースではミニ講座&体験会を開催
当日私は「北沢地域部会」の一員として、「雑居まつり」に参加しました。ブースは「東京サニーサポーターズ」と同じ【エリアC】内。
「北沢地域部会」では、「介護・終活」をテーマにした15分間のミニ講座や体験型の健康チェック、ブースでの相談を行いました。
ミニ講座では、葬儀や補聴器、デイサービスやリハビリといった、普段はなかなか知ることのできない介護にまつわるものごとについてプロが優しく解説。
体験型ブースでは血圧測定&健康相談や聴力測定が行われました。特にアロマを用いたハンドトリートメント体験は好評で、多くの方に体験いただきました。
当日はケアマネージャーや訪問介護の事業所の方も健康相談に講師として参加。高齢分野に携わる福祉の事業者が幅広く来場者の相談を受けました。
ヤマシタは電動車椅子の専門事業者であるセリオに協力いただき、体験型ブースで電動車いす体験を実施。
会場には電動カート「遊歩スキップneo」と電動車いす「WHILL」の2台を配備。電動車いすに乗ったことのない子どもたちを中心に好評を博しました。
「雑居まつり」が以前のように開催できる日を願って
新型コロナウィルス流行を鑑み感染対策に配慮した上で、昨年よりも多い参加団体数で開催された「雑居まつり」。来場者の多くは久しぶりのイベントということもあり、笑顔で会場内を往来していました。
水分補給を除く飲食についてはNGとなった今回のイベントでしたが、団体や来場者同士の交流はよりアットホームで距離感の近いイベントとなりました。
今回はエリアごとに一部の団体へのインタビューとなりましたが、実際に参加している団体は数多く、それぞれがさまざまな活動をしています。次回はより多くの団体に話を伺い、ご紹介できればと思います。
また以前のように、「雑居まつり」を開催できることを祈って、ここに筆をおきます。
文・写真:株式会社 ヤマシタ 世田谷営業所 金子修平
引き続き、全国各地のイベント大募集
次回以降も、こちらのページでさまざまなイベントを紹介していきます。
皆さまの地元でも、「こんなイベントがあるよ」「こんな取り組みをしています」といったものがあれば、ぜひ声を聞かせてください。
イベントのお手伝いや、取材についても大募集中!
皆さまとお会いできる日を楽しみに、お待ちしております。
「雑居まつり宣言」
「雑居まつり宣言」
地域は、生活を営む最も身近で小さな社会集団である。
地域は、コミュニケーションの中からお互いを育て、助け合い平和を愛する心を育てる。
地域は、共通した問題や願いを語り、その解決・実現に向かって行動するエネルギーを生む。
地域は、最も生活に密着した文化を形成する源である。
私たちは、「地域」をこうとらえ、その「地域」で活動する団体によって構成される「雑居まつり」に次のような思いをのせ、これを『雑居まつり宣言』とする。
1. 私たちは、このまつりに自由意志により、主体的に参加します。
1. 私たちは、思想信条をこえて語り合い、手をつなぎ合い、このまつりを準備していきます。
1. 私たちは、生活者としての市民の立場で連携を広め、社会や環境、平和を考えます。
1. 私たちは、このまつりで生命あるすべてのものたちに向けて、有形無形のメッセージを表現します。
雑居まつり実行委員会
「雑居まつり」概要
名称:第47回 雑居まつり
日時:令和4年10月9日(日曜日)注意:荒天の場合は翌日10月10日(月曜日、祝日)に順延(一部を除く)
時間:13:00から16:00まで
会場:羽根木公園(東京都世田谷区代田4丁目38番52号)
内容:各団体の活動の発表、バザー、イベントなど
主催:雑居まつり実行委員会
後援:世田谷区ほか
