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電動ベッドのメリット・デメリットを解説!介護用ベッドの選び方も紹介
普通のベッドは、背面部の高さを調整したり脚を上げたりする機能がついていません。しかし電動ベッドなら、リモコン1つで高さや角度を変えられます。
本記事では、電動ベッドと一般的なベッドの違い、介護用ベッドについて紹介します。
電動ベッドのメリット
一般的なベッドは角度や高さを変えられませんが、電動ベッドは背部の角度を変えたり脚上げなど、さまざまな機能がついています。
そのため、ベッドにいながらでも、楽な姿勢で読書や動画を楽しむことができます。
また、ひとり暮らしのようなワンルームでは部屋の広さが十分でないため、ベッドとソファの両方を置けない場合もあるかと思います。しかし電動ベッドなら、角度を調整すればソファとしても利用可能です。
介護はもちろん、パソコン作業や読書、映画鑑賞をしてくつろぎたい方にも、電動ベッドはおすすめです。
介護者にとってのメリット
介護は、食事や着替えの介助など体力的に大変で、腰を痛めてしまう介護者も多いです。
一般的なベッドは寝心地の良さやベッドの大きさが重視されますが、介護ベッドは介護者の負担を軽くすることにも重点を置いており、負担を減らすための工夫がされています。
例えば、ベッドの高さを調整できる機能があれば、腰をかがめずに介助できます。
このように介護ベッドは、介護者と要介護者の両方が快適に過ごせるように設計されています。
電動ベッドのデメリット
電動ベッドを利用する際にはいくつかの注意点があります。
購入後に失敗したと思わないためにも、ぜひ参考にしてください。
一般的なベッドと比べて高額
一般的なベッドとの大きな違いは、モーターがついていることです。
リモコンを使用して高さや角度を簡単に調整できるようモーターが装着されており、機能性に優れているため、一般的なベッドと比べると高額です。
サイズが小さい
一般的なベッドはセミダブルやクイーンなど、個々の生活に合わせてさまざまなサイズを展開しています。
一般的なベッドの大きさ | ベッド幅 |
---|---|
セミシングル | 80cm |
シングル | 97cm |
セミダブル | 120cm |
ダブル | 140cm |
クイーン | 160cm |
キング | 180cm |
しかし、介護用の電動ベッドは介護のしやすさを目的としているため、サイズは83cm、91cm、100cmと主に3種類のみです。
介護用ベッドは一般的なベッドよりも小さい作りとなっています。
電動ベッド専用のマットレスが必要
背上げ機能や膝上げ機能を使用する際には、電動ベッドの動きに合わせて曲がるように作られている専用マットレスが必要です。
電動ベッド非対応のマットレスを購入してしまうと、背上げや脚上げがスムーズにできません。ベッドの故障につながる可能性もあるため、マットレスを購入する際は電動ベッドに対応しているか確認しましょう。
電動ベッドに対応しているマットレスかどうかわからないといった不安がある方は、電動ベッドとマットレスが一体型の商品を買うのもおすすめです。
電動ベッドが非課税になる条件
電動ベッド、特に介護用ベッドは高額ですが、一定の条件を満たすと非課税になります。
非課税になるベッドの条件は以下のとおりです。
- 本体の側板の外縁と側板の外縁との幅が100センチメートル以下のもの
- サイドレールが取り付けてあるもの又は取り付け可能なもの
- キャスターを装着していないもの
引用:消費税法施行令第十四条の四の規定に基づき厚生労働大臣が指定する身体障害者用物品及びその修理を定める件
つまり、ベッド幅が100cm以下でサイドレールがあり、キャスターが装着されていないものは非課税対象です。
また、厚生労働省は身体障がい者用の物品について以下のように説明しています。
「電動ベッドは身体に障害を有する者が家庭において使用する寝台であって、身体に障害を有する者の頭部及び脚部の傾斜角度が調整できる機能を有するもの」
引用:消費税法施行令第十四条の四の規定に基づき厚生労働大臣が指定する身体障害者用物品及びその修理を定める件
電動ベッドは、介護を必要とする身体障がいのある方が、家庭で使用することを目的とした商品です。そのため、経済的な負担を減らすために非課税で購入できます。
電動ベッドと介護用ベッドの違い
電動ベッドと介護用ベッドは用途が違います。
電動ベッドは通称「リラックスベッド」と呼ばれており、日常的な使用が目的です。そのため、色や加工にこだわりデザイン性に優れているのが特徴です。
また電動ベッドはリラックスを目的としているため、90〜120cmと幅広い設計になっています。
一方、介護用ベッドは要介護者や介護者の負担を減らすために作られており、介護しやすい機能を重視しているのです。
褥瘡を予防するための寝返りの補助や、安全に配慮した超低床モードなどの機能があります。ベッドの幅も83cm、91cm、100cmと、介助者の負担を考えて狭く設計されています。
電動ベッドの選び方
ここでは、電動ベッドの選び方を解説します。具体的には以下の点を意識して購入しましょう。
- 必要な操作のためのモーター数
- 金額
ぜひ参考にしてみてください。
