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住宅型有料老人ホームの特徴!他の有料老人ホームの違いについて解説
外観や名称が似ている老人ホームがたくさんあるため、住宅型有料老人ホームは他の施設とは何が違うのでしょうか。本記事では、住宅型有料老人ホームの入居条件や受けられるサービスなどを解説していきます。
「有料老人ホーム」には、サービス付き高齢者向け住宅や介護付き有料老人ホームなど似たような名称、施設形態があり、住宅型との特徴の違いを解説します。施設選びの参考や施設パンフレットの取り寄せの参考になれば幸いです。
住宅型有料老人ホームとは?
住宅型有料老人ホームは、生活支援などのサービスがついた高齢者向け老人ホームです。生活援助には、食事の提供や掃除、洗濯などが含まれており、施設のスタッフが提供します。
また、福祉用具のレンタルなどの介護保険サービスを利用でき、入居者1人ひとりの状況に合わせたサービスを提供できます。
「介護付き」有料老人ホームと名前が似ているため、間違えやすいですがサービスの内容が異なりますので後述します。
入居条件
住宅型有料老人ホームは、介護を必要としていない自立の人から、要介護の人まで幅広く受け入れていることが多く、受け入れ条件が一律で定まっているわけではありません。ただ、多くの施設は、年齢制限を設けており「60歳以上」が目安となっています。
なかには、医療機関と連携しており、日常的に医療ケアをしなければいけない人が入居できていたり、その一方で医療体制が整っていない施設もあります。
自立状態の人だけが入居できる施設では、要介護状態になったタイミングで退去をお願いされる施設もあります。
詳細な条件は、各施設により異なるのでパンフレットやホームページなどで確認して、問い合わせをしましょう。
人員体制
住宅型有料老人ホームは、人員配置の義務がありません。これも「介護付き」有料老人ホームとは異なる点です。
施設長(管理者)は1人と定められていますが、他の職種の配置はその施設で決めることができます。主なスタッフの構成は以下の通りです。
- 介護職員
- 看護職員
- 生活相談員
- 機能訓練指導員
その他、管理栄養士、調理員、事務員などありますが、施設ごとの必要数に応じて配置されています。
医療系に力を入れている施設ならば、看護職員が多くなり、リハビリならば機能訓練指導員の配置が多くなります。施設の特色に合わせて人員体制を整えています。
住宅型有料老人ホームのサービス内容
住宅型有料老人ホームのサービスは、それぞれの施設で特色がでます。
- 医療・介護サービス
- イベント
- 食事の個別対応
こちらの3点に関して詳しく説明していきます。
医療・介護サービス
住宅型有料老人ホームは、法律上看護職員の配置を義務付けられていませんが、外部から訪問看護を利用してサポートを受けられる施設もあります。胃ろうやストマ、気管切開などの医療行為を必要とする人でもケアを受けられます。
また、介護サービスにおいても外部の事業者と連携を取れるので、健康管理や内科受診なども利用できます。
イベント
入居者の家族を招いてお花見や史跡巡りなどを開催している施設もあれば、マグロの解体ショーを行ったり、出張の寿司屋さんが定期的に来る施設もあります。ほかにも、囲碁・将棋やカラオケ、手芸などのレクリエーションが用意されています。
イベントやレクリエーションに関しては、それぞれの施設が力を入れているので、事前にパンフレットを見て確認をすると良いでしょう。
食事の個別対応
食事は栄養士の管理のもと、栄養バランスに配慮した1日3食とおやつの提供が多くの施設で行われています。食事は、入居者のお身体に合わせて、ソフト食やきざみ食など食事の形態を変えて提供されます。もちろん、食事介助が必要な人には個別で対応します。
施設によっては、糖尿病のカロリー制限や高血圧の塩分摂取量を調整された食事、アレルギーに配慮した食事など、それぞれの疾患に合わせた治療食を提供するところもあります。
住宅型有料老人ホームの設備
住宅型の居室は個室で1人当たり13㎡以上となっており、相部屋(夫婦部屋)は26㎡以上が必要です。居室内に設置されている設備の主な物は以下の通りです。
- ナースコール
- スプリンクラー
- 洗面所
- トイレ
- 収納設備
ほかにも、共有スペースには食堂やリビングを兼ねる共同生活室がある。施設によっては、理美容室や売店などを備えている場合があります。
ちなみに、共有スペースにトイレや洗面所が適当な数、設置可能ならば居室に設置する必要はありません。施設を決めるときには確認しましょう。
住宅型有料老人ホームを選ぶメリット・デメリット
まずメリットは、必要に応じて介護サービスを選択できることです。在宅の時のサービスを引き続き利用できます。
また、生活相談員が在籍している施設ならば、日常の困りごとだけではなく、訪問および通所介護サービスに関して相談ができます。必要に応じて、新しいサービスを利用できるので、福祉用具のレンタルもできます。
デメリットは、特別養護老人ホームなどの公的施設よりも費用が高めです。また、外部の介護サービスは、原則自分で選ぶ必要があります。
さらに、施設によっては入居中に介護度が高くなると、入居の継続が難しくなるケースもあります。入居を決める前に必ず確認しておかないといけないことです。
住宅型有料老人ホームの費用
入居にかかる費用は、入居一時金と月額利用料金があります。
入居一時金は、入居する際に施設側に一括で支払うお金のことです。この中には敷金や退去時の原状回復(修復費)の代金が含まれています。
入居一時金は、前借金のような意味合いが含まれているので、想定入居月数より早く退去となると返還されます。
月額利用料金は、一般的に家賃、管理運営費、食費、水道光熱費など料金及び介護保険を利用して外部のサービスを使用した場合は、その費用もかかります。
ちなみに、介護サービスは「利用した分だけ」の負担となり、入居者の負担割合(1~3割)によって支払う金額が決定します。
他施設との違い
有料老人ホームは、似たような名称のものがあるので、違いがよく分かりません。
それぞれの以下の施設
- サービス付き高齢者向け住宅
- 介護付き有料老人ホーム
住宅型との違いを解説していきます。
サービス付き高齢者向け住宅との違い
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は「国土交通省」が管轄するバリアフリーが完備された賃貸住宅です。それに対して、住宅型は「厚生労働省」が管轄する介護施設です。
住宅型は有料老人ホームの全体で約3割を占めています。
サ高住との違いは、生活相談や安否確認のサービスを受けられますが、多くは自立した人が入居されます。
一方で、住宅型は食事提供などサービスがあるので、自立から軽度の介助が必要な人が利用されます。住宅型は、他者とのレクリエーションやコミュニケーションを取りながら楽しく生活を過ごすことができます。
介護付き有料老人ホームとの違い
介護付き有料老人ホームは、対象者が要介護状態の人でも入居でき、手厚いケアを受けることができます。
住宅型は、要介護状態になった場合、退去となる場合があるので大きな違いです。さらに、医療サービスも整い、看取り対応ができる施設も多くなってきています。
住宅型は外部の介護サービスを利用する場合は「利用した分だけ」でしたが、介護付きは、常駐するスタッフから24時間ケアを受けられて、定額制となっています。
多くの介護サービスを受ける必要があるので、あらかじめ費用が決まっています。想定していなかった追加サービスに関しても、定額に含まれるので安心できます。
まとめ
住宅型有料老人ホームは、自立の人から少し軽度の介助量が必要な人が入居する施設です。
入居者の人たちとレクリエーションを楽しんだりすることができますが、入居する時には要介護状態になった時に退去の必要があるかなど確認することが大切です。