心理と身体のハードル

杖の使用を嫌がる背景には、心の抵抗と身体的な使いづらさの両方があります。

見られ方・自尊心・好み

杖を持つことで「年を取った」と見られることへの抵抗感や、自立して歩きたいという思いから拒否する方もいます。また、デザインや色が好みに合わない場合も使用をためらう理由になるでしょう。

痛み・左右差・手の力

手首や握力が弱い場合、長時間の使用で痛みが出ることがあります。左右どちらの手で持つかによっても使い勝手が変わり、慣れるまでに時間がかかります。

導入の工夫

抵抗感を和らげるには、試しやすい環境と使いやすさの工夫が重要です。

試用・長さ調整・握りの形

まずはレンタルや短期間の試用から始め、長さを体格に合わせて調整します。握りの形や素材を変えるだけでも手への負担を減らせます。

歩行環境の整備

段差解消や手すり設置、防滑マットの活用など、屋内外の環境を整えることで杖への依存度を減らし、安全性を高められます。

安全に使用するために

杖や代替策の導入を決めた後も、定期的な見直しと安全管理が必要です。

転倒リスクの見直し

季節や体調によって歩行状態は変化します。定期的に環境や補助具の状態を確認し、必要に応じて変更します。

周囲の声かけ

使用状況を観察し、疲労や不安を感じていないか声をかけます。簡単な記録をつけることで変化に早く気づけるでしょう。

代替となる歩行支援

杖に抵抗がある場合でも、歩行を支える他の方法があります。

歩行器

杖を持つことで痛みが出たり使いづらさを感じたりする方は、より安定して支えてくれる歩行器の使用がおすすめです。

手すり・防滑マット

手すりを設置することで、杖が無くても歩行をサポートできます。また、防滑マットを置くと転倒の危険性をさらに低くできます。

まとめ

杖を嫌がる背景には心理的・身体的な要因があり、押し付けずに寄り添う姿勢が大切です。杖だけにこだわらず、歩行器や手すり、防滑マットなどの代替策を組み合わせ、安全で快適な歩行支援を実現しましょう。