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杖の正しいつき方ガイド|高さ調整・歩行手順・安全チェック

杖の正しいつき方ガイド|高さ調整・歩行手順・安全チェック

はじめて杖を使うときに迷いやすいのは「どちらの手で持つか」「どの順番で出すか」「どの高さが正しいか」です。基本を押さえれば、力任せに体を支えなくても自然にバランスが取れるようになります。
この記事では高さ調整から平地歩行、段差・階段のコツ、場面別の注意点、メンテナンスまでを解説します。

杖の役割と基本姿勢

杖は体重を全て預ける道具ではなく、バランスを補い歩行を安定させるサポーターです。まずは立位姿勢を整えることが前提になります。

体重支持とバランス補助の考え方

杖は第三の支点として地面に触れ、左右の荷重差をならす役割を果たします。常に強く突くのではなく、足の運びに合わせて軽く設置し、必要な瞬間だけ荷重を分散させるのが理想です。

正しい姿勢(視線・重心・足幅)

視線は斜め前、背中は伸ばし、肩をすくめないことが大切です。足幅はこぶし一つ程度を保ち、重心は両足の真ん中に置く意識で立つと、杖の効果が出やすくなるでしょう。

高さ調整の基準

高さが合っていないと、肩や手首を痛めやすくなります。測り方の基準を覚えておくと、どの杖でも素早く合わせられます。

手首ライン・肘角度20〜30度の目安

楽に直立し、腕を自然に垂らしたときの手首の高さがグリップ位置の目安です。実際に握ったとき、肘が20〜30度ほど軽く曲がる長さが歩きやすい高さになります。

靴・屋内外での再調整ポイント

厚底の靴や屋外用の靴に替えると有効長が変わります。季節や用途で履物が変わる場合は、出発前に一度グリップ位置を見直すと安心でしょう。

つき方の基本手順

手に持つ側と出す順番を決めるだけで、歩行の安定感は大きく変わります。次のシンプルなリズムから始めましょう。

健側の手で持つ

原則として健側の手で杖を持ち、患側の脚の荷重を減らします。荷物や手すりの位置など環境要因で一時的に持ち替える場面はありますが、基本は健側で統一すると学習が早くなります。

平地歩行:杖→患側脚→健側脚のリズム

歩き出しは「杖」→「患側脚」→「健側脚」。三拍子のリズムを小さめの歩幅で刻むと、左右差が出にくくなります。杖先は自分のつま先より半足分ほど前、やや外側に置くとスムーズです。

方向転換・立ち上がり・椅子への着座

方向転換は小刻みに足踏みしてから上体を回し、最後に杖を寄せます。立ち上がりは椅子の端に浅く座り、片手で座面、もう一方で杖をつきながら前傾して起立します。着座は逆の手順でゆっくり腰を下ろすと安全です。

段差・階段のコツ

段差や階段はルールを覚えれば怖くありません。合言葉のように手順を覚えておくと良いでしょう。

上りは健側先行/下りは杖と患側先行

上りは「健側→患側→杖」の順で、一段ずつ確実に。下りは杖と患側を先に降ろし、最後に健側を添えます。常に上段側の手すりに近い位置を歩くと安心です。

手すり併用と一段一脚の意識

手すりがあれば手すり側に体を寄せ、杖は反対手で短く持ちます。無理に二段続けて動かず、一段ごとに足をそろえる「一段一脚」を徹底するとつまずきにくいでしょう。

杖の種類別のつき方と使い分け

形が違えば重心のかかり方も変わります。場面と体力に合わせて選び方を工夫しましょう。

一本杖(T字・伸縮・折りたたみ)

最も一般的で、携帯性と調整のしやすさが利点です。平地中心で、左右差の小さい方に向いています。荷重は突き込みすぎず、接地した瞬間に軽く支えるイメージが歩きやすいでしょう。

多点杖(3点・4点)とシーケンス

接地面が増えるため静止時の安定感が高く、ゆっくり歩く方に適します。リズムは「杖(全脚)→患側→健側」。段差では全脚が同時に設置できる平面を選ぶことが大切です。

ロフストランドクラッチの基本

前腕で支えるタイプは、手首の負担を分散できます。肘角度20〜30度を保ち、杖先は体のやや前外側に置きます。上体を反らしすぎないことが安定への近道です。

よくある間違いと修正法

症状ではなく「動作の癖」に目を向けると改善が早まります。鏡や家族の観察を活用しましょう。

長さ不適合・体のねじれ・突き出し過多

長すぎると肩が上がり、短すぎると体が前に倒れやすくなります。歩幅を大きくしすぎると杖を前に突き出しがちです。目印を床に貼って歩幅を一定にすると修正しやすいでしょう。

先ゴムの摩耗・接地角の誤り

先ゴムが磨耗すると滑りやすくなります。接地角が内側に傾く癖がある場合は、杖先が足に近づきすぎているサインです。半足分外へ置く意識で矯正できます。

屋内外シーン別のポイント

同じ歩き方でも、床材や天候が変わるだけで難易度は上がります。場面ごとにルールを用意しておきましょう。

玄関・狭所・ぬれた床での配慮

玄関マットの段差はつまずきやすい場所です。狭所では杖をやや短く持ち替え、先端を体に近づけて小回りします。浴室前など濡れた床は、一歩ごとに杖先の滑りを確認すると安心です。

坂道・砂利・雨天時の注意

下り坂は歩幅を詰め、杖先を体に近い位置へ。砂利道では多点杖が安定します。雨天は先ゴムの泥をこまめに落とし、マンホールやタイルの上は避けるのが賢明でしょう。

メンテナンスと安全点検

道具の状態がそのまま安全性に直結します。定期点検の習慣をつけましょう。

先ゴム・固定部・シャフトの点検周期

先ゴムは溝が浅くなったら交換の合図です。月1回を目安に、緩みやガタつきを確認し、伸縮タイプはピン・ネジを締め直します。シャフトの曲がりや傷も見逃さないでください。

消耗時期の目安と交換タイミング

屋外中心の使用で先ゴムは数か月〜半年が交換目安です。グリップのベタつきやひび割れが出たら、滑りの原因になるため早めの交換が安全でしょう。

まとめ

杖歩行は「健側で持つ」「三拍子のリズム」「肘20〜30度」の三つを守るだけで安定します。段差・階段は手順を定型化し、場面に応じた杖の種類と持ち方を選ぶと、無理なく歩けるようになるでしょう。定期点検を習慣にし、少しずつ歩行距離を伸ばしていけば、外出の不安は確実に軽くなります。

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