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寝たきりの方とのコミュニケーション方法
寝たきりの方と円滑にコミュニケーションを取るためには、周囲の環境整備や伝え方の工夫が欠かせません。日常の中での関わり方を工夫することで、安心感や信頼関係を深められるでしょう。
本記事では環境づくりから補助ツールの活用まで具体的に解説します。
環境づくり
快適な環境はコミュニケーションの質を高めます。五感への配慮と姿勢の工夫が大切です。
音・光・温度・姿勢
周囲の音は必要以上に大きくせず、落ち着いたBGMや自然音が心地よい場合もあります。光は明るすぎず、まぶしさを抑える位置から照らすのが良いでしょう。室温や湿度を適切に保ち、体位は安定感と呼吸のしやすさを重視します。
視線と触れ方
話す際は目線を合わせる高さに位置し、安心感を与えるため優しく肩や手に触れるとよいでしょう。ただし相手の反応を見ながら行い、嫌がる場合は控えます。
伝え方の工夫
相手が理解しやすく、答えやすい形で伝えることが大切です。
短文・選択肢・確認
長い説明より短い文章で伝え、「はい・いいえ」で答えられる質問や2択の選択肢を使うと意思表示がスムーズになります。返答後は必ず確認し、誤解を防ぎましょう。
写真や音楽を用いた回想
家族写真や過去の出来事に関連した写真、なじみの音楽を用いた回想法は、感情や記憶を引き出すきっかけになります。会話が広がりやすくなるでしょう。
日課に組み込む
日常生活の流れに自然に組み込むことで、負担なく継続できます。
起床・食事・ケア前後
起床時や食事の前後、ケアの準備や終了後など、動作の切り替え時は声をかけやすいタイミングです。「これから○○しますね」といった予告は安心感につながります。
記録と共有
会話の内容や反応を簡単に記録し、家族やスタッフと共有することで、関わり方の質を高められます。
補助ツールの活用
言葉以外の方法で意思を伝えるための補助ツールは有効です。
連絡帳・ボード・呼び出し
連絡帳や筆談ボードは、会話が難しいときにも情報を共有できます。押しやすい呼び出しボタンは、緊急時にも安心です。
在宅と施設の連携
在宅介護の場合は、定期的に訪問するスタッフと情報を共有し、施設介護では複数スタッフ間で対応の一貫性を保つことが重要です。
まとめ
寝たきりの方とのコミュニケーションは、環境・伝え方・日常のタイミング・補助ツールの4つの視点で工夫できます。小さな配慮が大きな安心感につながり、良好な関係を築くきっかけとなるでしょう。