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自分らしく暮らせる地域共生社会を目指して 「認知症とともに生きるオレンジの日」レポート

認知症とともに生きるオレンジの日

「認知症とともに生きるオレンジの日」会場の様子

2022年9月28日、東京都世田谷区・三軒茶屋ふれあい広場において、「世界アルツハイマー月間」に合わせた認知症の啓蒙イベント「第2回 青空カフェ拡大版 認知症とともに生きるオレンジの日〜認知症を知ろう! 太子堂で元気に暮らそう!〜」(以下、「認知症とともに生きるオレンジの日」)が行われました。

「認知症とともに生きるオレンジの日」は毎月第4水曜日に同会場で行っているイベント「青空カフェ」の拡大版。令和4年6月に発足した太子堂アクションチーム主催で「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」の普及啓発を目的としたイベントとして開催されました。

アクションチームについて詳しくはこちら
世田谷区社会福祉事業団ブログ 「太子堂あんしんすこやかセンター 太子堂アクションチームがはじまりました」 https://www.setagayaj.or.jp/blog/info/blog-20220628-1109

イベントではアクションチームメンバーが司会をつとめ、講師、認知症当事者、家族介護者による懇話や参加者によるグループディスカッションが行われたほか、グッズ展示や脳トレなどの体験コーナーも設置され、多くの参加者が認知症についての理解を深めることができる一日となりました。

ヤマシタは体験コーナーに「認知症お助けアイテム紹介」ブースを設置。テクノスジャパン、トレンドマスターの協力のもと、商品展示を行いました。
今回の記事ではブースでの展示商品やイベント当日の様子をレポートします。

「あなたはひとりじゃない」実体験にもとづいた懇話会

懇話会

大熊由紀子委員

定例のラジオ体操が行われ、いよいよイベントがスタート。平日午前中の開催にも関わらず多くの人出で賑わいました。

懇話会には大熊由紀子(国際医療福祉大学大学院教授)、中澤まゆみ(「せたカフェ」代表・福祉ジャーナリスト)、認知症当事者、家族介護者が登壇。それぞれの立場からの実体験をもとに、参加者へ向けた講話が行われました。懇話会の後半では登壇者も含めたファシリテーターも一緒になり、各グループに分かれてグループディスカッション「井戸端会議」も開催。古き良き商店街が残る三軒茶屋ならではの和気藹々とした雰囲気で会が進行しました。

イベントの最後には、参加者が「望み」を記入したリーフを集めて1本の木を形作る「希望の木」アクションが行われ、参加者全員で暮らしやすい地域の実現を願いました。
完成した「希望の木」は太子堂あんしんすこやかセンターに飾られるそうです。興味のある方はぜひ見てみてください。

イベントを通じて印象的だったのは、認知症当事者の方の「悩んでいるあなたはひとりじゃない。まわりにはたくさんの人がいます。勇気を出して声をかけることができれば、手伝ってくれたり、アドバイスをくれたりもします。だから、うちに閉じこもってひとりで悩まずに、外に出て積極的にまわりの人と関わってほしいです」という言葉です。

当事者もまわりの人も、お互いのことを理解し助けあえる、そんな暮らしやすい地域になっていくと良いと筆者も思います。そのためには多くの人が認知症について理解し「自分ごと」として捉えることは、とても重要なことだと思います。
そういった意味でも今回の懇話会は、筆者も含めた多くの参加者が認知症についての理解を深めることができる貴重なイベントとなりました。

会場には認知症にまつわる体験会コーナーも設置! ヤマシタブースでは「お助けアイテム」を紹介

ヤマシタブース1

ヤマシタブース:テクノスジャパンの展示商品

会場には認知症にまつわる体験会コーナーも設置。関連書籍や情報提供、相談コーナー、脳トレや折り紙、ふろしき手作り体験コーナーなどのさまざまなブースが並びました。買い物や散歩の途中で立ち寄った来場者も多く、商店街の中心に位置する会場ならではの光景となりました。

ヤマシタブースでは、テクノスジャパン、トレンドマスターの協力で「認知症お助けアイテム」の展示を行いました。

テクノスジャパンはGPS機能付き徘徊検知器「お散歩コール」を中心としたセンサー機器を展示。「お散歩コール」は「お散歩タグ」を持ち出す行動で徘徊を検知し、外出しようとすると、取り付けた「お散歩タグ」からアラーム信号を送信してくれるという機器。スマートフォンアプリの利用(アプリは介保レンタル対象外)でGPS機能を付加することができ、スマートフォンで対象の方が今どこにいるかを知ることができる優れものです。本体は介護保険でレンタルすることもできます。

トレンドマスターは「なでなで猫ちゃんシリーズ」をはじめとした介護ロボットの展示を行いました。「なでなで猫ちゃんシリーズ」は介護保険対象外、自費での購入となりますが、猫が好きだが家で飼うことのできない方のためのベストセラー商品。各所にセンサーが配置されており、撫でる場所によって様々な声で鳴いてくれます。

