介護保険レンタル相談・カタログ請求はこちら

更新日:

早老症に配慮した生活リハビリの工夫

早老症のある方は、関節のこわばりや疲れやすさ、皮膚のつっぱり感など小さな負担が積み重なりやすいです。日々の生活に溶け込むリハビリの考え方と、無理なく続ける工夫を整理します。家族や支援者が同じ手順を共有し、症状の波に合わせて量を調整できれば、安心して“できること”を保ちやすいでしょう。

無理なく続ける視点を持つ

最初に決めたいのは「どこまでやるか」より「どこでやめるか」です。痛みや強い疲労の手前で止める基準を家族と共有し、良い日も悪い日も“同じ型”で微調整できるようにすると続きやすいでしょう。

関節保護と疲労管理

関節に優しい使い方と、活動量の配分をセットで考えます。原則は「小関節に頼らず、大きな関節と体幹を使う」です。物をつまむより掌で包む、手首だけで持ち上げず肘や肩・体幹で近づけて運ぶ、といった置き換えが有効でしょう。ねじりと反りは小さく、動きは“ゆっくり・まっすぐ・短く”が合言葉です。
また、疲労は時間管理(ペーシング)でコントロールします。家事・移動・運動を「20分活動+10分休息」「10分活動+5分休息」など自分の型にし、予定は“足し算”でなく“引き算”で組みます。休息は横になるだけでなく、椅子で背当てに預けて目を閉じるマイクロレスト(1〜3分)も効果的です。
活動の優先順位は重要・緊急・後回しに分け、重要のなかでも「本人がやりたいこと」を最初に置くと満足感が残りやすいでしょう。保護具や道具は軽いもの・長柄のもの・滑りを助けるマットなど、手先の力を要しない物を選びます。

姿勢と環境調整

姿勢は「支える点を増やし、面で預ける」と安定します。椅子は座面やや高めで膝が90度程度、足底は全接地。背当て+腰当てで骨盤を立て、前腕は肘掛またはクッションに預けて肩の力みを抜きます。机は肘が軽く曲がる高さにし、読む・書くは目線を下げすぎないよう書見台を使うと頸部の負担が減るでしょう。
住環境は「高い・重い・遠い」を減らす配置が基本です。よく使う物は胸〜腰の高さへ集約、持ち上げ動作はスライドへ置き換えます。衣類はやわらかく摩擦の少ない素材、靴は踵が安定しつつ軽量のものを選びます。室温・湿度が低すぎるとこわばりや皮膚トラブルにつながるため、冷え込みやすい時間帯は膝掛けやレッグウォーマーで保温し、入浴後の保湿で擦れを予防しましょう。

日常でできる軽運動

運動は「低負荷・短時間・高頻度」が基本です。痛みが出る手前で止め、翌日に残る疲労がある場合は回数・時間・角度を1段階ずつ下げて調整します。

関節可動域の維持

からだ全体を大きく動かすより、各関節を痛みのない範囲で“滑らかに往復”させることをねらいます。呼吸を止めず、動きに合わせて吐く意識を持ちましょう。

  • 肩・肘・手:肩は両手を胸の前で合わせ、肘を引いて肩甲骨を寄せる→楽に戻すを5回。肘の曲げ伸ばし5回。手は指を軽く開いて握るを10回。握る力は“卵が割れない”程度に。
  • 体幹:椅子に深く座り、骨盤を前後にゆっくり倒すスモールチルトを5回。上体のひねりは小さく左右各3回、目線は正面で。
  • 股関節・膝:座位で片膝をゆっくり伸ばし、つま先を天井→足先を手前の順で各5回。立位が不安なら机や手すりで支持します。
  • 足首・ふくらはぎ:座位で足首を上下各10回、くるくる円を描くように左右各5回。就寝前の足関節ポンプは翌朝のこわばり軽減に有用です。

コツは「温めてから・小さく始める」こと。入浴後や温タオルで関節を温めてから、回数は少なく角度は浅く始め、良い感触のまま終えると継続しやすいでしょう。週の合計時間を増やすより、毎日の“ちょい足し”を途切れさせないことを目標にします。

呼吸・リラックス法

呼吸は筋緊張をほどき、痛みの感じ方をやわらげる土台になります。おすすめは腹式(鼻から吸う)+口すぼめ呼吸(細く長く吐く)の組み合わせです。
実施例:上半身を15〜30度挙上して、肩を下げ、手をお腹に置きます。4秒で鼻から吸い、6〜8秒かけて口をすぼめて吐くを5サイクル。吐くときに背もたれへ体重を預け、額・顎・肩の順に“脱力の合図”を送ると力みが抜けます。
就寝前は照明を落とし、深呼吸→手首・足首のやさしい回旋→背当てや膝下クッションで面で支える体位に整えると入眠しやすいでしょう。日中は家事やデスク作業の合間に60〜90秒の呼吸休憩を入れ、こまめにリセットします。

まとめ

生活リハビリは無理をしない設計・関節を守る動き・短時間の積み重ねで、よい循環が生まれます。良い日も悪い日も同じ“型”で量を調整し、疲労は前倒しで休息を入れてコントロールしましょう。家族や支援者は手順・中止基準・休息方法を共有し、成功体験を小さく重ねるほど、明日の「できた」が増えていくでしょう。


介護保険レンタルや
介護保険の申請方法など、
ご不安やご不明点がありましたら
お気軽にご相談ください。

お電話からのお問い合わせ

専門スタッフが対応します。
どんなことでもご相談ください

0120-203-001

受付時間/9:00~18:00

お問い合わせフォームからはこちら

ご相談はもちろん、
カタログ請求にもご利用いただけます

お問い合わせフォームはこちら

お急ぎの場合はお電話よりお問い合わせください