我が国では戦後50年以上続いてきた社会福祉のシステムが、新しい時代の流れとともに大きく変わろうとしています。「高齢者等の心身の機能低下や、障害のある人すべてが、一般健常者と同じように生活を楽しむ権利があり、社会としてそ れを支援していかなくてはならない」という、北欧で生まれたこのノーマライゼーションの考え方が日本においても広がりつつあります。すべての人々が、たとえハンデを持ったとしても、その人の生活の質(QOL)を向上出来るようなすばらしい社会への道です。2000年4月にスタートした介護保険制度は、そのような社会を実現するためのシステムの一つであると言えるでしょう。
この介護保険給付サービスの中に福祉用具が含まれており、ケアマネージャ等の専門職からは、介護保険の基本精神である自立支援のための大事なサービスであるとの認識が得られつつあります。
しかしながら福祉用具は一般になじみが薄く、何か特別なものと感じる人が多いといえます。そのため介護が必要な状態になっても、その存在さえ知らないか、あるいはたとえ知っていたとしても、周りの目を気にして使うことをためらったり、引け目を感じる人が多いのが現状です。これらのことが自立を支える福祉用具の正しい使用や、普及を妨げる大きな要因となっています。
このような状況の中で私たちは、視力の低下した人が眼鏡を使ったり、歯の弱った人が入れ歯を使ったりするように、必要な状態になったら誰もが何のためらいもなく福祉用具の利用を考え、使えるような環境を整える必要性を痛感しています。このような社会環境を築くためには、多くの方に福祉用具の存在やその役割を知ってもらい、ひいては高齢社会に欠かすことのできない生活用具として、福祉用具が認知されていくことが大切ではないでしょうか。
そこで私たちは、広く国民に福祉用具を知っていただく機会として、来年度から「福祉用具の日」を10月1日として、関係諸機関・団体とともに全国一斉に、福祉用具のPRキャンペーンを展開したいと考えています。特に高齢社会における福祉用具普及の社会的意義は高いことから、関係業界だけでなく、さまざまな方々と連携して活動を進め、運動の輪を広げていきたいと考えています。