参加者の中には、商品をはじめてみたという方も多く、「昔と比べて便利なものがいろいろとあるのね」と驚く方もいらっしゃいました。

ヤマシタブース2

ヤマシタブース:トレンドマスターの展示商品

誰もが生きやすい未来を作るために

「認知症とともに生きるオレンジの日」をきっかけに、今後多くの人に認知症についての理解が広がっていくでしょう。筆者はもともと、恥ずかしながら「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」についてよく知りませんでした。こういったイベントに参加して理解を深めることで、さまざまな方が(筆者も含めて)おたがいに暮らしやすい地域をつくっていけるとよいですね。

世田谷区では地域包括支援センターのことを親しみやすいように「あんしんすこやかセンター」と呼んでいます。もの忘れのことや介護のことで困ったら本人でも家族でも相談できるので一度相談に行ってみてはいかがでしょうか。

またあんしんすこやかセンターの認知症に関する業務の後方支援を行う「世田谷区認知症在宅生活サポートセンター」ホームページでは各種講演会の案内やイベント情報も掲載されています。
https://setagaya-ninsapo.jp/

私たちヤマシタや関連事業者のみならず、区民・市民も含めた地域全体で、少しでも皆さまのお悩みを和らげることができれば幸いです。

全国各地のイベント大募集!

ヤマシタブース3

ヤマシタブース:左からトレンドマスター中田さん、ヤマシタ世田谷金子、テクノスジャパン小川さん、ヤマシタ世田谷本村さん

今後もこちらで、さまざまなイベントを紹介していきたいと考えています。
皆さまの地元でも、「こんなイベントがあるよ」「こんな取り組みをしています」といったものがあれば、ぜひお声を聞かせてください。

文・写真:金子修平(株式会社 ヤマシタ 世田谷営業所 福祉用具専門相談員)

世田谷区認知症とともに生きる希望条例とは

関連書籍コーナー

関連書籍コーナー

「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」は令和2年10月に施行された認知症ケアに関する条例です。

2018年、愛知県大府市において全国初の認知症条例が施行されたのちに、全国の自治体でも同様の条例が施行されていきました。しかし、全国的に見れば、認知症ケアについての条例が施行されているのは未だ一部の自治体にとどまっており、より多くの自治体への今後の広がりが期待されています。

世田谷区においては、下記の2つの基本理念を掲げています。

  1. 本人一人ひとりが自分らしく生きる希望を持ち、どの場所で暮らしていてもその意思と権利が尊重され、本人が自らの力を発揮しながら、安心して暮らし続けることができる地域を作る。
  2. 区民、地域団体、関係機関及び事業者が認知症に対し深い関心を持ち、自らのことと捉え、自主的かつ自発的な参加及び協働により地域との関わりを持つことで、認知症とともにより良く生きていくことができる地域共生社会の実現を図る。

開催概要

希望の木

希望の木

イベント名:第2回 青空カフェ拡大版 認知症とともに生きるオレンジの日〜認知症を知ろう! 太子堂で元気に暮らそう!〜
日時:2022年9月28日(水)10:30~12:30
参加:無料
場所:三軒茶屋ふれあい広場(太子堂出張所前、西友むかい)
主催:アクションチーム太子堂
協力:三軒茶屋銀座商店街振興組合
問合せ先:太子堂あんしんすこやかセンター 03-5486-9726
ゲスト:世田谷区認知症施策評価委員会プロジェクト推進チーム世話人 大熊由紀子委員(国際医療福祉大学大学院教授)、中澤まゆみ委員(「せたカフェ」代表・福祉ジャーナリスト)、認知症当事者の方、認知症家族の方
リンク:
世田谷区認知症とともに生きる希望条例:https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/fukushi/006/003/d00187370.html
世田谷区認知症在宅生活サポートセンター:https://setagaya-ninsapo.jp
太子堂あんしんすこやかセンター:https://www.setagayaj.or.jp/service/areacomprehend/taishido
テクノスジャパン:http://www.technosjapan.jp
トレンドマスター:https://trendmaster.co.jp

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【11月30日追記】
『社会福祉法人 世田谷区社会福祉事業団』Webサイト内、「太子堂あんしんすこやかセンター」BLOGにて、本記事を紹介いただきました。
https://www.setagayaj.or.jp/blog/activity/blog-20221102-1650

また、イベント開催の振り返り「太子堂アクションミーティング」が行われたそうです。
https://www.setagayaj.or.jp/blog/activity/blog-20221110-1537

このような活動を通じて、認知症があってもなくても、より一層みんなが楽しく生活できる地域づくりが活発になっていくことを願っています。

記事ライター
記事ライター
ライター

金子 修平

福祉用具専門相談員

株式会社ヤマシタ 世田谷営業所


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