更新日:
誤嚥予防体操の基礎と続け方
高齢になると飲み込む力(嚥下機能)が低下し、食べ物や飲み物が誤って気道に入る誤嚥のリスクが高まります。誤嚥は肺炎など重い症状の原因になるため、日頃から予防に取り組むことが大切です。
本記事では、誤嚥予防体操の基本、種類、続けるためのポイント、そしてサポート用品の活用法を解説します。
誤嚥予防の基本
誤嚥を防ぐには、日常の姿勢や食事環境、口腔の衛生状態を整えることが重要です。
姿勢・環境・食事ペース
食事時は背筋を伸ばし、顎を軽く引いた姿勢をとります。ベッドや椅子の高さを調整し、足が床にしっかりつくようにすると安定します。テレビや会話に気を取られず、ゆっくりとよく噛んで飲み込むことを心がけましょう。
口腔ケアの重要性
口の中の汚れや細菌は誤嚥性肺炎のリスクを高めます。食後の歯磨きやうがい、入れ歯の清掃を習慣にし、舌や頬の内側もやさしくブラッシングすると清潔を保てます。
誤嚥予防体操の種類
誤嚥予防体操は、口・舌・喉の筋肉や呼吸機能を活性化させることを目的としています。
口腔・舌・嚥下周囲の準備運動
口を大きく開けて閉じる、舌を前後左右に動かす、ほほを膨らませて空気を移動させるなどの運動は、嚥下に関わる筋肉を柔らかくします。肩や首を回す準備運動も、飲み込み動作をスムーズにします。
発声・呼吸のトレーニング
「パ・タ・カ・ラ」と大きな声で発音する体操は口や舌の動きを鍛えます。深呼吸や息を長く吐き続ける練習は、呼吸と嚥下のタイミングを合わせる訓練になります。
実施時のポイント
効果的に継続するためには、無理をせず習慣化できる環境づくりが大切です。
時間帯・回数・無理のない強度
食事前や入浴後など、筋肉が温まっている時間帯が適しています。1日2~3回、1回あたり5〜10分を目安に行い、痛みや疲れを感じたら中止します。
家族が見守る際の注意点
無理な発声や過度な反復を避け、体調や表情を観察しながらサポートします。水分を用意しておくと、喉の渇きによる負担を防げます。
誤嚥防止に役立つ介護用品
誤嚥を防止したり、正しい姿勢で体操を行うには、背上げや座位を安定させる介護用品が役立ちます。以下はヤマシタすぐきたに掲載している介護用品の一例です。
介護ベッド
商品名 | 主な特長 | サイズ | 介護保険1割負担額/月 | レンタル料/月 |
---|---|---|---|---|
楽匠wing(パラマウントベッド) | 背上げ時の身体圧分散・足先角度調整機構 | 幅91cmレギュラー | 1,206円 | 12,060円 |
ミオレットⅢ 3モーター(プラッツ) | ズレ抑制機構・膝位置フィット・背足連動調整 | 幅100×長194/204/218cm | 906円 | 9,060円 |
ティルト・リクライニング車椅子
商品名 | 主な特長 | サイズ | 介護保険1割負担額/月 | レンタル料/月 |
---|---|---|---|---|
くるーん(松永製作所) | ティルト・リクライニング機構で安定した座位保持 | 全幅64×全長108×全高125cm | 906円 | 9,060円 |
まとめ
誤嚥予防体操は、毎日の積み重ねで嚥下機能を維持・向上させる有効な手段です。安全な姿勢と適切な用品を活用すれば、より効果的に継続できるでしょう。家族や介護者と協力し、無理なく習慣化していくことが大切です。