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転倒リスク評価と住宅内対策
高齢者にとって転倒は骨折や長期入院のきっかけとなりやすく、生活の質を大きく下げる要因です。転倒は偶然ではなく、環境や身体状況など複数の要因が重なって起こることが多いものです。
本記事では、転倒リスクの評価方法と住宅内でできる具体的な対策、さらに安全な移動を助ける介護用品の活用法について解説します。
転倒リスクの捉え方
転倒は「内的因子」と「外的因子」が複合的に影響して発生します。それぞれを整理し、改善点を把握することが予防の第一歩です。
内的因子・外的因子の整理
内的因子は筋力低下、バランス感覚の衰え、視覚・聴覚の低下、持病によるふらつきなど、利用者の身体的要因です。外的因子は段差、滑りやすい床、暗い照明、散乱した物品など環境要因を指します。両面からリスクを洗い出すことが大切です。
チェックリスト活用のコツ
自治体や事業所が配布する転倒予防チェックリストを活用し、日常的に自己点検します。介護者や家族が一緒に確認すると、本人が気づきにくい危険ポイントも発見できるでしょう。
居室・廊下・水回りの対策
住宅内は場所ごとに転倒リスクが異なります。それぞれの特徴に応じた改善が必要です。
室内移動をサポート
手すりや歩行器を利用し、立ち座りや移動時には掴まったり支えたりできるようにしましょう。
段差・照明・床材の工夫
小さな段差にはスロープや段差解消プレートを設置します。夜間の移動には足元を照らすセンサーライトを活用し、床材は滑りにくい素材やマットに変更すると安全です。
浴室・トイレの防滑と手すり配置
浴室には防滑マットを敷き、トイレや浴槽の出入り口には適切な高さに手すりを設置します。冷えやすい場所は暖房器具で温度差を減らすことも、転倒防止に有効です。
転倒を防止する介護用品
安全な歩行や室内の移動を助ける介護用品を活用すると、転倒リスクを大きく減らせます。以下はヤマシタすぐきたに掲載している介護用品の一例です。
室内歩行器(テイコブリトルR/レッツゴー)
商品名 | 主な特長 | サイズ | 介護保険1割負担額/月 | レンタル料/月 |
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テイコブリトルホームF(幸和製作所) | フローリングや畳でも滑りにくい後輪タイヤ・トレイ付き | 幅47.5×奥行65×高さ77~104cm/重量7.8kg | 442円 | 4,420円 |
レッツゴー(竹虎) | 室内専用・小回りが利く・トレイ付き | 幅54×長さ60×高さ84~91.5cm/重量7kg | 306円 | 3,060円 |
工事不要手すり
商品名 | 主な特長 | サイズ | 介護保険1割負担額/月 | レンタル料/月 |
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ルーツ ロングタイプ(モルテン) | 置くだけ設置・廊下等の距離が長い場所に最適 | 幅81×高さ70~80cm/重量17.1kg | 296円 | 2,960円 |
バディーC(モルテン) | 床と天井で突っ張る・ワンタッチで設置・様々なオプションあり | 7.1kg | 306円 | 3,060円 |
まとめ
転倒リスクは身体と環境の両面から評価し、必要な対策を講じることで大幅に減らせます。住宅内の危険を減らし、安全な移動を支える介護用品を活用すれば、日常生活の安心感は一層高まるでしょう。