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必ず読もう、福祉用具サービス計画書
介護保険で福祉用具を利用すると、計画書が渡されます。ケアプランとも違う福祉用具だけの計画書です。使用目的や注意事項があるので、捨てないでください。
ここでは、これから福祉用具を利用する人のために、計画書の意義やメリットについてお知らせします。
福祉用具サービス計画とは
福祉用具サービス計画とは、「利用者の希望、心身の状況及びその置かれている環境を踏まえ、福祉用具の利用目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容、モニタリングを行う時期等を記載したもの」です。
介護保険でのサービス利用では、何に困っているのか、どのような希望なのか等をケアマネジャーが聞き取り、ケアプランを検討します。
介護保険でのサービスを希望する利用者の生活上の目標と、その実現を支援するサービスのうち、福祉用具サービスに関する具体的な内容を示したのが福祉用具サービス計画書です。
以下、全国福祉用具専門相談員協会(「ふくせん」)の「令和6年度福祉用具サービス計画作成ガイドライン」を参考に、ご説明します。
「ふくせん」の福祉用具サービス計画書の書式は、福祉用具貸与事業者で最も活用されているものです。
計画書のメリット
福祉用具の計画的な利用が書面でわかる
どのようなときに、どんなことで使いたいのかという利用者の生活目標から、身体状況、住まいの状況、介護環境に合わせて、福祉用具を複数の中から提案し、レンタル利用ができます。
これらは、計画書の「基本情報」「選定提案」「利用計画」に記載されています。
ケアプランとの違いは、福祉用具サービス計画は、ケアプランに沿って、福祉用具の利用だけの具体的な内容を記したものです。
関わる人たちの共通認識に
介護にかかわる人たちは、利用者ご本人、ご家族とともに、デイサービスや訪問看護・リハビリなど様々な職種の人がいます。
その人たちにとっても、この車いすやスロープをどのような理由から使っているとわかることは、大切です。
利用する車いすを選んだ具体的な理由は「利用計画」の「選定理由」欄に記載されます。
「留意事項」は使用時の注意点
計画書には、必ず書かなければいけない事柄として、「選定理由」とともに「留意事項」があります。
厚生労働省は、留意事項に関して「福祉用具を安全に使用するために特に注意が必要な事項」(平成24年度介護報酬改定に関するQ&Aより)と書くことを求めています。
多職種が適切に使用する上でも、留意事項は共有が必要です。
ガイドラインでは「具体的には操作方法や、誤操作によるリスクのうち利用者の状態像や利用場所の特性等を踏まえて特に注意喚起が必要」な事柄です。つまり、誤使用や誤操作をしないための注意点です。
誰が作成している?
福祉用具サービス計画は、2012年度から作成が義務づけられています(介護保険での名称は福祉用具貸与計画)。
作成するのは、福祉用具をレンタルする事業所の福祉用具専門相談員です。
福祉用具サービス計画の義務付け
福祉用具サービス計画の義務付けは、2000年の介護保険施行から12年たってからです。
義務付けられる前は、福祉用具専門相談員は、福祉用具の利用に対してどのような業務で、どのように機種を選ぶのかなど、第三者には役割がわかりにくいものでした。
どのような身体状況だから、という根拠や、目標を立て計画に沿って選定するという福祉用具利用のPDCAサイクル(Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)がなかったとも言えます。
計画があることで、プロセスから利用の効果まで計画書によって、目に見えるようになりました。
利用者にとってはもちろん、関わるケアマネジャー、介護職・リハビリ関係者らにとっても、共通言語となります。
まとめ
「留意事項」は注意事項が書いてあるので、利用者・家族、ケアマネジャー、その福祉用具を使用する介護関係者に重要です。
例えば、床から天井までのつっぱり型の手すりは、一方向に力を入れて使っていると長い間にズレてくる可能性があります。「同じ方向に力をかけないようにしてください」「少しでも違和感があったら、使用せずにご連絡をください」など、安全安心な利用のために大切なことが書かれています。必ず、読んでください。
東畠 弘子
国際医療福祉大学大学院 福祉支援工学分野 教授
全国福祉用具専門相談員協会(ふくせん)理事
日本福祉用具供給協会顧問
2011年国際医療福祉大学大学院入職、2016年から現職。2023年度ふくせん老健事業「福祉用具専門相談員指定講習カリキュラムの見直しに向けた調査研究事業」の委員長をはじめ、数々のふくせん老健事業で委員長や委員を務める。 厚生労働省「介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会」の構成員でもある。



