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就寝時に呼吸が苦しいときの対処法
夜になると息苦しさが増して寝つけない、そんなときは、まず身体が楽に呼吸できる姿勢と空気環境を整えてみましょう。室温や湿度、枕の高さ、寝具の当たりを一つずつ見直すと、呼吸の負担は想像以上に軽くなります。ここでは今夜から実践できる工夫と、在宅ケアで役立つ用品の活用法をまとめます。
まず確認すること
息苦しさは、空気・姿勢・緊張の三つが絡み合って起きやすいです。焦らず順番に確認すると良いでしょう。
室内環境・身体症状
就寝前に室温20〜26℃・湿度40〜60%を目安に整えます。鼻詰まりが強いと口呼吸になり乾燥が進むため、鼻周りを温める、入浴やうがいで喉を潤す準備が効果的です。
不安・緊張
不安や緊張は呼吸数を増やし、息苦しさを助長します。ゆっくり吐く→吸うを数分繰り返してから体位調整へ進みましょう。
姿勢の工夫
肺がふくらみやすい角度と、首・胸郭の動きを邪魔しない支持を意識します。
上半身の挙上・側臥位
背上げは30〜45度から開始します。枕を重ねるより背〜骨盤まで面で支えるほうが安定します。仰向けで苦しい場合は側臥位にし、肩の下に薄いクッションを入れて胸を少し開くと胸郭が動きやすくなります。
寝具の当たり・首の角度
首が反りすぎる(顎上がり)と気道が狭まり、顎引き過ぎでも呼吸筋が働きにくくなります。耳孔—肩—骨盤が一直線に近づく高さを探り、後頭部と頸部を分けて支持すると微調整がしやすいです。掛け物や衣類で胸腹部を強く圧迫していないかも確認します。
室内環境の整え方
空気の質と流れを整えると、夜間の呼吸努力を下げられます。
換気・加湿・ほこり対策
就寝1時間前に二方向換気を行い、加湿器は過加湿にならない出力で運転します。サーキュレーターは直接風が顔に当たらない位置へ。寝具のほこりは就寝前ではなく日中に清掃して舞い上がりを防ぎます。
就寝前のルーティン
白湯→鼻かみ→口腔保湿→背上げ→腹式呼吸1分、の順を習慣化します。夜間覚醒時も同じ手順に戻ると再入眠しやすいでしょう。
寝姿勢を支える介護用品
介護用品を活用すれば、姿勢づくりと環境調整が簡単に行えます。
介護ベッド
背上げ・脚上げ・高さ調整で、呼吸が楽な角度を再現性高くつくれます。その日の体調にあわせて快適な姿勢をつくりましょう。
姿勢保持クッション
坐骨部や大腿部の圧を逃がし、底づき・蒸れを抑えながら姿勢を安定させます。ベッド背上げ時の前滑り対策にも有効です。
まとめ
就寝時の息苦しさには、姿勢と環境の整備が有効です。介護ベッドや体圧分散クッションを併用すれば、毎晩同じ条件を再現でき、安定した睡眠につながります。無理をせず「楽に呼吸できる角度」を優先し、つらい日は早めに体勢を切り替えましょう。