参加団体:
【エリアA】
〈核と戦争とくらしを考える広場〉女は戦争への道を許さない世田谷集会、世田谷市民運動・いち、生活クラブ運動グループ世田谷地域協議会、グループ水俣、障害児を普通学校へ・全国連絡会、普通学級で障害児を受けもつ担任と親の交流会、原水爆禁止せたがや市民会議、平和食堂 吉田屋、市民連合めぐろ・せたがや紙芝居チーム
〈この指とまれの広場〉NPO法人 こども劇場せたがや、ピーターパン、せたがやチャイルドライン、社会福祉法人 世田谷ボランティア協会、社会福祉法人 世田谷ボランティア協会(福祉事業部)、NPO法人 フリースクール僕んち、くりちゃんの店
【エリアB】
〈ゆかいなまち〉大きな木保育園親子リズムの会、大きな木保育園父母会、子育て支援グループ amigo、自主ようちえんひろば、、認定NPO法人 スペシャルオリンピックス日本・東京、羽根木プレーパーク、NPO法人 プレーパークせたがや 4プレ会
〈神戸発ぼちぼち・みなこい広場〉神戸をわすれない・せたがや、サポートステーションさいとう、NPO法人 フリースペースたまりば、和泉あるこう会、サークル出会
〈全国からの広場〉黒木ふるさと便、ボランティアサークル うんどうぐつ、世田谷ボランティア連絡協議会、NPO法人 あるきんぐクラブ・ネイチャーセンター、日本シーバルク協会、浩仁堂
【エリアC】
〈ふれあい通り〉おもちゃ図書館 代田おもちゃライブラリー、手話サークルたんぽぽ、手話サークル輪の会、東京ろう重複者とあゆむ会、東京サニーサポーターズ、NPO法人 世田谷区聴覚障害者協会、NPO法人 ハンディキャブを走らせる会、けやき学級、NPO法人 せたがや移動ケア、菓子工房(Home Cake BISCO)、社会福祉法人 自立の家、世田谷区介護サービスネットワーク北沢地域部会、社会福祉法人めぐはうす まごの手便、社会福祉法人めぐはうす 地域生活支援センターMOTA
〈アジア・アフリカのまち〉パクパク・ナティン
【その他】
〈ステージ・その他〉世田谷区明るい選挙推進協議会 梅丘ブロック、風鼓の会、P-RAZIL (順不同)
「世田谷区介護サービスネットワーク」概要
世田谷区介護サービスネットワーク(世田谷区介護事業者連絡会)は、区民に的確で質の高いサービスが提供できるように事業者が連携を図り、事業者による研修を通して介護技術や知識を学んだり事業者連絡会の活動を通して、情報共有を図っています。
【世田谷区介護サービスネットワーク北沢地域部会「第47回 雑居まつり」参加団体】
ナイスケア(居宅介護支援・訪問介護・福祉用具)、山口ケアサービス(居宅介護支援・訪問介護)、リハデイ花水木(デイサービス)、訪問看護ステーションあかね亭(訪問看護)、ふくろう経堂訪問看護ステーション(訪問看護)、ルミナスの和訪問看護ステーション(訪問看護)、パナソニック補聴器株式会社・パナソニックエイジフリーショップ世田谷(福祉用具)、株式会社ヤマシタ世田谷営業所・株式会社セリオ(福祉用具)、世田谷セレモニー株式会社 (順不同)
株式会社 ヤマシタ 世田谷営業所概要
名称: 株式会社 ヤマシタ 世田谷営業所
住所:東京都世田谷区世田谷3-3-7 上町コリンシャトー1階
問合せ: 03-5426-9191
営業時間:9時〜18時 / 365日対応
エリア:世田谷区・目黒区
介護保険事業者番号:1371210822(福祉用具貸与)
外部リンク
雑居まつり:http://www.zakkyo.jp/
フリースクールぼくんち:https://chiku.setagayashakyo.or.jp/member/detail/917
金子 修平
福祉用具専門相談員
株式会社ヤマシタ 世田谷営業所