モーター
モーターがあることで、ベッドの細かい操作を実現できます。そのため、要介護者や介助者も腰や膝を痛めずに安心してケアできるでしょう。
電動ベッドの機能や動作はモーター数によって変化します。
モーター数 | 機能 |
---|---|
1モーター | 背上げ、背上げ+脚上げ、高さ調整のどれか1つ |
2モーター | 背上げ+脚上げ 高さ調整 |
3モーター | 背上げ 背上げ+脚上げ 高さ調整 |
4モーター | 背上げ 背上げ+脚上げ 高さ調整 寝返り補助機能または超低床モード |
モーター数が増えることで、ベッド上でサポートできる機能が増えます。
金額
100cm以下でサイドレールがあり、キャスターが装着されていない電動ベッドは非課税です。非課税になるベッドを探している方は、条件を満たした商品を探しましょう。
また介護用ベッドのレンタルは、介護保険を利用すると自己負担が1〜3割となります。
レンタル費用が1万円の場合、自己負担が1割なら1,000円+付属品の金額を支払うことになります。
介護度の低い方はレンタルできないため、数万円〜数十万円以上かけてベッドを準備しなくてはいけません。
介護用ベッドの自己負担額や、要支援1〜要介護1でもレンタルできる福祉用具を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
おすすめの介護用ベッド
おすすめの介護用ベッドをモーターの数別に紹介します。介護用ベッドを購入するうえでどの程度の性能があればいいか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
2モーターベッド
2モーターベッドを購入したい方におすすめの商品は以下のとおりです。
布団やシングルサイズのベッドと同じ感覚で使えて、大きく寝返りがうてる100cm幅を採用しています。
背ボトムと膝ボトムの上げ下げを組み合わせた連動プログラムと、背ボトムの角度調節、ベッドの高さ調節が利用できます。
ベッド専用アプリをスマートフォンに登録すれば、家庭内呼び出し機能、スマートフォンによるベッド操作などが利用できます。
背が低い方でもかかとをしっかり床につけることができる低床タイプです。
縦×横×高さ(ボード含む) | 幅108.4×長さ203.8/214.8×高さ60.7~104.2cm |
---|---|
高さ | 60.7~104.2cm |
背上げ角度 | 0~75度 |
膝上げ角度 | 0~30度 |
重量 | 105kg |
パラマウントベッド Q-AURA(クオラ) 2モーター介護ベッド
こちらの商品は、安全性と機能が高水準の電動介護用ベッドです。
ベッドの高さは25cmまで低くなるように設計されており、これは高齢者の多くがベッドに座った状態で、かかとを床に接地できる高さです。
利用者の安全な立ち上がり動作をサポートしてくれるでしょう。
縦×横×高さ(ボード含む) | 幅99.9×長さ190.7/209.6×高さ65~100cm |
---|---|
高さ | 25~60cm |
背上げ角度 | 0~75度 |
膝上げ角度 | 0~12度 |
重量 | 86.5kg |
3モーターベッド
3モーターベッドを購入したい方におすすめの商品は以下のとおりです。
ミオレットⅢ 3モーター 90cm幅レギュラー/ショート/ロング
こちらの商品は、背上げ時の身体のズレを抑える機能が満載で、身長や部屋のスペースに応じてサイズをお選びいただけます。
圧迫感やズレ、むくみなどにも対応できるよう調整できます。
サイズが3種類あるため、身長や部屋のサイズでお悩みの方はぜひご参照ください。
縦×横×高さ(ボード含む) | 幅100×長さ194/204/218×高さ68.5~102.5cm |
---|---|
高さ | 68.5~102.5cm |
背上げ角度 | 0~70度 |
膝上げ角度 | 0~18度 |
重量 | 86.5kg |
楽匠wing ラクリア3モーション 100cm幅レギュラー/ロング
布団やシングルサイズのベッドと同じ感覚で使えて、大きく寝返りがうてる100cm幅を採用しています。
より座位に近い姿勢で起きあがれる「ラクリアモーション」を採用しています。
ベッド専用アプリをスマートフォンに登録すれば、家庭内呼び出し機能、スマートフォンによるベッド操作などが利用できます。
背が低い方でもかかとをしっかり床につけることができる低床タイプです。
縦×横×高さ(ボード含む) | 幅108.4×長さ203.8/214.8×高さ60.7~104.2cm |
---|---|
高さ | 60.7~104.2cm |
背上げ角度 | 0~75度 |
膝上げ角度 | 0~30度 |
重量 | 105kg |
まとめ
電動ベッドは、機能性やデザイン性に優れているため値段が高価です。
専用マットレスも必要なので、利用するにはお金や手間がかかります。
介護度に応じて負担する費用が変わるため、ケアマネージャーや地域包括ケアセンターに相談してみましょう。
介護保険制度を利用して、ベッドやベッド柵などの付属品をレンタルできます。
ベッドの値段が非課税になる条件もあるため、制度を効果的に活用して、ぜひ自身や家族に合った電動ベッドを検討してください。