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リクライニング車椅子の選定ポイント
長時間の座位でも姿勢を保ちやすいリクライニング(背もたれ角度調整)や、重心を保ったまま角度を変えられるティルトは、安楽性と安全性を高める選択肢です。体格や生活動線、介助体制を踏まえて機能を見極め、採寸と試用で“自分に合う一台”を見つけましょう。
ティルトとリクライニングの違い
どちらも「楽な姿勢を保ち、褥瘡リスクや誤嚥リスクを下げる」ための機能ですが、得意分野が異なります。
姿勢づくり
ティルトは背・座の角度関係を変えずに座面ごと後方へ傾ける方式です。骨盤後傾を招きにくく、体圧を背面へ分散しやすいので褥瘡予防や嚥下時の安定に向きます。リクライニングは背もたれ角度を変える方式で、背部の伸展や休息姿勢づくりが得意です。側臥位移行や更衣介助の前後など、姿勢を大きく切り替えたいシーンで重宝するでしょう。
介助者の操作性
ティルトは重心移動が少なく、段差やスロープでの取り回しが安定しやすい特長があります。リクライニングは背角度を大きく変えると体が前滑りしやすいため、骨盤支持・フットサポートの同時調整が重要です。いずれも制動時はブレーキ・フットサポート・アームサポートの順で安全確認する運用を徹底します。
必要パーツと採寸
必要パーツの見極めと採寸が、フィット感を左右します。
体幹支持・ヘッドレスト・フットサポート
側方のぐらつきがある場合はラテラルサポートや骨盤ベルトで体幹を安定。頸部支持が必要なら多関節ヘッドレストで微調整できる機種を選びます。フットサポートは下腿長に合わせて高さ・角度を合わせ、足底の接地・荷重を安定させると前滑りや疼痛の軽減につながります。
座幅・座奥行・前座高
座幅は骨盤幅+指1〜2本を目安に、座奥行は膝窩から5〜7cmの余裕。前座高は足底接地と介助者の押しやすさを両立する高さを基準にします。背張り調整の有無、クッション(エア/ウレタン/ゲル)と合わせた総合適合で最終判断すると失敗が少ないでしょう。
ヤマシタすぐきた掲載機種
ヤマシタすぐきたでは、ティルト・リクライニング機能のある車椅子を多数掲載しています。以下に一例をご紹介します。
商品名 | 主な特長 | サイズ | 1割負担時のレンタル価格 |
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ティルト・リクライニング車いす くるーん | レバーひとつでティルトとリクライニングが連動 | 幅56.5×長さ98~143×高さ120cm | 906円/月 |
介助用ティルト・リクライニング 6輪車いす | 狭い場所でもスムーズな小回りと安定した乗り心地 | 幅50×奥行98×高さ133cm | 900円/月 |
まとめ
ティルトは重心安定と体圧分散、リクライニングは姿勢変換と休息づくりが得意です。体幹支持・ヘッドレスト・フットサポートを含めた総合適合と、座幅・座奥行・前座高の基本採寸、実機試用を経て選ぶと失敗が少ないでしょう。